2013年05月30日

世界社会フォーラム債務問題総会宣言文

世界社会フォーラム債務問題総会宣言文
(2013年29日、チュニス)


債務は、15世紀以降歴史的に、略奪、征服、支配そしてそこに住む人々と伝統を貶め破壊する植民地支配の主要な手段であった。

グローバル・サウスが負う債務の数倍もの額がすでに支払われてきた。この債務支払いを通して、 南に北においても、資本が享受する富、資本が利用する資源と労働力が生み出されてきた。

債務は、債務国のエリートとの共謀の元に、海外からの介入、特に財政政策への介入の口実として利用されている。これによって債務国の主権は侵害され、またその民衆は貧窮化し、彼らの経済的・社会的権利が耐え難いレベルにまで奪われている。

多国籍企業と工業先進国の活動により、気候と生態系のバランスに取り返しのつかない変化が起こっている。これは多国籍企業・工業先進国が負う環境債務である。この環境の激変で人類全体が蒙る被害に対し、これらの国々は賠償義務を負う。

債務漬けに陥らせるメカニズムは、世界中どこにおいても、特に女性の生活状況の更なる悪化を招いている。債務は女性たちの経済的自立を損なわせ、彼女たちの社会的・政治的解放を阻害する主要因となっている。

以上、すべてを踏まえ

私たち、闘士トーマス・サンカラに学び、奴隷制と債務のくびきから人々を解放するために闘う団体、社会運動はここに高らかに宣言する。

アラブ圏ならびにマグレブ圏の民衆の、自分たちの運命を自分たちの手に取り戻し、自分たちの希望をそれぞれの状況に応じて、自由に、かつ尊厳ある形で解き放つための闘いの再燃を支持する。

我々は、世界のいたるところで進んでいる債務のくびきから人々を解放するすべての闘いを強力かつ断固として支持する。

世界中で進んでいる緊縮財政政策を拒絶する。

不公正債務を洗い出し、無条件に帳消しをするための、すべての市民主導の債務監査を支持する。

女性が「債権者」たる社会的債務を考慮に入れた、フェミニスト主導の監査を呼びかける。

すべての債務スワップ、債務転換策を拒絶する。それは不公正債務をロンダリングする手立てであると考える。

我々は、チュニジア、ならびに世界中での債務監査の結果を政策に反映させることに対するすべての圧力、妨害を強く非難する。

借りなどない!支払わない!


宣言文 呼びかけ団体(アルファベット順)
ACET (Auditons les Créances Européennes envers la Tunisie)
CADTM International (Comité pour l’Annulation de la dette du tiers monde)
JUBILE SUD AMERIQUES
LATINDADD
Plataforma Ciudadana por la Auditoría de la Deuda (PACD), Estado español
Popular Campaign to Drop Egypt’s Debt
SUD BPCE

原文
http://cadtm.org/Declaration-of-the-Assembly-on

posted by attaction at 09:35 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月01日

社会運動総会の宣言 - 世界社会フォーラム2013

20130329fsm.jpg

社会運動総会の宣言 - 世界社会フォーラム2013
2013年3月29日、チュニジア


私たちは、2013年世界社会フォーラム(WSF)・チュニジアの社会運動総会として、マグレブ・マシュレク(北アフリカ・中東)の人々の人類の文明の建設への重要な貢献を確認するためにここに集った。私たちは、抑圧された人々にとっての脱植民地化が、私たち、世界の社会運動にとって、依然として最重要の課題であることを確認する。

WSFのプロセスの中で、社会運動総会は私たちが多様性にもとづいて結集し、資本主義、家父長制、人種差別やあらゆる形態の差別・抑圧に対する共通の闘いを作り出し、共通の政策課題を練りあげる場である。私たちは、共同の活動の中で一定の進歩をもたらした共通の歴史的経験を、特にラテンアメリカにおいて持っている - その中で私たちは新自由主義の結託を阻止し、自然への心からの敬意にもとづく公正な発展のためのいくつかのオルタナティブ(代替案)を生み出すことができた。

すべての大陸の人々は、力を合わせて、経済発展や政治的安定という幻想的な約束の背後に隠れている資本の支配に反対して闘っている。

今、私たちは岐路にある。反動的・保守的勢力は、2年前にマグレブ・マシュレクにおいて大衆的蜂起によって開始されたプロセス - それは独裁政権の打倒と、人々に押し付けられてきた新自由主義のシステムへの挑戦を促進した - を終わらせようとしている。この大衆的蜂起は世界のすべての大陸に広がり、「怒れる者たち」の運動や公共の場所の占拠(オキュパイ)の運動を鼓吹した。

世界中の人々が資本主義の重大な危機の深まりの影響に苦しんでおり、その中で資本主義の代理人たち(銀行、多国籍企業、メディア複合企業、国際機関、新自由主義に加担している各国政府)は、内政干渉的・新植民地的政策を導入することによって自分たちの利益を増進することを目指している。

戦争や軍事占領と共に、新自由主義的な自由貿易協定や「緊縮政策」は、公共財を私有化し、公共サービスを民営化し、賃金と権利の水準を下げ、失業を増加させ、女性にケア労働の過重な負担を負わせ、自然を破壊する「包括的経済政策」(経済パッケージ)として表現されている。このような政策は、より金持ちの「北」の諸国をより強烈に襲っており、ギリシャ、キプロス、ポルトガル、イタリア、アイルランド、スペインのような国で、移住の増加、強制的移住、立ち退き、負債、社会的不平等を拡大している。

彼らは保守主義と、女性の身体・生活への支配を再び強化している。さらに、彼らは環境危機や食糧危機への解決策として「グリーン経済」を押しつけようとしているが、それは問題を悪化させるだけでなく、生命と自然の商品化、私有化、金融化につながる。

私たちは人々の反乱への弾圧の強化や社会運動のリーダーの暗殺、そして私たちの闘争と私たちの提案を犯罪扱いすることを糾弾する。

私たちは、人々がこの体制的危機のツケを支払いつづけるべきではないこと、そして資本主義体制の中にはいかなる解決策もないことを主張する。ここチュニスにおいて、私たちは資本主義に対する私たちの闘争を導くための共通の戦略を作り上げるために結集するという約束を再確認する。そのために私たち、世界の社会運動団体は以下の闘いを進める:

- 多国籍企業と金融システム(IMF、世銀、WTO)に反対する

彼らは資本主義体制の主要な代理人であり、生命、公共サービス、そして水、空気、土地、種子、鉱物資源などの共有財を私有化・民営化し、戦争と人権侵害を促進している。多国籍企業は資源採掘優先というやり方を繰り返し、生命と自然を危険にさらし、私たちの土地を強奪し、遺伝子組み換え種子や食品を開発し、人々から食糧に関する主権を取り上げ、生物多様性を破壊している。

私たちは、今日、人々への支配、抑圧、経済・金融による絞めつけのためのグローバルな手段となっている不正で不当な債務の帳消しのために闘う。私たちは国家や多国籍企業によって押し付けられる自由貿易協定を拒否するとともに、もう1つのグローバリゼーションを築くこと可能であることを確認する。それは人々から生まれ、人々によって実現されるグローバリゼーションであり、連帯と、すべての人々の移動の自由を基礎とするものである。

- 気候における公正(クライメート・ジャスティス)と食糧主権を目指す

なぜなら、地球規模の気候変動は資本主義の生産、流通、消費システムの産物だからである。多国籍企業、国際金融機関と、それらに奉仕している政府は温室効果ガスを減らすことを望んでいない。私たちは「グリーン経済」を非難し、バイオ燃料、遺伝子組み換え作物、REDD(森林減少・劣化に由来する排出の削減)のような炭素市場メカニズムなどの、気候危機に対する偽りの解決策を拒否する。それらは困窮化した人々を進歩という偽りの約束で誘惑する一方で、それらの人々が何千年ものあいだ生活してきた森林や居住地域を私有化し、商品化する。

私たちは食糧主権を擁護し、食糧および気候の危機に対する真の解決策である持続可能な小農民による農業 - すべての耕す人たちに土地の使用権を保証することを含む - を支持する。このために私たちは、土地強奪を阻止し、現地の農民の闘争を支援するための大衆動員を呼びかける。

- 女性に対する暴力に反対する

軍によって占領地において頻繁に行われている女性に対する暴力だけではなく、社会的な闘争に参加していることに対する処罰として行われる暴力に対しても闘う必要がある。また、私たちは、家庭内暴力や性的暴力に対して闘う。このような暴力は、女性が対象または商品として見られており、女性が自分の身体と心に対する決定権を持つことが認められていないことに原因がある。私たちは女性と少年・少女の人身売買に反対して闘う。私たちは性に関する多様性、ジェンダーの自己決定権を擁護し、すべての同性愛嫌悪や性差別主義的な暴力に反対する。

- 平和のための闘いと、戦争、植民地主義、占領、生活する地域の軍事化に反対する闘い

私たちは、人権擁護や原理主義との闘いという名目によって軍事占領 - ハイチ、リビア、マリ、シリアなど - を正当化する偽りの議論を非難する。私たちはパレスチナ、西サハラ、クルディスタンなどにおける人々の主権と民族自決権を擁護する。

私たちは、紛争を扇り、自然資源を支配および強奪し、(いくつかの国では)独裁体制を助長するような外国の軍事基地の設置を非難する。

私たちは、労働組合、社会運動、アソシエーション(市民団体)やその他の形態の平和的抵抗の組織の自由のために闘争する。イスラエルに対するBDS(ボイコット、投資の撤退、制裁)やNATOとの闘い、すべての核兵器を禁止するための闘いのように、人々の間の連帯という私たちのツールを強化しよう。

- マスメディアの民主化とオルタナティブ・メディアの確立

これは資本主義の論理を打ち負かすために不可欠である。

社会運動総会は、私たちの闘争の歴史と、街頭における人々の力に勇気づけられて、すべての人々に世界規模で調整された日付(後日決定される)のグローバル・アクション・デーに行動を組織し、発展させることを呼びかける。

世界の社会運動は、資本主義体制を打ち砕くために、グローバルな統一に向かって前進しよう!

ノーモア搾取、ノーモア家父長制、ノーモア・レイシズム(人種差別主義)、ノーモア植民地主義! 革命万歳! 人々の闘争、万歳。
posted by attaction at 19:14 | 世界社会フォーラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月10日

【3・30学習会】北アフリカ革命 もうひとつの世界への模索

The_Uprising_of_Women_in_the_Arab_World.jpg

北アフリカ革命 もうひとつの世界への模索
〜 横浜でTICADを考える会 第2回学習会 〜


日時 : 3月30日(土)13:30〜16:30(開場13:15)
場所 : 波止場会館 4階 大会議室
交通 : みなとみらい線「日本大通り」駅5分、JR「関内」駅15分
地図 : http://www.hatoba.jp/access.html
参加費: 500円

・北アフリカ革命と日本・アフリカ関係
 高林敏之さん:西サハラ問題研究室主宰

・独裁と新自由主義からもうひとつの世界へ:チュニジア民衆の闘い
 山中達也さん:明治大学商学部助手

・ジャスミン香る世界社会フォーラムから (中継予定)
 小倉利丸さん:横浜でTICADを考える会


 + + + + +

 横浜でTICADを考える会の第二回目のテーマは「北アフリカ革命」です。2011年1月、北アフリカのチュニジアで独裁政権が打倒されたいわゆる「ジャスミン革命」は、その後、北アフリカから中東に拡大し、現在もシリアでは熾烈な争いがつついています。

 2013年3月末にチュニジアで世界社会フォーラム(WSF)が開催されます。WSFは前回のセネガルのダカールの際にも「チュニジア革命との連帯」を掲げており、抑圧と新自由主義にかわるもうひとつの世界を目指す民衆蜂起を支援するという理由から、今回のチュニジアでの開催を決めました。

 北アフリカから東アフリカにかけての情勢は日本とも無縁ではありません。中東の対岸に位置する東アフリカのジブチでは、ソマリア沖の海賊対策を名目に2009年3月から自衛隊が派遣されています。2011年6月には自衛隊史上はじめて、海外恒久施設の基地が米軍基地に隣接するジブチ国際空港内に建設されました。

 北アフリカには「アフリカ最後の植民地」といわれるサハラ・アラブ民主共和国(西サハラ)問題があります。西サハラは1976年から隣国モロッコの軍事的支配下にあります。日本政府は西サハラを国家として承認せず、TICADにも招待していません。日本の国連常任理事会入りを支持するモロッコへの配慮からです。

 北アフリカ革命を、日本とアフリカの関係から考えます。お話は、長く西サハラ問題に携わってきた高林敏行さん、2006〜09年までチュニジアに留学されていた山中達也さんです。WSFチュニジアに参加中の小倉利丸さんと中継を予定しています。

◆ 横浜でTICADを考える会、できました ◆

6月1日から3日まで横浜で「アフリカ開発会議(TICAD)」が開かれます。TICADとは、Tokyo International Conference on African Developmentの略称で、アフリカの開発をテーマとする国際会議。

1993年以降、日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行等と共同で開催し、5年に1度、首脳級会合を東京で行ってきました。2008年の第4回目(TICAD IV)からは横浜市で開催されており、5回目の今回(TICAD V)も横浜で開催されます。

TICAD Vに向けた横浜市のキャッチフレーズは「アフリカ、ともに成長するパートナーへ。」です。TICADには「民間セクター」と称して日本の民間企業が大きく関与しており、政府と企業が一体となってアフリカ進出を促進する基盤をつくることによって、アフリカ自身も成長するという考えが根底にあります。日本企業活動の安全を守るための「テロ対策」についても話し合われています。

わたしたち「横浜でTICADを考える会」は5年前のTICAD IVの際に民間企業が主導するアフリカ開発とは違う視点から学習会を開催しました。今回も引き続き連続学習会などを開催します。5月には第3回学習会、そしてTICAD本番の6月1日には集会とデモを企画しています。ぜひご参加を!

ブログ http://ticakov.hatenablog.com/
e-mail ticakov@gmail.com
posted by attaction at 17:22 | 世界社会フォーラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

米国の400団体の連邦議会への書簡

米国の市民団体パブリック・シティズンや、多くの労働組合、環境団体が現在のTPP交渉を批判し、市民のための貿易・通商政策と民主主義的な交渉プロセスを要求する書簡を連邦議会の各議員に送りました。

米国でも広範な批判の声が上がっていること、TPPが関税の問題ではなく民主主義そのものの問題であることを多くの人に知ってもらうために、各方面に転送していただければうれしいです。

原文(英語)http://www.citizenstrade.org/ctc/wp-content/uploads/2013/03/CivilSocietyLetteronFastTrackandTPP_030413.pdf

+ + + + + + +

米国の400団体の連邦議会への書簡
2013年3月4日


連邦議員各位

米国の通商交渉担当者が今年10月までにアジア太平洋地域の新しい、高水準の貿易投資協定を締結しようとしており、また、EUとの同様の協定を検討しているとき、われわれは、合計1500万人余の会員・組合員および支持者を代表して、21世紀の通商協定についての、そして過去における米国の貿易政策を公正で持続可能なグローバル経済の建設を促進する手段へと転換させるために必要な議会の監視的役割についてのわれわれの期待を伝えたい。

われわれは、TPPが3月にシンガポールで第16次の交渉に入るにもかかわらず、米国の交渉担当者がいまだに、彼らが米国市民の名において提案している内容を米国市民に知らせるのを拒否しているということに困惑している。交渉が妥結し、協定が締結された後まで、提案だけでなく合意されたテキストまで非公開とすることは民主主義の原則に反している。この点で、TPPはこれまでのいくつかの通商交渉と比べても、より不透明である。たとえば、2001年に米国は他の33の国と共に米州自由貿易地域(FTAA)協定の草案を公表したし、WTOの草案のテキストもしばしば公表されている。

TPPやEU・米国間の協定、あるいは他の貿易協定が実際に米国市民と全世界の人々の生活を改善できるためには、下記の問題に対処しなければならない。

・ 人権と労働権を優先すること。これまでの通商政策のあまりに多くのものが投資家の権利の保護に偏っており、強制労働や児童労働、スウェットショップ(搾取工場)的な労働条件、政治的暴力、環境汚染、先住民族の主権の侵害、政府による言論、集会、移動の自由や独立的労働組合を結成する権利、団体交渉の権利への抑圧などの問題を無視するか、覆い隠してきた。いかなる通商協定においても、それが労働条件の「底辺に向けた競走」や環境破壊の流れを反転させるのに寄与することを意図しているのであれば、人権と労働権を正面の中央に据えなければならない。

・ 各国の発展目標と、その実現のための調達政策を尊重すること。通商協定は各国政府が各国の発展や環境上および社会的な目標を優先して歳出を決定することを妨げてはならない。貿易協定の調達に関する条項は、従来の「国産品優先」策と、原産国における賃金、環境、スウェットショップの利用、人権、永年にわたる不平等の克服に向けた政策に対する考慮を維持しなければならない。

. 企業を政府と同等の地位に引き上げる。通商協定は個別の企業や投資家に、国内司法制度に拘束されない紛争解決機関を通じて国内の法律や規則、裁判所の決定に異議を唱えることによって協定の条件を執行させる特別の権限を付与するべきでない。3人の民間セクターの弁護士から成る紛争処理パネルに、企業がある国の法律が彼らの期待する将来の利益を脅かすと訴えた場合に、国家財政からの無制限の賠償を命じる権限を与えるような投資家・国家間紛争処理メカニズムは排除しなければならない。政府が公共の利益に適う規制を実施できることを保証するために、国際投資に関するルールを改定して、投資、収用、待遇の最低基準などの用語をより厳格に定義するべきである。

Citizens Trade Campaign(市民の貿易キャンペーン)は、通商政策における社会的および環境をめぐる公正を追求する目的で結集した労働、環境、宗教、家族農業、消費者の諸団体の連合であり、以下のことを要求する。

・ 食糧主権を守ること。貿易協定は、政府が農民や他の食品労働者が公正な報酬を受け取り、消費者が安全で低価格の食品にアクセスできることを保証する政策を導入する権限を尊重しなければならない。同様に、諸国民はダンピングやその他の、農民を土地から引き離すような不公正な貿易慣行から事項を守ることができなければならない。

・ 低価格の医薬品にアクセスできること。低価格のジェネリック医薬品へのアクセスを維持することは、米国における医療コストを引き下げるため、また、世界中の人命を救うために決定的に重要である。通商協定は医薬品特許の期間を延長する手段ではない。米国の政策は医薬品へのアクセスに関してドーハで設定された基準を明確に支持するべきである。

・ 為替操作を阻止すること。通商協定は米国および他の政府が通商を歪める為替操作を規制するための措置を取ることができるようにする規定を含むべきである。通商協定はまた、ルールを遵守する国が協定の恩恵を得られるようにするために、厳格な原産国ルールを含むべきである。

・ 強力な金融規制と公共サービスを可能にすること。通商協定は銀行、保険会社、ヘッジファンドおよびその他の金融機関の規制においては、制限を引き上げるのではなく引き下げるべきである。通商協定のサービス条項は、それらの協定のいかなる条項も民間および公共のサービスの規制緩和や民営化を要求しているものと解釈してはならないことを明確かつ具体的に記述した文言を含むべきである。

・ 消費者保護および環境基準を改善すること。同様に、通商協定は環境、食品、製品の安全、消費者の知る権利に関する措置においては、制限を引き上げるのではなく引き下げるべきである。

われわれは、TPPや他の通商協定がこれらの高い基準を実現しようとするのであれば、公衆や議会によるより広範な監視が必要であると考える。オバマ政権に通商上の政策決定に関する何らかの特別の権限を付与する前に、政府に対してTPPのテキストを公開することを要求されたい。

われわれは、議会が憲法によって委嘱されている対外通商を監督する権限を、ファーストトラック(大統領貿易促進権限)のような時代遅れで異常な手続きを通じて行政機関に委任するのではなく、米国の通商協定に関わる交渉と承認のプロセスに次のような新しいやり方を導入することを要求する。

・ 米国通商代表部が、すべての関心を有する利害関係者と協議し、通商協定の影響を受ける事項についての管轄権限を持つすべての委員会の公聴会に出席し、想定されている各相手国が提供する具体的な雇用創出や輸出拡大の機会と、協定が人権・労働権、環境、食糧主権、医薬品へのアクセス、為替操作、関係国間の貿易収支に及ぼす影響についての広範かつ公開のアセスメント(評価)を提供するよう求める。

・ このような拡張された参加プロセスをTPP交渉において可能な限り速やかに開始する。

・ 議会において設定された交渉目標が最終的な合意において実際に達成されていることを確認するための客観的なプロセスを確立する。

・ 政府が協定に署名し、米国がその条件に拘束されるようになる前に、議会の過半数による議決によって、その協定が公衆の利益に適うものであり、議会が設定した交渉目標が達成されていることが承認されなければならないようにすること。

・ このような強力な監視と大衆の参加を通じてのみ、われわれはすべての人々のためになる通商政策についての新しい国内的および国際的なコンセンサス(合意)を形成することができる。

敬具

市民の貿易キャンペーン

賛同団体
(略)
タグ:TPP
posted by attaction at 17:12 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月07日

金融取引税:勝利は可能だ(ATTACヨーロッパ)

2013年2月1日

arton334.jpg

 EUの経済・財務相理事会が1月22日、金融取引税を承認し、11加盟国の参加する協調強化手続きへと踏み出す決定を下したことを、ATTACヨーロッパのネットワークは歓迎する。
*
 今回の決定は、金融取引税を最初から推進してきた運動組織であるATTACにとって勝利である。10年以上に及ぶキャンペーンの成果が現れたのだ。金融取引税という発想については、時には重大な違いを生じながらも、多くの組織が取り組んできた。

 国際組織ATTACは15年前に、世界的な金融取引税の実施を求めるために、世界各地で創設された。我々の見解によれば、この税の第一の目的は、資金を集めることよりも、世界の公共の福祉に資金を回すシステムを形づくることにある。金融取引税は、規制をかけ、再分配を行い、そして金融投機を抑えるための手段となる。

 この措置が採用されたことには大きな象徴的意味があることを強調しておく。我々が提唱した措置に対して、実施は無理だというのが当初の一般的な反応だった。しかし市民たちの揺るがぬ決意をもってすれば、そういう措置を諸国の政府に採らせることが可能であることを我々は示した。もう一つの政策が可能であることを証明した。それは立証済みになったのだ。今日の危機の中で緊縮政策が、効果のない理不尽なものであると立証されたにもかかわらず、避けられないものだと言われているだけに、この点は強調しておきたい。

 緊縮反対運動を展開し、真のオルタナティブを提唱している人々はみな、金融取引税をめぐる事態の進行を目にして、希望をふくらませているに違いない。真のオルタナティブは可能であり、採用されることになるだろう、市民たちが心を決めて、そうなると信じ、そうさせるとの揺るがぬ決意をもって闘っていくならば。

金融取引税を求める闘いは終わっていない

 悪魔は細部に宿る。施行の仕組みや対象地域については何も決まっていない。交渉が始まるのはそれらが決まってからだが、株式と債券の取引の税率が0.1%で考えられているのは上々だ。金融商品全般を対象に、投機ファンドも含めた金融事業者全般への課税が予定されていること、課税地が取引〔事業者?〕の居住国とされる見込みであることも特筆しておく。

 ただし、欧州委員会の現行の草案には重大なヌケがある。デリバティブ商品の税率は0.01%と非常に低いため、投機と価格変動の抑制や防止は限られてしまう。また、1日4兆ユーロもの資金が動き、投機性と価格変動性の激しい外貨取引は、対象外になりそうだ。ATTACヨーロッパはこれらの点について、政策決定者たちに圧力をかけ続けていく。

もういくつかの勝利が必要だ

 今日の危機の深刻さからして、金融取引税だけで問題が解決されるとは考えにくい。金融取引税を通じて相当な資金が得られるにしても、欧州経済圏内の取引を再定義するための他の措置が必要になる。現在のヨーロッパの経済・社会・政治危機にけりを付けるために重要なのは、一つはタックス・ヘイブンの撤廃だ。もう一つは税制全体の改革であり、資本所得に対して労働所得と同等または高率の税率を課す必要がある。

 ATTACヨーロッパのネットワークはヨーロッパ全域の他の社会運動とともに、現行の政策に対する現実的なオルタナティブを提案し、その実現に向けた闘いを続けていく。民主制の揺籃の地であるアテネで6月に、ヨーロッパの社会運動が結集する対抗サミットの取り組みは、その一里塚となるものだ。

http://www.france.attac.org/articles/ttf-des-victoires-sont-possibles-attac-europe
 
 
タグ:金融取引税
posted by attaction at 13:22 | 通貨取引税(トービン税)、金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月28日

ドーハCOP18は万事休すだが、希望は会議場の外にある

49_khapi_community_banner.JPG

ドーハCOP18は万事休すだが、希望は会議場の外にある
(Doom At Doha, But Hope Outside)


マッズ・ライル(「デモクラシー・センター」)

2012年12月8日

[原文(英語): http://www.zcommunications.org/doom-at-doha-but-hope-outside-by-mads-ryle]

あなたがすでに国連気候変動枠組条約締約国会議(UNFCCC COP)における気候変動への対応のプロセスがちょっとしたジョークだと思っているなら、あなたは今年カタールの首都ドーハで開催されているサミットに最高に悲劇的な皮肉を感じているかも知れない。地理的に隔離され、政治的に非民主主義的なカタール首長国は、国民一人当たりGDPが世界最高であるだけでなく、そのオイルマネー経済のおかげで二酸化炭素排出量も世界最高である。

気候変動に関わっている活動家にとって、会議に参加するため、あるいは会議に抗議するためドーハにやってくるのは困難で、多くの費用がかかっただろう。しかし、おそらくは活動家やジャーナリストたちが(あるいは各国政府も)この年次会合を信用する、あるいは少なくとも気候変動に対する実効性のある行動を進めるためのフォーラムとみなしている時代は過ぎ去っただろう。会議場の中と外に最大の群衆を集めた2009年コペンハーゲンの会合で、街頭のデモに参加していた人たちはすでに、公正な取り決めが行われる可能性についていかなる幻想も持っていなかった。この人々は、交渉が企業の利益と、「グローバルサウス(地球の南側)」の人々にとって構造的に不公正な交渉プロセスによって行き詰っていることに光を当てるためにデンマークにやって来たのである。

コペンハーゲンでは、抜け穴だらけの「拘束力のある合意」にさえ失敗し、3年後には京都議定書が失効寸前となった。2011年のダーバンでは合意を先延ばしにし、2015年までに、2020年に発効する合意を実現することが決定された。締約国会議の出発となったリオ地球環境サミットの20周年(2012年6月)は、悲しい成人式となり、人々の意識に上ることはほとんどなかった。それはいかがわしい「グリーン経済」 - それは悲しいほど痛めつけられた自然の最後の欠片に搾取のための市場価値を与えようとしている - をめぐる進展を除けば、見るべきものはほとんどなかった。

大いに賞賛された京都議定書について言えば、オスカー・レイエス[環境ジャーナリスト、「インスティテュート・フォー・ポリシー・スタディーズ」の研究員]が2011年のCOP会合の後で述べているように、「ダーバン会議は京都議定書をゾンビのような状態に追いやり」、排出量に関する拘束力のある目標から一層遠ざかってしまった。カナダ、ロシア、日本が京都議定書から離脱する意図を一斉に表明した。「インスティテュート・フォー・ポリシー・スタディーズ」のジャネット・レッドマンが「こんな条約を施行することにどんな意味があるのか?」と問うのももっともである。

もちろん、すべての環境団体がこの国連のプロセスから完全に離れたわけではない。ドーハに来ることが予想されていた1万7千人のうち約7千人はNGO活動家だと思われる。クライメート・アクション・ネットワーク(CAN)は依然としてCOP交渉に積極的に関与しており、ダーバン会合で新たに設立された「公正で野心的かつ法的拘束力を持つ協定」の実現の方法を検討するための「特別作業グループ」に、楽観的に、要求を提出しつづけている。また、市民社会の監視がなければ交渉担当者たちが好き勝手に交渉を進める危険性があると指摘する人々もいる。以前にボリビア政府の気候変動交渉チームの一員であったネレ・マリエンは、「交渉担当者はいずれにしても好き勝手に進める」ということを認めているが、それにもかかわらず、NGOが彼らを監視している方がよいと考えている。大衆の関心を引き付けることだけが目的だとしてもである。

ボリビアの交渉チームは、過去数年間、特別の役割を果たし、富裕国の企業寄りの主張に対する抵抗の中心点として、また、困窮化させられてきた「南」の代弁者としての地位を確立してきた。交渉チームの中のマリエンと彼女の同僚たちは自分たちを、会議場の外に集まったクライメート・ジャスティス(公正な気候変動対策)運動の一部だと考えていたし、ボリビアの提案(炭素会計の推進など)が多くの諸国の旧態依然のアプローチに対する重要な対案であると考えていた。しかし、彼女は2011年のCOP会合の前に、ボリビアがダーバン合意に署名しようとしていることを知って、「同意できないものに同意したくない」という立場で交渉チームを辞めた。

驚くような連携

現在ではこのような抵抗の足がかりすら失われているようであり、多くの人々は国連のプロセスが気候問題の活動家にとって時間の無駄であると考えている。コペンハーゲン以降、運動は分散化の時期に入っており、依然として再評価の時期である。しかし、私が話した何人かの活動家は、「オキュパイ」運動や同様の経済的公正を求める運動が草の根の行動と市民的不服従を鼓吹しており、それによって気候変動に関連する行動が再び活性化していることを指摘している。これは化石燃料の採掘を阻止するための具体的なキャンペーンという形をとっており、そこにはしばしば、驚くような連携が生み出されている。

スコット・パーキンは熱帯雨林アクション・ネットワークの活動家であり、この数年、「ライジング・タイド・ノースアメリカ」(RTNA)で活動してきた。後者のグループは、コペンハーゲン以降の企業主導のプロセスに一切の幻想をもつことなく、「採掘が行われる場所での草の根の行動に本気で取り組むという戦略に着手した。これは約3年後の今、成功しはじめている」。パーキンは米国における気候変動に関わるさまざまな運動を楽観的に見ており、2012年は「ビッグイヤー」だったと言っている。

彼は、ラディカル派が主流の環境運動団体に圧力をかけ、徐々に左傾化させることができたと言っている。「今ではこれらの団体はみんな、最前線となっているコミュニティーと協力することに心から同意し、非暴力直接行動の戦術に対して、より開かれている。彼はこれを世界経済の状態と、「オキュパイ」運動や同様の運動の帰結であると言う。

現在米国で起こっている大きな闘いは、テキサス州におけるタールサンド採掘地の封鎖と、キーストーンXLパイプライン計画に反対するキャンペーンの第2段階である。パーキンによると、封鎖の行動に最初に駆けつけたのはダラスとオースティンからの「オキュパイ」運動の活動家だったが、「彼ら/彼女らはテキサスの地主たち、保守主義者とも肩を組んで闘った。その中には自称ティーパーティーのメンバーも含まれる」。企業による石炭採掘や輸送あるいは危険で有毒な原油パイプライン建設のための「土地収用」、土地強奪と、そこからの汚染物による地域社会の汚染の最前線にさらされることによって、想像できなかったような連合が形成されている。

キーストーンの運動はすでに「決着済み」となっているかも知れないが、パーキンにとって、「もっと重要なことは、それが直接行動運動のための訓練場所であり、そのような行動への関与を強化する機会だということである。私たちは『オキュパイ』運動が実現したことにさらなるパワーと信頼性を与えており、それを化石燃料に対する運動に応用している。それは気候変動に関する運動の創生の瞬間である」。

草の根に戻る

クリス・キッチンは「コーポレート・ウォッチ」の研究員で、英国のクライメート・ジャスティス・コーポレートに参加している。彼は(2008年に)ポーランドのポツナンで開催されたCOP14にクライメート・アクション・ネットワークとともに参加した後、「COPのプロセスに影響を与えようとするのは時間の無駄だ」という結論に達した。彼は翌年、COPの失敗を強調し、真の行動のためのネットワークを確立するためにコペンハーゲンに行った。彼は、コペンハーゲンで得られたようなメディアの注目は、メッセージを伝えるための良い機会となる - メッセージが正しく表現されるならば - ことを認めているが、しかし、「COPはすでに企業や国家の利益にあまりにも完全に牛耳られており、市民社会の側からのいかなる形での関与も、それを正当化する力として作用する・・・街頭でのデモも場合によっては交渉プロセスを支持するものとして解釈されることがあり、よく注意しなければならない」。 '

気候変動に関する草の根の運動は常に、エコロジーの危機を資本主義に対する社会・政治的批判という、より大きいレンズの中で見てきた。クリスは、米国のパーキンと同じように、経済危機の中で緊縮財政政策に反対する運動が世界的に高揚しているのに伴って、英国でも気候変動に関する行動が「回復期」に入っていると見ている。彼は「それはすごいことだ。デモを続けて、国会議員たちに何かに署名させても、成果が得られないということを人々が認識したのだ」と言う。

英国におけるいくつかの運動団体のエネルギーは、シェールガス採掘のためのフラッキング[水圧による岩層の破砕]に対する闘いに向かっている。現在「フラック・オフ・UK」などの運動に参加している活動家の多くは、コペンハーゲンでのクライメート・ジャスティスを要求する行動の中心的なオルガナイザーだった。その一人は私に次のように語った。「人類の現在の苦境に真剣に取り組むような国際的な取り決めへの期待は(そのような期待があったとしても)、今では完全に霧散してしまった。今ではいわゆる『グリーンな資本主義』、つまりこれまで通りのビジネスに若干のグリーンウォッシュをふりかけただけのやり方が前面に出てきている」。

この状況に直面して、「考えられる唯一の希望は、地域社会による草の根からの一斉の行動によって変化を強制することである。これは夢物語のように思えるかも知れないが、実際には、気候変動や化石燃料の採掘の影響に対する反応は、私たちに多少の希望を与えている。化石燃料を供給しつづけるための強引で急速な動きの中で、採掘場所が文字通り人々の裏庭まで迫っている。ますます多くの人々が、このシステムの影響を目の前で、個人的な体験として目撃するようになっている。

最前線での運動

ボリビアに本拠を置くデモクラシー・センターが最近まとめたいくつかの報告は、気候変動に影響を及ぼす決定の最前線にあり、その直接の影響にさらされるコミュニティーが、その問題に自分たちの決定権を行使しようとしている多くの事例を提供している。さらに、彼ら/彼女らがそのために必要な支持を獲得することに成功しているのは、地域の人々に対して「世界的な気候変動」について話すよりも、これらの決定が彼ら/彼女らに及ぼす影響に焦点を当てるという戦略がベースとなっている。

キーストーンと同じように、大きく注目されているキャンペーンの1つであるワシントン州の「パワー・パースト・コール」連合(石炭の輸出に反対している市民運動)は、環境を汚染するエネルギーを供給する(アジア市場への輸出向け)施設をターゲットにしている。このキャンペーンが急速に支持を拡大したのは、巨大な石炭輸送列車が観光産業や地域の空気の質などに及ぼす悪影響について語ることによってである。このダイナミックな運動はまた、これらの問題について決定する権利を、国家機関や世界銀行などの国際機関に委ねるのではなく - それらの機関では企業の力が強く、市民の力は最も弱い - 地方レベルで確保するための闘いの重要性を示している。

世界銀行は米国務省とともに、コソボに新世代の石炭火力発電所を建設する計画を推進してきた。コソボは小国で、所得水準が低く、現在の不十分かつ非効率的なエネルギー供給システムを考えれば、そのような圧力に弱い。コソボの活動家たちは、米国でそのような計画への財政支出に反対している活動家たちの支持を得て、この計画を阻止するために全力をあげており、対案として、長期的に持続可能なエネルギー戦略を主張している。学術的な分析によって、新しい石炭火力発電所は現在稼働している汚い、非効率的な発電所に代わるものだから「クリーンである」という神話を粉砕するのと同時に、コソボの活動家たちは、ここでも、農民や農村の地主を巻き込むことに成功し、彼ら・彼女らが自分たちの土地での露天掘りによって受けた直接の影響について話す機会を提供した。

米国とヨーロッパ以外でも、同様のことが起こっている。タイで、非常に変わったキャンペーンだが、エネルギー問題に関するタイ政府の意思決定プロセスに精通しているある夫婦が、大臣や国営の電力会社と協力して、再生可能エネルギーの静かな革命を起こした。太陽光、バイオマス、バイオガスや他の資源を利用する小規模のエネルギー生産者による発電と送電網を通じた販売を認可する政策は、発展途上国のための持続可能なモデルとして注目されている。

一方、インドは、急増するエネルギー需要を満たすために石炭火力発電の建設を推進しているもう1つの国であり、化石燃料に依存した発展というおなじみの道を進もうとしている。しかし、ここでも活動家たち - 漁民や農民 -は、法律上の支援を提供する活動家たちと共に、発電所ごとに、政府の計画を阻止し、自分たちの生活を守るために文字通り命をかけて闘っている。

ドーハから期待できるものは何もないが、私たちはこのような化石燃料産業に対する草の根の運動の多くの、多様な例に注目するべきである。ここにこそ本当の行動がある。ここでこそ人々と思想の間の新しいつながりが形成されつつある。
posted by attaction at 10:22 | エコロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月24日

ドーハCOP18後の現実:「逆ユートピア」を拒否する

cop18_qatar_cj.jpg

ドーハCOP18後の現実:「逆ユートピア」を拒否する
(After Doha: rejecting dystopia by default)


私たちは、気候変動に対する政府の無策によってもたらされた恐怖と不安を糧にして繁栄する防衛産業や軍に反対する必要がある。

ベン・ヘイズ、ニック・バクストン
TNI(トランスナショナル・インスティテュート)

2012年12月17日

[原文(英語) http://www.tni.org/article/after-doha-rejecting-dystopia-default ]

世界の政治指導者たちは、警告を聞いていなかったとは言えないだろう。12月初旬のカタールでの国連気候変動交渉に先立って、世界銀行や国際エネルギー機関(IEA)、国際的なコンサルティング会社のPwCが気候変動は危険なレベルに至ると予測しただけではない。ニューヨークやカリブ海、フィリピンの島々を荒廃させた季節はずれのハリケーンを通じて、自然さえ警鐘を鳴らしているかのようだった。この大合唱を前にして、世界各国の政府が何らかの対応をすると期待した人もいただろう。現実には、この国連サミットは国際的なメディアの大きな話題となることもなく終り、その成果は、「地球の友」(FoE)が「どこから見ても失敗」でしかない「インチキな取引」と決め付けたような、もう1つの空虚な宣言だけだった。

地球とそこに住む人々が直面している最大の難問の1つを前にして、政治指導者たちは明らかに私たちを見捨てた。銀行を救済し、金融システムを支えるためには大規模な協調的行動を行った各国政府が、それとは全く対照的に、炭素に依存した私たちの経済を慎重な計画を通じて転換するための大胆な一歩を踏み出すのではなく、脇に退き、市場と化石燃料関連の巨大企業にフリーハンドを与えることを選択した。

彼らの選択は、よく言われるように、「何もしない」ということではなく、危険な気候変動を積極的に助長するということである。中国で石炭火力発電所が建設されるごとに、あるいは北極海の油田が採掘されるごとに、また、米国でシェールガス田の岩層が破砕されるごとに、炭素が大気中に放出され、1000年にもわたって空気中にとどまる。そのことは、将来において最もラディカルな脱炭素化の措置が取られた場合ですら、急激な地球温暖化を防止するのに十分でないかもしれないことを意味する。

世界銀行総裁のジム・ヨン・キム博士は、同銀行の報告書で予想されている今世紀末までに7.2度(華氏)の気温上昇[摂氏で約4度]は「非常に恐ろしい世界をもたらす」と述べている。

ドーハでは、気候変動がすでに世界の最も貧しく、最も脆弱な人々に対して引き起こしてきた「損失と損害」を賠償する方法の問題が初めて中心的な議題に上った。地球規模の気候変動を止める、あるいはそれに備える(国連の用語では「緩和」と「適応」)ための議論が、現在では賠償の要求と、気候変動に関連して誰が何に対して賠償しなければならないかについての関心の増大(これは保険業界においても大きな関心となっている)の脇に退けられたのは悲劇的な皮肉である。

このような物語は、あまりにも痛ましく、人々の意欲を失わせる。今では、子どもたちの未来に、人々が気候変動の最悪の影響を防止するために力を合わせている世界を想像するよりも、ディストピア(逆ユートピア)を想像する方がはるかに容易である。大衆的な行動を促すのとは全く逆に、恐怖と不安は人々を一斉に無関心と無気力へ追いやり、あるいは陰謀論に慰めを求めるように仕向けている。

誰のために何を守るのか?

このような無関心は、「不安の政治」や、国防総省が「結果の時代(“the age of consequences”)」と呼んでいるものを歓迎している - あるいは少なくともそこから利益を追求しようとしている - 者たちによって利用されている。世界中で、たいていは密室の中で、防衛官僚と軍の戦略家たちは(彼らの政治的リーダーたちの発言とは違って)気候変動を自明の前提と考え、それがもたらすリスクに適応し、機会を活用するするためのオプションと戦略を開発するためのシミュレーションに取り組んでいる。

ドーハでの気候変動交渉のわずか1カ月前に、米国国立科学アカデミーはCIAの委託による「気候変動と米国の国家安全保障上の懸念の間の想定される関連性に関する証拠を評価する」ためのレポート発表した。この研究は、結論として「安全保障のアナリストにとっては、今後10年間に気候に関わる驚くべき事態を予測しておくことが賢明である。それは予期しなかった、破壊的影響をもたらす可能性がある単独の事象や、同時的または連続的に発生する一連の事象を含み、その後次第に - おそらくは加速度的に - 重大性と頻度を増すだろう」と述べている。

軍や諜報機関が気候変動の問題を真剣に取り上げていることが、一部の環境運動家の間で無批判的に歓迎されている。これらの機関自身は、自分たちは自分たちの仕事をしているだけだと言っている。ごく少数の人々が、次のように問うている。気候変動を公正や人権に関わる問題としてよりも、安全保障上の問題として位置付けることは、どのような結果をもたらすだろうか?

すでに「(戦争に伴う)付随的被害」などの概念によって汚染されている世界において、この新しい「気候をめぐる戦争」ゲームの参加者たちは、自分たちが考えていることを率直に語ることを必要としていないが、彼らの議論が言外に示唆していることは常に同じである。資源がますます枯渇し、不安が増大する時代に、「北」の先進工業国がどのようにして、気候難民や資源戦争や破綻国家の「脅威」から自分たちを守り、重要な戦略資源と供給チェーンへの支配を維持するかということである。たとえば提案されている「EUの気候変動と国際安全保障」戦略で使われている表現によると、気候変動は「脅威を乗数的に拡大する要素」であり、それは「ヨーロッパの利益に直接に影響を及ぼす政治および安全保障上のリスクをもたらす」ものである。

恐怖から利益を得る

国際的安全保障の醜悪なリアルポリティックス(現実政治)に寄生している産業もまた、気候変動に備えている。2011年に開かれた防衛産業関係者の会議では、エネルギー・環境市場が、防衛産業の年間1兆ドルという貿易額の少なくとも8倍の価値があることが示唆されている。この会議において、「航空宇宙、防衛、安全保障部門は、この機会から排除されるのではなく、これに対応するための努力を加速している。これは約10年前に強力な民間HLS(国土安全保障)ビジネスが出現して以来の最も重要な隣接市場になることは確実だと思われる」と示唆された。

これらの投資の一部は歓迎すべき、重要なものとなるかも知れないが、気候安全保障についての議論は同時に、ハイテクの国境監視システム、群衆制御技術、次世代攻撃用兵器システム(無人偵察機など)や殺傷力の弱い兵器などへの投資ブームを煽っている。民主主義国家がこのような方法で気候変動後の世界に備えようとしているというのは考えたくないことであるが、毎年新しいシステムの試作品が開発され、新しいシステムが市場に出回っている。この10年間に世界中で国境の軍事化が進んでいるのを見れば、2012年に気候難民になりたくないと思うだろう。2050年のことまで気が回らないかも知れない。

将来への不安から利益を得る立場にあるのは防衛産業だけではない。生活に欠かせない商品が、希少性、人口の過剰、不平等に対する不安を基盤として、新しい安全保障の物語に組み込まれつつある。「食糧安全保障」、「エネルギー安全保障」、「水の安全保障」等がますます強調されるようになっているが、そこには誰のために何を保障するのか、また、それが誰の犠牲の上に実現されるのかの分析がほとんどない。しかし、韓国とサウジアラビアで感じられている食糧への不安がアフリカにおける土地強奪と搾取に拍車をかけており、食料価格の上昇が広範な社会不安を引き起こしている時、警鐘が鳴らされるべきである。

気候安全保障をめぐる議論は、そのような結果を当然のことと考えている。それは勝者と敗者、守られる者と切り捨てられる者を前提として語られており、「テロとの戦争」によってひどく歪められた安全保障観をベースとしている。そのため、公正かつ協調的な方法で未来に立ち向かっていくために必要な国際的連帯ではなく、基本的には「廃棄可能な人間」を想定している。

気候変動に対する2つの領域での闘争

私たちの未来の「安全保障問題化」の忍び寄る動きに立ち向かうために、私たちはもちろん、できるだけ早く私たちの化石燃料中毒を終わらせるために闘い続け、北米でのタールサンド開発反対の闘いのような動きを結合し、自治体や政府に対して低炭素経済への移行を迫るための広範な市民の連携を作り出さなければならない。私たちは気候変動を止めることはできない。それはすでに起こっている。しかし、私たちはまだ最悪の影響を防ぐことができる。

しかし、私たちは同時に、気候変動への適応の問題を私たちの手に取り戻す準備もできていなければならない。この問題への取り組みを、土地強奪と権力者の利己的な安全保障上の利害による土地の囲い込みをベースにしたものから、普遍的な人権とすべての人の尊厳をベースにしたものに変えていかなければならない。私たちは、困難な決断をしなければならない時に、私たちの未来を防衛官僚や企業の手に委ねることはできない。

最近のハリケーン・サンディーをめぐる経験 - オキュパイ運動がこの危機に迅速に対応し、連邦政府に恥をかかせた - は、地方的な災害において大衆運動が積極的に対応する力を持っていることを示した。

しかし、地方的な対応だけでは十分ではない。私たちは(環境の)回復のためのツールをグローバル化しながら、企業や軍の力を抑制するための、より広範な国際的戦略を必要としている。これは、食糧、水、エネルギーの問題や、極端な気候への対処をめぐって、私たちの政府が好む市場ベースのアプローチや安全保障に取り付かれたアプローチに対する実行可能なオルタナティブ(対案)となる進歩的な解決策を提案することを意味する。

おそらく最も重要なことは、私たちがこれらのアイデアを未来のための前向きな構想としてまとめ、それによって人々がディストピアを拒否し、すべて人々のための快適かつ公正な未来を取り戻すよう力づけることである。
 
タグ:COP 気候変動
posted by attaction at 14:02 | エコロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

気候変動交渉は「空振り三振」だ:WSF2013を気候変動への分析と戦略の再考のためのスペースに

Pablo_Solon_FSM2011.jpg
2011年WSFダカールで発言するパブロ・ソロン

気候変動交渉は「空振り三振」だ
WSF2013を気候変動への分析と戦略の再考のためのスペースに


2012年12月
パブロ・ソロン
(フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウス事務局長、元ボリビア国連大使・気候変動交渉代表)

[原文(英語): http://pablosolon.wordpress.com/2012/12/18/strike-four-for-climate-change/ ]

野球では、3ストライクでアウトになる。気候変動交渉で、私たちはすでに4ストライクだ。コペンハーゲン、カンクン、ダーバン、そして今回はドーハ。バットを4回振ったが、そのたびに前回よりもひどい空振りに終わっている。排出量削減目標は、2020年までに対1990年比で少なくとも40~50%だったはずだ。4回のCOPを経て、現在の目標値はわずか13~18%へと引き下げられている。私たちは今や、地球全体の気温が4~8℃上昇するという方向へ進み始めてしまっている。

一部の国連交渉担当者たちは「完全主義は善政の敵である」と言っている。それに対しては、こう答えよう。「家が全焼しようとしている時にできる最悪のことは、嘘をつくことである」。今は、何が起こっているのかを再考し、世界規模のカタストロフィ(大破局)を回避するための新たな戦略を模索する時である。

気候変動の証拠がない?

気候変動はもはや理論的な可能性という問題ではない。それは人々の生命や、自然や経済に明らかな影響を及ぼしている。

気候変動はすでに、毎年約40万人の死に関わっている。今月[2012年12月]、カタールのドーハでCOP18交渉が開催されている時期に、台風ボパがフィリピンを襲い、猛威をふるって700人以上の死者を出した。数十年に一度の強烈な台風がミンダナオ島を荒廃させ、70,000戸以上の家屋を損壊させ、現在30,000人以上が避難所生活を余儀なくされている。

気候変動の経済への影響も、今では明らかになっている。ハリケーン・サンディは米国に600億ドル以上の損害をもたらした。「気候脆弱性モニター」というタイトルの報告書によると、気候変動が世界にもたらしているコストは年に1.2兆ドル、つまり世界のGDPの1.6%である。さらに、2030年までにはこのコストは世界のGDPの3.2%まで上昇する可能性があり、一部の国ではそれがGDPの11%を占めると予想されている。

さまざまな事実によって、気候変動否定論者の国でさえ、人々の認識は変わり始めている。現在では米国人の5人中4人が、地球温暖化がが起こっていると考えるようになっている。しかし、あらゆる証拠と、認識のわずかな前進にもかかわらず、UNFCCC(国連気候変動枠組条約)の交渉は後退してきた。ドーハ会議は、京都議定書を強化して、より多くの国を参加させ、より強力なコンプライアンス(遵守)のメカニズムと、科学に基づいて設定されたグローバルな目標を組み込むのではなく、より軟弱な(参加国も減った)京都議定書の第2約束期間と、新しい合意の約束(その合意の発効は2020年)で終わった。

私たちの誤り

気候変動交渉に関わっている人々は通常 - 私も気候交渉担当者だったが - 国をベースとして考える。そのため、対立は先進国と発展途上国の間の対立となる。それは歴史的に排出してきた国と被害国の対立であるが、今では、一部の被害国も大規模な排出国になっているため、複雑さが増している。この状況は、一種の行き詰まりをもたらしている。つまり、富裕国は新興国が同様の排出量削減を行わない限り、さらなる排出量削減を拒否すると主張し、新興国は歴史的な責任を負うべき国が先導しない限り、自ら排出量削減に動くことは拒否すると主張している。

交渉の行き詰まりについてのこのような説明は、本当の原因を掘り下げていない。何が起こっているのかを理解するために、私たちはこのような国をベースにした論理 - 先進国、発展途上国、新興国、後発発展途上国 - を超えて、階級の観点から、全世界のエリートたちの経済的利益を問題にする必要がある。交渉の行き詰まりは米国と中国の間の対立によるのではなく、エネルギー関連の巨大プロジェクトから莫大な利益を得ている米国と中国のエリートたちの共通の利害の結果である。温室効果ガス排出量の大幅削減についての世界的な合意があるとすれば、彼らはどのぐらいの量の石油を埋蔵されたままにしておく必要があるだろうか? どのぐらいの数の石炭火力発電所を閉鎖しなければならないだろうか? いくつの巨大ダム建設を断念しなければならないだろうか? どのぐらいの数の汚染物質を含む商品の生産と販売を中止する必要があるだろうか? 一言でいえば、彼らの利益はどのぐらい減るのだろうか?

これらのエリートたちは政府をコントロールして、巨大エネルギー・プロジェクトを正当化するような経済成長曲線を投影させる。これらの経済的権力を握る勢力は、エネルギーの30%以上が送電中に失われても、プロジェクトが完成後に期待されていたエネルギーを生成しなくても、ダムがメガモール(巨大商業施設)に電気を供給するだけであっても、バイオ燃料が食糧生産を減少させても、また、排出量市場が森林にとって良いことなのかどうかについても全く気にしない。彼らが気にするのはビジネスを行うことだけである。

「発展の権利」と「競争力」は、エリートたちの利益への飽くなき渇望を隠蔽するために使われている。貧しい人々の名において、彼らは莫大な富を蓄えている。彼らは自分たちのプロジェクトを推進するために他国からの脅威を利用する一方で、「敵国」のエリートたちとビジネスを行っている。

エリートたちは二酸化炭素排出の連鎖のいたるところに関与している。化石燃料の抽出、巨大インフラ・プロジェクト、原子力のような危険なエネルギーの推進、REDDを通じた森林の金融資産化で、自然を破壊する消費財のマーケティング、そしてバイオ燃料やGMO、最近では合成生物学やジオエンジニアリングなどの虚偽の解決策の開発等である。

気候変動に対処するためには化石燃料の埋蔵量の3分の2以上は、地中に残しておかなければならない。そのことなしにいかなる真の解決策もありえない。これらの埋蔵資源を支配する民間多国籍企業と国家官僚は、金の卵を産むガチョウを失いたくない。採掘が人類とマザーアース(母なる大地)に大きな破局をもたらすとしてもである。結局のところ、彼らはそれが悲惨な結果をもたらすことを知っているが、「まだまだ先のことで、今すぐのことではないから、かまうもんか」とでも思っているのだろうか? それに、今何かが起こったとしても、自分たちだけは安全なところにいられるように資産をため込んでいる。金持ちたちは気候変動の最悪の影響から逃れるために、より多くの手段を持っている。

「温室効果ガス排出量」の問題は、時には、本当の問題、つまり大企業の利潤率を維持するために人間と自然の搾取の強化を必要とする資本主義システムの論理を覆い隠す。

おそらく最大の誤りは、気候変動交渉を排出量削減率をめぐる争いに切り縮めてしまったことだろう。私たちはもっと大きな、本当の問題、つまり地球が限界に達しているという問題について議論するべきだったし、化石燃料の埋蔵量、多国籍企業、消費と生産のパターン、このシステムの下での搾取や強欲、利潤への執着の全体的な論理的構造等の問題を議題に上らせるべきだった。

私たちは開発、成長、民族国家という概念を超えて見通し、地球システムの問題や、自然の生命サイクルを尊重する経済モデルの必要性について議論する必要がある。2010年にボリビアで開催された「気候変動とマザーアースの権利に関する世界民衆会議」は、その方向に向けた適切な一歩だったが、それは最初の一歩にすぎない。

戦略の再考

新たな分析は新たな戦略を要求する。今は気候変動交渉の外で具体的な勝利を獲得することを通じて、この交渉に異議を唱える時だ。先進国と発展途上国の両方において、さまざまな社会運動がシェールガスの開発、天然ガス・パイプラインの建設、タールサンドの採掘に対して、また、他のいくつかの採掘産業や破壊的な産業に対して闘っている。私たちは闘争を地球規模で活気づけるような勝利を必要としている。

私たちは、環境の危機を食糧危機や金融危機と結びつけることによって、気候変動との闘いの新しいアプローチを進める必要がある。私たちは、気候変動の問題に関わっていない新しい社会的アクターを結集する必要がある。多くの人々にとって、緊縮財政政策との闘争と気候変動との闘争が同じ敵と対決しているということは自明ではない。最近(2012年11月に)フィリピン・マニラで開催された「移住問題に関する世界社会フォーラムにおいて、「アジアの社会運動総会」は次のような声明を発表した(この声明には70以上の運動団体および組織が署名した)。「私たちはこれらの闘争を強化し、食糧、水、健康、エネルギー、雇用、人権の要求と、気候変動、金融投機、土地強奪、新自由主義的な自由貿易協定と投資協定、多国籍企業の免責、移民や難民の犯罪扱い、家父長制と女性への暴力、緊縮財政と社会保障の削減に対する闘争を結合する必要がある」。[この声明の日本語訳はATTAC Japan(首都圏)のブログに掲載
されています http://attaction.seesaa.net/article/305669690.html]

私たちは、国家、地域またはグローバルレベルでの「気候に関する住民投票」の推進のような新たなキャンペーンの実施について議論する必要がある。私たちは、人々が自分たちやマザーアースの将来について決定するための民主主義的権利を取り戻すために、あらゆるスペースを活用する必要がある。

私たちはアグロ・エコロジー(エコロジー的農業)、食料主権、分散型のエネルギー生産と消費等のオルタナティブを強化していく必要がある。私たちは、より多くのエネルギーが必要であり、そのための唯一の方法が巨大プロジェクトであるという嘘を解体する必要がある。私たちは、それらのプロジェクトの背後にはよく知られた企業の利益が絡んでいること、また、そうではない地域的な、あるいは小規模なオルタナティブが可能であることを数字や具体的な経験を通じて示す必要がある。

社会運動の活動家と気候変動の問題に関わっている活動家が集まり、私たちの分析、オルタナティブ、戦略を再考、再創造するための格好の機会が、2013年3月にチュニジアで開催される世界社会フォーラム(WSF)の中の「気候スペース」である。今こそ、気候変動に立ち向かうための私たちの分析、オルタナティブ、戦略を再考する時である。
 
 
posted by attaction at 13:43 | エコロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月07日

気候変動に関するアジアの社会運動団体の声明

wsfm.JPG

現在、ドーハで開催されているCOP18に関連して、アジアの社会運動団体が連名で発表した声明です。ATTAC Japanも賛同しています。

気候変動に関するアジアの社会運動団体の声明

第5回・移住問題に関する世界社会フォーラム(WSFM)〔2012年11月26-30日、フィリピン・マニラ、http://www.wsfm2012.org/〕中に開催されたアジア社会運動総会にて採択。

私たちはこの1年間に世界の多くの地域で、ハリケーン・サンディのような、かつて経験したことがないような激しさの、気候変動に関連する現象を経験してきた。多くの国で激しい暴風雨、洪水、干ばつ、水循環の断絶などの現象が「新しい標準」となっている中で、私たちにはもはや時間の余裕はない。また、気候変動が気候難民を生み出していることも明らかになっている。2050年までに2億人が気候変動によって移住を余儀なくされると推定されている。2010年だけでもアジア全体で3000万人以上が、環境や気象関連の災害によって移住を余儀なくされ、気候難民の数は増えつづけている。気候変動はまた、農作物や農地に大きな損害を与え、食糧危機を一層悪化させ、一層多くの人々を飢餓に追いやっている。

しかし、気候変動による荒廃がますます深刻化しているにもかかわらず、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の交渉は、温室効果ガスの排出量を安定させ、削減するためのグローバルな合意に向かって進むのではなく、後退しつづけている。気候変動交渉の前提は常に、先進国がその歴史的責任を果たさなければならないという原則に基づいていたが、カンクンからダーバン、そしてカタールへと進む中で、交渉は先進国がこれまでの約束を逃れる方法に焦点を当てるようになってきた。今では、現在交渉のテーブルに載っている提案によると、先進国は削減義務を自主的な誓約に引き下げることによって約束を逃れられるようになるだけでなく、排出権市場やそのほかの抜け穴を増やすことによって、何もしなくてもよいようになる。国連環境計画(UNEP)による調査からの推定では、そのような抜け穴が全くない場合でさえ、これらの諸国の現在の誓約では地球の温度が最大で5℃上昇する。

この気候のカオスに向かう行進を止めるには遅すぎることはないし、それは不可能ではない。私たちは何をすべきかを知っている。

第1に、科学は、温室効果ガス排出の主要な原因が石油、ガス、石炭の利用によって発生する二酸化炭素(CO2)であることを明らかにしている。国際エネルギー機関(IEA)によると、気温上昇が2℃以内にとどまる確率を50%にしておくためには、世界の石炭、石油、ガスの確認埋蔵量の3分の2をそのまま開発しない状態にしておかなければならない。この確率を75%にしたければ、地下に埋蔵されている石油、ガス、石炭の80%をそのままにしておかなければならない。

第2に、歴史的に見れば米国が主要な排出国であり、米国は他の国よりも緊急かつ大幅に排出を削減しなければならない。国連気候変動交渉において附属書1締約国と呼ばれるすべての先進国は緊急に大幅な削減を行い、2020年までに1990年の水準の40?50%以上を削減するべきである。これらの約束は、年間の石炭、石油、ガスの使用量の目標として具体化されるべきであり、オフセットや排出権市場などの抜け穴を利用してはならない。

第3に、発展の権利は、環境を汚染しつづけ、工業国の開発の道筋を後追いする権利として解釈するべきではない。発展の権利は、国家が人々の基本的な権利とニーズ、そして自然と調和した生活を送る権利を保証する義務として理解されるべきである。

この観点から、中国、ブラジル、南アフリカ、インドなどの新興国も排出削減の目標を設定するべきである。これらの諸国は急速に温室効果ガスの大きな排出国となっている。これらの諸国の拘束力のある目標は、「歴史的な、共通だが差異のある責任」の原則に従って、附属書Iの諸国の目標より低く設定されるべきである。

第4に、石油、石炭、ガス会社への補助金を打ち切り、それらの資源の使用を制限することは非常に重要な前進であるが、それだけでは十分ではない。私たちはまた、それらの資源と同様に自然を破壊し、人々の生活に悪影響を及ぼす可能性があるあらゆる偽の解決策 − バイオ燃料、遺伝子組み換え作物、合成生物学、ジオエンジニアリング、原子力、大企業とグリーン経済による資源収奪など − の推進を阻止する必要がある。

私たちがこの地球上に私たちの未来があることを望むなら、私たちには本当の解決策が必要である。私たちは、人々を搾取し生態系を破壊するすべての支配的な、利潤至上主義的で持続不可能な資本主義システムを越えて進む必要がある。私たちが気候変動との闘いにおいて真の前進を勝ち取るためには、全世界の社会運動がこの闘争において力と勢いを取り戻す必要がある。鉱山の採掘、火力発電所、シェールガス、タールサンド、大型ダム、土地強奪、水の民営化、バイオ燃料、遺伝子組み換え作物、REDDに対する草の根の運動がすでに進むべき道を示している。私たちはこれらの闘争を強化し、食糧、水、健康、エネルギー、雇用、人権の要求と、気候変動、金融投機、土地強奪、新自由主義的な自由貿易協定と投資協定、多国籍企業の免責、移民や難民の犯罪扱い、家父長制と女性への暴力、緊縮財政と社会保障の削減に対する闘争を結合する必要がある。

私たちはまた、化石燃料に依存するシステムから低炭素社会に向けて、集団的に、漸進的に転換する必要がある。そのためにはまた、持続不可能な資本主義システムの変革が必要である。社会運動はすでにそのような変革の提案や解決策を豊かに蓄積している。食糧主権、エコロジー的農業などの代替案はすでに実践されており、さらに発展している。私たちが自然と調和し共存するためには、資本主義の人間中心的な考え方を放棄し、私たちが自然の1つの構成要素にすぎないこと、また、健康的な生活を送るためにはマザーアース(母なる大地)の権利を承認し、支持することによって、生命の循環、自然の全体性と相互依存関係を尊重する必要があることを認識する必要がある。

人類と自然は絶壁に立っている。しかし、遅すぎることはない。私たちは何をすべきか知っている。私たちが一緒にそれを行うならば、私たちはシステムを変革することができる。

2012年11月28日、フィリピン・マニラにて

賛同団体

国際/地域団体
Building and Wood Workers' International - Asia Pacific (BWI Asia Pacific)
Coalition Against Trafficking in Women - Asia Pacific (CATW AP)
EU-ASEAN FTA Network
Focus on the Global South
Global Network Asia
International Domestic Workers' Network (IDWN)
La Via Campesina
Migrant Forum in Asia
RESPECT Network - Europe
Transnational Institute

国内団体
Alliance of Progressive Labor (APL-SENTRO)
All Nepal's Peasants' Federation
Ang Nars-PSLINK
Aniban ng mga Manggagawa sa Agrikultura (AMA)
Alyansa ng Kabataang Mindanao para sa Kapayapaan (AKMK)
Associated Labor Unions (ALU-TUCP)
ATTAC Japan
Bangladesh Krishok Federation
Bangladesh Kishani Sabha
Basic Education Sector Teachers Federation (BESTFED)-PSLINK
Bhartiya Kisan Union, BKU, India
Commission for Filipino Migrant Workers
Confederation of Labor and Allied Social Services (CLASS-TUCP)
Development through Active Networking Foundation (DAWN)
Federation of Free Workers (FFW)
Forum Komunikasi Buruh Perkebunan Sumatera Utara
FSPMI (Federation of Indonesia Metal Workers Union)
Greenresearch Environmental Research Group
Iligan Survivors Movement (ISM)
Indonesia Fisherfolk Union / Serikat Nelayan Indonesia (SNI)
Indonesian Political Economy Association (AEPI)
Kapisanan ng Maralitang Obrero (KAMAO-SENTRO)
Karnataka Rajya Raitha Sangha, India
KILOS KA, Mindanao
Koalisi Anti Utang (Anti-Debt Coalition) Indonesia
KRuHA-Indonesia (People's coalition for the right to water)
KSPI (Confederation of Indonesia Trade Union)
Lanao Alliance of Human Rights Advocates
Labor Education and Research Network (LEARN)
Liga ng Makabagong Kabataan (LMK)
Mindanao Peoples' Peace Movement (MPPM)
MONLAR, Sri Lanka
National Confederation of Transportworkers' Union (NCTU-SENTRO)
National Union of Workers' in Hotel Restaurant and Allied Industries
(NUWHRAIN-SENTRO)
Network for Transformative Social Protection in Asia
NOUMINREN, Japan
Partido ng Manggagawa
Philippine Airline Employees' Association (PALEA)
Philippine Independent Public Sector Employees Association (PIPSEA-SENTRO)
Philippine Metalworkers' Alliance (PMA-Sentro)
Philippine Rural Reconstruction Movement
Public Services Labor Independent Confederation (PSLINK)
Ranaw Disaster Response and Rehabilitation Assistance Center (RDRRAC)
Serikat Petani Indonesia
Sintesa Foundation
South Indian Coordination Committee of Farmers Movements (SICCFM)
Suluh Muda Indonesia (SMI Sumut)
Sumpay Mindanao
Sustainable Alternatives for the Advancement of Mindanao (SALAM)
TRUSTED Migrants - The Netherlands
Workers' Solidarity Network (WSN-SENTRO)
World March of Women Pilipinas
WomanHealth Philippines
Youth and Students Advancing Gender Equality (YSAGE)
posted by attaction at 15:34 | エコロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第9回アジア・ヨーロッパ民衆フォーラム(AEPF9:ラオス・ビエンチャン)

aepf9_02.JPG

10月16日から19日にラオス・ビエンチャン、第9回アジア・ヨーロッパ民衆フォーラム(AEPF9)が開催されました。アジア・ヨーロッパ民衆フォーラムは毎年、ASEMの開催地で、ASEMの開催時期に合わせて開催されています。今年はラオスでの開催で、アジアとヨーロッパから1000人の市民が集まったようです。以下のプレスリリースと最終宣言を読むと、アジアとヨーロッパの社会運動団体が現在取り組んでいる課題や、活動家の問題意識がよくわかります。

 + + + + +

プレスリリース
アジア・ヨーロッパ民衆フォーラム国際組織委員会
2012年10月、ビエンチャン(ラオス)

原文(英語) http://www.aepf9.info/index.php/en/

10月16日から19日にラオス・ビエンチャンで開催された第9回アジア・ヨーロッパ民衆フォーラム(AEPF9)には、アジアとヨーロッパから1000人の市民が集まった。このフォーラムは「市場の規制緩和や多国籍企業の力の増大を中心にしたシステムではなく、人々の利益を中心とする世界を要求する」ことを目指して開催された。第9回アジア・ヨーロッパ民衆フォーラムは、11月にラオスで開催される第9回ASEM(アジア・ヨーロッパ会合)に参加する政府に対する要求と、われわれの発展戦略に焦点を当てた。

AEPF9は以下の4つの主要なテーマを取り上げた。

+ 普遍的な社会的保護と基本的サービスへのアクセス
+ 食糧主権と持続可能な土地と自然資源の管理
+ 持続可能なエネルギーの生産と利用
+ 公正な労働と持続可能な生活条件

AEPF9に先立って、私たちは南アジアと東南アジアで3回にわたって準備のためのワークショップを開催してきた。ラオスでは16の県でコンサルテーション(諮問会合)を行った。それによってラオスの広範な市民社会組織を代表する人々からの意見、希望、構想が集められた。

AEPFはアジアとヨーロッパで人々が経験している著しい不平等、不公正と貧困に鋭い焦点を当てた。しばしば「金融危機」として語られているものは、実際には一連の相互に結合している危機- 食糧、エネルギー、気候、人間の安全、環境の劣化 - の一部であり、それらはすでに生活を壊滅させ、アジア全域で数百万人の人々が日常的に経験し、ヨーロッパにおいても拡大している貧困と社会的排除を結合させている。AEPF9に集まったアジアとヨーロッパの市民の間では、過去数十年にわたって採用されてきた支配的なアプローチ - 市場の規制緩和と、多国籍企業や無責任な国際機関の力の増大と、貿易自由化を基礎としている - がすべての市民のニーズと権利を実現するという点で失敗だったということが共通認識となっている。私たちは少数の金融機関や大企業の利益となる短期的な政策のみを追求する分析や対応を超えて進む必要がある。変革と、新しい、人々の利益を中心とする政策とその実施に対する心の底からのニーズと要求が感じられる。

10月19日に開催された記者会見で、次の発言が行われた。

アンディ・ラザフォード(AEPF国際組織委員会メンバー、英国):「私たちは、根本的な変革のためにビエンチャンに集まった。規制のない市場、不公正な貿易、公共サービスの民営化の強制を特徴とする現在のシステムは大多数の人々に何の恩恵ももたらさず、金融危機や気候変動を引き起こし、複合的な危機をもたらした。貧富の差が拡大し、資源や生活手段や基本的なサービスへのアクセスは依然として著しく不平等である。AEPFは重要な成果と成功を収めた。市民団体、NGO、社会運動を代表する1000人余の人々が参加した。これは、フォーラムに参加した組織の将来の活動に、大きなインスピレーションとなるだろう。フォーラムの最終宣言は本日、ラオス政府に手渡され、第9回ASEM首脳会合(ASEM9)において各国首脳に配布されることが確約された。ASEM9はASEM参加国の政府が、ここに示されている問題に対応するために必要とされている迅速かつ断固たる行動を取るための歴史的機会である」。

メアリー・アン・マナハン(フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウス、フィリピン):「私たちは世界的な水の危機に直面している。水資源に対する圧力や水不足がこれほど深刻になったことはない。 AEPFは、国際金融機関がどのようにして水の危機を利用して、水の略奪を助長し、企業がどのようにして水資源や水道サービスを強奪してきたを明らかにしてきた。一方、タイやメコン川流域諸国における大規模灌漑事業や水力発電は、米作や川での漁業を基盤とした食料安全保障に悪影響を及ぼしてきた。岩盤を水圧で破砕して地中の天然ガスを抽出する新しい技法は、水質汚染のリスクが高い。AEPFは、企業による水資源の略奪に抵抗するために、市民社会が連合を形成することを呼びかける。私たちはアジアとEUの政府に対して、水の問題、特に水の割り当て、分配、管理について人権の観点からのアプローチを支持することを要求する。私たちはまた、人々の利益を中心とする公正で生態学的に持続可能な代替策を促進し、支持するよう要求する。そのような代替策の感動的な例として、タイにおいて、公共の電力および水道サービスが私企業の支配に挑戦し、地域社会、特に先住民や農民の間での伝統的な水管理の方法を奨励している」。

マリアナ・モルタグア(債務監査運動、ポルトガル):「AEPFに集まった社会運動、組織、市民は、現在ヨーロッパで行われている緊縮財政政策、自由化、そして労働者と社会的権利への攻撃が一層の貧困と経済的災禍をもたらすだけであると考える。それは1990年代の危機に見舞われ、構造調整プログラムと、失業、緊縮財政政策、最も貧しい層への増税、不当な債務の負担、民営化、金融規制緩和を強制されたアジア諸国における経験を繰り返すことである。AEPFは各国政府に対して、緊縮財政プログラムを中止し、銀行や市場への債務の支払いを停止し、貿易や金融の自由化と民営化をやめて元に戻すよう要求する。私たちはEU各国の政府がトロイカ(IMF、欧州中央銀行、欧州委員会)との間で交わした覚書や財政条約、および不公正な財政政策を破棄することを供給する。私たちは公共のための予算の資金を調達するために、金融市場によらない新しい方法を必要としている。私たちは雇用を創出し、不安定雇用化を反転させるために公的資金を投資するような公共政策を必要としている。私たちは労働者階級の尊厳を取り戻す」。

バイシャリ・パティル(ジャイタプール反核運動、インド):「AEFPの中で、私たちは『原発と核兵器に反対するアジア・ヨーロッパ・イニシアティブ』を発足させた。福島の事故が起こってしまった後では、原子力プロジェクトが人類と地球に及ぼす危険を誰も否定できない。私たちはアジアとヨーロッパの政府に対して、ドイツ政府がやったように、すべての原子力発電を段階的に廃止するよう訴える。私たちはまた、あらゆる核兵器の廃止を要求する。経済危機が続き、何百万もの人々が依然として貧困と飢餓に苦しみ、生存のために苦闘しているとき、原子力エネルギーと兵器産業のために公的資金を投資しつづけることは絶対に受け入れられない。太陽光や風力のような再生可能エネルギーは、化石燃料や原子力より低コストで、安全で、しかも効率的であることが証明されている。このアジア・ヨーロッパ・イニシアティブは、最初のアクションとして、インド政府が非暴力的な方法で原発建設に抗議している運動と数千人の住民に対して行っている弾圧を非難し、インド政府に圧力をかけることを計画している。私たちはインドへ国会議員の使節団を送り、インドの反核運動や、現在世界最大の原子力発電所の1つが建設中であるジャイタプールなどの現地を訪問することを計画している。私たちはもう1つの福島が起こるのを防ぎたい」。

ソンバト・ソンフォン(国内組織委員会、ラオス):「すぐに行動を起こす必要があり、教育が主要な課題である。私たちの社会、特に金持ちの国は、質素に生き、消費を減らすことを学ばなければならない。私たちは炭素排出量を削減しなければならない。私たちは、民間セクターが自分たちの利潤を増やすことだけを望んでいることを見てきた。私たちは、本当の幸せを得るために、そして私たちの社会が現在のシステムを再生産するだけのために大部分の時間を費やさなくてもよいように、問題の根本原因を解決しなければならない」。

aepf9.JPG

第9回アジア・ヨーロッパ民衆フォーラム
2012年10月、ビエンチャン(ラオス)
最終宣言


原文(英語)
http://www.aepf.info/aepf9/94-final-declaration-9th-asia-europe-people-s-forum-vientiane-laos

(要約)

2012年10月16-19日、ラオス・ビエンチャンで開催された第9回アジア・ヨーロッパ民衆フォーラム(AEPF9)にアジアとヨーロッパの民衆組織・市民を代表する1000人余の人々が集まった。このフォーラムは「貧困と闘い、持続可能な発展を求める民衆の連帯 - 不公正で不平等な発展に反対し、市民のための市民の国家を建設する」というタイトルの下で開催され、以下の4つの主要なテーマを取り上げた。

+ 普遍的な社会的保護と基本的サービスへのアクセス
+ 食糧主権と持続可能な土地と自然資源の管理
+ 持続可能なエネルギーの生産と利用
+ 公正な労働と持続可能な生活条件

AEPF9において私たちは、活動的な市民として、私たちの国の政府と私たち自身に対して提唱する戦略と勧告を作り上げることに焦点を当てた。AEPFはアジアとヨーロッパの全域で人々が著しい不平等、不公正と貧困を経験している歴史的に重要な時期に開催された。しばしば「金融危機」として語られているものは、実際には一連の相互に結合している危機- 食糧、エネルギー、気候、人間の安全、環境の劣化 - の一部であり、それらはすでに生活を壊滅させ、アジア全域で数百万人の人々が日常的に経験し、ヨーロッパにおいても拡大している貧困と社会的排除を結合させている。貧富の格差は拡大しており、資源、生活手段、基本的サービスへのアクセスは依然として著しく不平等である。ASEM9は、ASEM各国政府がこの問題に対処するために必要な迅速かつ断固とした行動を起こす歴史的な機会である。

AEPF9に集まったアジアとヨーロッパの市民の間では、過去数十年にわたって採用されてきた支配的なアプローチ - 市場の規制緩和と、多国籍企業や無責任な国際機関の力の増大と、貿易自由化を基礎としている - がすべての市民のニーズと権利を実現するという点で失敗だったということが共通認識となっている。私たちは少数の金融機関や大企業の利益となる短期的な政策のみを追求する分析や対応を超えて進む必要がある。変革と、新しい、人々の利益を中心とする政策とその実施に対する心の底からのニーズと要求が感じられる。

貿易の自由化、市場の規制緩和、民営化という政策の失敗にもかかわらず、私たちの政府は依然として、根本的な政策転換を求める多くの人々の共通の意思を無視している。人々のニーズを満たし、地域経済を再活性化するのではなく、数千億ユーロもの資金を銀行や金融機関の救済のために投入した。私たちの政府は、既存の法律、規制、基準、メカニズムに反して、人権、環境、労働者の権利を優先せず、企業の利益を優先してきた。このような企業による支配がもたらした結果は、アジアとヨーロッパの全域で、何百万人もの女性、男性、子供たちの生活に影響をもたらしてきた。エリートたちが貧困、不平等、環境破壊と社会不安の増大のための条件を生み出すような政策を、市民がほとんど、あるいは全くチェックできないところで立案し、実施する中で、民主主義的な責任が空洞化されてきた。

私たちは、ASEM参加国の政府に対して、現在の危機を解決するための、人々の利益を中心とする効果的で責任のある政策を実施するよう要求する。最も優先されなければならないのは、貧しい人々や排除され、周辺化された人々のニーズであり、政府は市民と協力して公正で持続可能な世界につながる政策や、人々に対して責任を負う民主的な機構 - ジェンダーの平等、環境と基本的人権の尊重を基礎とする - を発展させ、実現しなければならない。

AEPFは、貧困と不平等に対して闘い、社会的公正を目指して活動しているアジアとヨーロッパの社会運動の戦略的な市民社会的集まりである。AEPFは、アジアとヨーロッパの全域における民衆の組織や社会的公正のためのネットワークの中での、対話と連帯と行動のための新しい結集場所を設けるという共通の希望に根ざしている。以下の行動の呼びかけは、4日間にわたって開催された多くの活気に満ちたエキサイティングなイベントからの提言を基にしている。

行動の呼びかけ

AEPF9は、ASEMとその参加国政府が、以下の問題や優先的課題を認識し、私たちの提言を進める要求する。

A. 普遍的な社会的保護と基本的サービスへのアクセス

世界的に見ると、社会的保護を利用できるのはわずか20%の人々であり、アジアのほぼすべての国で、この割合はさらに低い。ヨーロッパでは福祉国家と社会契約は各国政府およびEUの諸機関によって系統的に浸食されてきた。社会的保護と基本的サービスへのアクセスは、仕事、十分な食糧、必要不可欠のサービス、社会保障を含む基本的な権利である。国家はこれらの権利を積極的に増進し、保護し、実現する義務がある。

革新的で普遍的な社会的保護のシステムと、オルタナティブ(代替的)な国家的発展戦略を合わせて導入する必要があり、それは自由化、規制緩和、民営化の新自由主義的政策を逆転させ、公正で、民主主義的で、持続可能な、人々の利益を中心とした発展を目指して、国家の主権を回復するような戦略でなければならない。

主要な提言
私たちは、私たちの政府に以下のことを要求する。

1. 社会的保護のシステムのための法律を制定し、予算を確保すること。働く権利(ILOの中核的条約に規定されている)、食糧、基本的サービス、医療、教育、水と衛生、エネルギー、適切な公営住宅へのアクセス、社会保障(高齢者、障がい者の年金、児童手当)、公正な生活賃金。
2. 普遍的な社会的保護のための十分な税収の確保のために、多国籍企業や富裕層、大地主への効果的課税(付加価値税のような逆進税ではなく)、金融取引税の導入、タックスヘイブンの銀行の機密の廃止、不正な債務の帳消しを行うこと。
3. ASEANにおいて、普遍的な社会的保護、すべての基本的な財やサービスの非商品化を含む「社会的アジェンダ」を採択すること。社会的保護は国家の下に置かれ、すべての人々が無償で利用できること。
4. 生活に不可欠な資源、財、サービスの共有制を確立する「国連・人類の共有財憲章」の制定と合意に参加すること。
5. すべての多国間/二国間貿易協定から「TRIPSプラス」条項(特に、公衆の健康と医薬品へのアクセスに直接的な影響を及ぼすデータ独占権と特許権の拡大)を除外すること。
6. 国連・障がい者の権利条約の批准と完全実施。障がい者および障がい者団体の、生活のあらゆる領域への平等な参加と完全なインクルージョン(包摂)。
7. すべての市民が自分たちの意見を述べ、尊重され、重要な決定に参加できるように保証すること。子どもの権利条約などの国際的な法的文書の基本的な順守。
8. すべての人々に良質な基本的教育を保証すること。マージナライズ(周辺化)された人々の子どもや若者への優先措置。
9. 識字と、生涯学習の基盤としての地域の知恵の尊重。
10. 「持続可能な発展のための教育」(ESD)の枠組みの中での良質の、参加型のカリキュラムを保証すること。
11. 持続可能な発展に向けた市民社会団体、政府、民間部門の間の積極的な協力を強化すること。
12. 全国的な開発計画の起草と検討へのすべての市民の参加をサポートすること。
13. 先住民族のための適切な社会的保護メカニズムを促進し、基本的サービスへのアクセスを保証すること。
14. 「企業の社会的責任」から「企業の社会的義務」への転換。「女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」(CEDAW)に基づいて、あらゆる人権侵害に対する予防、保護、訴追、賠償に誠実に取り組むこと。
15. 地域社会、特にマージナライズされているグループ(女性、マイノリティーなど)の身体的健康と社会的福祉のために政策と責任の強化。地域社会が、弾力性のある、公平な、インクルーシブな低炭素社会に向けて発展するために、政府、企業、国際金融機関に責任を負わせることを保証する。
16. 移住者が自分たちのアイデンティティと文化に応じて子どもを育て、地域社会に全面的に参加する権利。
17. すべての国が子供の親権に関するハーグ条約を承認すること。

B.食糧主権と持続可能な土地と自然資源の管理

アジアでは、「開発」の名の下に土地と資源の強奪が加速している。農業や採掘産業における大規模な投資が農村社会や生態系、人権、地域における食糧の安定的確保と食糧主権に多くの悪影響を及ぼしている。

ヨーロッパでは、アグリビジネスの国際競争力のための共通農業政策(CAP)によって、多くの農家が離農を迫られている。EUのバイオエネルギー政策、特に「再生可能エネルギーに関する指令」(RED)は、食糧生産に利用されるべき土地を大規模なモノカルチャー、燃料用作物の生産のための転用している。

銀行、ヘッジファンド、年金基金は金融市場において食品価格を投機の対象としており、その結果、小麦、トウモロコシ、大豆などの主食の激しい価格変動を引き起こしている。

私たちは世界的な水危機に直面している。多くの国では、水危機は国際金融機関(世界銀行、アジア開発銀行)によって利用され、企業や民間企業による水資源やサービスの買収をもたらしてきた。

社会運動の中では、食料主権が工業的農業モデルへの対案として掲げられてきた。食糧主権は、自分たちの食べ物、農業、畜産、漁業のシステムについて、国際市場の力に従属することなく決定する権利を基礎としている。それは全世界の農民、漁民、先住民族、女性、農村の青年、およびその同盟者によって提唱されている。

主要な提言
私たちは、私たちの政府に以下のことを要求する。

1. 土地や資源の強奪に反対し、食糧に対する人権を支持すること。「土地、漁業、森林に関わる所有権・管理権に関する責任ある統治のための自主的ガイドライン」(英国の社会運動団体が2011年10月に国連の「世界の食料安全保障に関する委員会」に提出した公開状)を実施すること。
2. 農民の権利に関する国連での継続的な取り組みを支持すること。
3. 貿易、農業、エネルギー、開発、環境、土地、水に関連する政策において人権を尊重すること。EUは「武器を除くすべて」協定(2001年に採択され、後発開発途上国からの輸入への規制を撤廃した)等の貿易政策がもたらした影響(いくつかの国では何千人もの人々が土地を追われている)について調査するべきである。
4. 「再生可能エネルギーに関する指令」におけるバイオ燃料の目標を削除すること。
5. アジアとヨーロッパにおける食糧主権を支持すること(EUの共通農業政策の改革のプロセス等を通じて)。
6. 小規模な生産者、農村女性、先住民のニーズに焦点を当てた進歩的、公的な農村開発戦略に投資すること。この戦略では人々の土地、水へのアクセスと、生物多様性を保護し、尊重すること。
7. 先住民族の集団的な生存と発展のための物質的、経済的、社会的、文化的基盤として、先住民族の土地、居住地域、資源に対する権利を尊重すること。これは開発プロジェクトに関わる意思決定における先住民族の完全かつ実効的な参加を含む。先住民族の、質素で炭素排出量が少ないライフスタイル、伝統的知識、伝来の技術、革新的な生産方法を通じた持続可能発展への貢献について理解すること。
8. 緊急の課題として、銀行や金融市場のトレーダーによる食糧投機を規制すること。すべての先物取引が規制された方法で決済されることを保証する法律を制定すること。銀行や大手業者による取引量に制限を設けること。

C 持続可能なエネルギーの生産と利用

過剰生産と消費を特徴とする現在の開発パラダイムは、経済と地球を救うために必要な長期的な解決策と相容れない。政府は気候の危機を低炭素社会への移行を始める機会として認識するべきである。

エネルギーへのアクセスは特権ではなく、基本的権利である。人々はエネルギー政策に対して発言権を持っている必要がある。水力発電ダムをめぐる多くの事例は、エネルギー問題の原因と解決策に関する合意の欠如を示している。

グリーン経済の下で、環境資源 - 共有財産 - 市場システムに組み込む新しい開発アプローチが提唱されている。しかし、そのようなアプローチは、真に持続可能な生活スタイルへの移行や、小規模農家、森林コミュニティの自立を妨げ、また、工業国における低炭素社会への移行を遅らせるだろう。また、グリーン経済の下で提案されている新しい技術(特に、遺伝子組み換え作物、ナノテクノロジー、バイオ燃料、ジオエンジニアリングなど)は安全が証明されておらず、主要に大企業に利益をもたらす。

特に、国際的な気候変動対策として確立された「排出権」市場は、環境上および社会的な利益がない、あるいは地域社会に有害であるようなプロジェクトの促進につながっている。また、国際的な気候変動対策は、多くの偽りの解決策をもたらしている。

国連は「先住民族の権利に関する国連宣言」(UNDRIPS)を採択しているが、「森林減少および森林劣化からの排出量の削減(REDD)に関する国連共同プログラム」はUNDRIPSに準拠するべきである。REDDプロジェクトには多くの未解決の問題があるだけでなく、プロジェクト実施地域における軍事化の傾向が見られる。多くの先住民族はREDDを拒否している。REDDはまた、気候変動への対策として効果がない。

廃棄物の生成は個人や企業による不適切な資源利用や廃棄の結果であるだけでなく、政府の政策の不適切さの結果でもある。再利用、リサイクルできない汚染物の生産や販売を禁止する必要がある。

主要な提言
私たちは、私たちの政府に以下のことを要求する。

1. EUは気候変動を緩和する責任を果たすために、貧困国にエコロジカル債務を支払い、発展のスペースの公平な配分を実現するべきである。そのために再生可能エネルギーを基礎とする持続可能なエネルギー・システムへの大規模な移行を実現する必要がある。
2. 継続的な拡大と自然の収奪を指向する生産と消費のシステムから、より持続可能で環境と親和的なシステムへ移行すること。
3. 代替的なエネルギー政策について人々が参加し、議論できる政治的環境を保証すること。影響を受ける地域社会の懸念やニーズを反映したエネルギー開発・生産のための参加型プロセスを作り出すこと。
4. 再生可能エネルギーを促進するための効果的で、社会的に公平かつ公正な政策を作成し、実施すること。特に、分散型のシステム、十分なエネルギーにアクセスできない地域の解消、エネルギー効率の改善。
5. 緊急に、原子力から解放された世界に向かって進むことを確約すること。既存の原子力発電所の廃炉、計画中の原子力発電所の開発中止、代替的エネルギーの利用の促進。
6. 小規模な発電設備を奨励し、コミュニティ・ベースのエネルギー・システムを強化するための野心的で真剣な案を検討すること。
7. 自然の共有財産の管理に対する人権の観点からのアプローチを支持すること。特に、水は人権であり、私有財産や商品や取引可能な経済財や単なる生産要素ではないことを明記した国連決議を支持すること。
8. 廃棄物を減らし、非生分解性プラスチックを段階的になくし、廃棄物を削減、再利用、再循環させるためのインフラや仕組みを確立するための全国的計画を立案し、実施すること。効果的で持続可能な廃棄物処理政策に違反する企業等に罰則を適用すること。
9. 森林地域の人々および地域社会が持続可能な方法で森林資源を使用し、管理する権利を承認すること。これはグローバルな森林/二酸化炭素削減スキームにもとづくいかなる開発または保全計画の検討にも優先されなければならない。

D.公正な労働と持続可能な生活条件

アジアとヨーロッパの両方で、労働と雇用の形態をめぐる劇的な変化が起こっている。地域による違いはあるが、多くの共通の特徴もある。アジアでもヨーロッパでも国境を越えた移動が増加している(人身売買の危険を伴っている)。雇用と安定した所得と持続可能な生活という希望は実現されていない。労働組合と団体交渉の権利が侵食されている。FTA(自由貿易協定)は労働者の権利と社会的保護の一層の解体につながっている。

アジアで支配的であったインフォーマル・セクターや臨時雇用、契約労働がヨーロッパにも広がっている。底辺に向けた競争が加速化している。多くの国の公共部門におけるコスト削減は雇用と基本的な社会サービスの低下につながっている。同時に賃金、所得、福祉の不平等と格差が拡大している。

労働における公正の概念を拡大し、すべての労働を含める必要があり、女性と男性、ケア労働と産業労働の間の不平等を是正し、地域コミュニティーや移住者の権利を保護する必要がある。連帯の経済、社会的、ジェンダー的、環境的に公正で持続可能な生活を実現するために、新しい組織形態と、異なる経済的な方向を探求する必要がある。

少数の多国籍企業が世界経済の40%を支配している。二国間投資協定や自由貿易協定における投資条項は多国籍企業の自由な行動を保証する機構の一部を成しており、先進工業国と発展途上国の両方において主権と民主的統治と人々の利益を脅かしている。

観光は巨大産業であり、グローバリゼーションの重要な牽引力である。観光産業の成長に伴い、地域社会の社会的、経済的、政治的、文化的権利がしばしば(特に貧困層や社会的弱者のコミュニティにおいて)の無視され、侵害されている。

労働組合、コミュニティー組織、社会運動、NGOは新しい連合を発展させることができ、種々の問題に関与し、異なる国や異なるセクターを結びつけることができる。社会運動と労働者の組織は、公正な労働条件と持続可能な生活と普遍的な社会的保護の実現を可能にするASEAN社会憲章を確立するために政府に働きかける必要がある。

主要な提言
私たちは、私たちの政府に以下のことを要求する。

1. ILOの家事労働者、移民労働者に関する条約や、団体交渉、コア労働基準(CLS)に関する条約を批准し(未批准の場合)、それに対応する国内法を制定し、実施すること。
2. 国籍や法的地位に関わりなく、すべての労働者が労働基本権、団結権、団体交渉権を保証されるようにすること。
3. 2006年9月にポツダムで開催されたASEM労働相会合で合意された約束、とくに一部の国における労働者の権利、団結権、団体交渉権、労働組合権の浸食との関連での約束を完全に実施すること。
4. アジアとヨーロッパのすべての国において、最低賃金や累進課税などの所得再分配政策を実施すること。
5. 生産と社会的再生産の間の不均衡に対処すること。ジェンダー平等のための政策は、労働市場と、無給のケア労働の両方をカバーする必要がある。社会的サービスの民営化をやめ、逆転させること。有給および無給のケア労働と社会的再生産の労働を、生産的で価値のある労働として認識すること。
6. 人々の利益を企業の利潤や強欲よりも優先させること。新しい投資協定の交渉を中止し、既存の協定を廃棄すること。少なくとも投資家・国家間紛争条項を再交渉し、削除すること。
7. 社会運動団体や労働者の組織と協力して、公正な労働条件と持続可能な生活と普遍的な社会的保護の実現を可能にするASEAN社会憲章を確立すること。
8. ツーリズムや商業、工業に関連する人権侵害について認識し、影響を受けている地域コミュニティーとの連帯を強化する。いかなる開発も人々の強制退去や自然破壊、人権侵害をもたらしてはならない。
9. 移住労働者の権利とディーセント・ワークと福祉を保護するための最低限の条件として、「移住労働者とその家族の権利と福祉のための国連条約」および関連する条約を批准すること。家族や他の関連条約の移住労働者とメンバーの権利の保護と福祉に関する国連条約を批准。市民社会および労働組合との協議に基づいて移住家事労働者の権利を保護すること。
10. 地域における種々の機関において、移住労働者の人権について、国連条約やILO条約、「女性に対するあらゆる形態の差別をなくすための条約」に準拠した基準を設けること。
11. 移住者と移住労働者、特に女性の性と生殖に関わる健康と権利についての進歩的政策を確立すること。
12. 移住者の結婚、国籍、家族、文化、政治参加に関わる権利を保証すること。これは(同化ではなく)自分のアイデンティティと文化に基づいて子どもを育てる権利を含む。
13. デイアスポラ(離散民)のコミュニティーを承認し、尊重し、保護し、そのための予算を伴う政策およびプログラムを実施すること。
14. 移民と難民の犯罪扱いをやめること。
15. アジア・ヨーロッパ規模における移住労働者の問題や他の労働関連の問題に関する法律文書や政策を確立するためのアジア・ヨーロッパ規模の三者(政・労・使)協議の機構を確立すること。
16. 短期または有期の雇用契約の廃止。例外的に必要とされる場合でも、その使用を制限するべきである。
17. 労働力のアウトソーシング(外注化)とあらゆる形態の間接雇用契約を廃止する。
18. CSR(企業の社会的責任)や多国籍企業の行動を監視しているグループなどの人権擁護活動家が、権利を要求している労働者について、アラート(緊急の支援要請)を発行し、企業や政府機関に対して働きかけ、一般大衆の関心を高め、労働者を支援することの重要性を認識すること。
19. 労働組合と人権活動家が貿易協定に労働条件および労働者の権利の保証を含めるように政府に働きかけることの重要性を認識すること。すべてのセクターと関係者の協力のメカニズムを発展させること。
20. 政府およびASEANが投資家と協議し、契約を交わす際には、労働組合が常にその過程に参加できるようにすること。

AEPF9の参加者はまた、平和、安全、人々の連帯が貧困削減と持続可能な発展のための前提条件であることに注意を喚起した。

主要な提言
私たちは、私たちの政府に以下のことを要求する。

1. 暴力的紛争の根本原因(たとえば、マイノリティーを尊重しないこと)に対処することによって平和を促進するための長期的な解決策 - 非暴力的な手段、民衆間の相互交流、国際法や地域内協力による紛争解決を優先する - を発展させること。
2. 安全への脅威に対する国連を通じた多角的、多面的な対処と国際法の原則の遵守。
3. 主権と人権の尊重に基づいて、外交政策や安全保障に関する共通の構想を発展させるために、地域間の紛争解決メカニズムを確立すること。
4. 女性が紛争によって特に被害を受けることと、平和と復興を和解に中心的な役割を果たすことを認識した国連安保理決議第1325号を履行すること。
5. 過激な宗教グループに対処する上で、教育の役割と、あらゆるレベルにおける宗教間の対話を重視すること。
6. 防衛予算、武器輸出、安全保障予算についての情報開示を保証するための国内法を制定すること。
7. 健康や教育のための予算を犠牲にしている軍事支出を削減すること。
8. 核不拡散条約(NPT)を地域間協力の基礎として活用し、核兵器のない世界を目指すとともに、ヨーロッパとアジアの非核化のための措置を講じること。
9. 武器の貿易や拡散を抑制するために責任を負うこと。武器の輸出入を制御するために国連の監視の下の透明かつ拘束力のあるメカニズムを確立し、合意すること。
10. クラスター爆弾禁止条約を支持すること。
11. (EU加盟国は)法的拘束力のある「武器輸出に関するヨーロッパ行動基準」を確立すること、(アジア諸国は)行動規準のための交渉を開始すること。
12. 大量破壊兵器からの生存者を支援し、保護すること。大量破壊兵器や化学兵器を製造する企業に、被害者への補償の責任を負わせること。
13. 紛争終結後の復興の一環として、トラウマの治癒と社会的和解のためのメカニズムを確立し、支援すること。

posted by attaction at 10:14 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする