2013年03月10日

米国の400団体の連邦議会への書簡

米国の市民団体パブリック・シティズンや、多くの労働組合、環境団体が現在のTPP交渉を批判し、市民のための貿易・通商政策と民主主義的な交渉プロセスを要求する書簡を連邦議会の各議員に送りました。

米国でも広範な批判の声が上がっていること、TPPが関税の問題ではなく民主主義そのものの問題であることを多くの人に知ってもらうために、各方面に転送していただければうれしいです。

原文(英語)http://www.citizenstrade.org/ctc/wp-content/uploads/2013/03/CivilSocietyLetteronFastTrackandTPP_030413.pdf

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米国の400団体の連邦議会への書簡
2013年3月4日


連邦議員各位

米国の通商交渉担当者が今年10月までにアジア太平洋地域の新しい、高水準の貿易投資協定を締結しようとしており、また、EUとの同様の協定を検討しているとき、われわれは、合計1500万人余の会員・組合員および支持者を代表して、21世紀の通商協定についての、そして過去における米国の貿易政策を公正で持続可能なグローバル経済の建設を促進する手段へと転換させるために必要な議会の監視的役割についてのわれわれの期待を伝えたい。

われわれは、TPPが3月にシンガポールで第16次の交渉に入るにもかかわらず、米国の交渉担当者がいまだに、彼らが米国市民の名において提案している内容を米国市民に知らせるのを拒否しているということに困惑している。交渉が妥結し、協定が締結された後まで、提案だけでなく合意されたテキストまで非公開とすることは民主主義の原則に反している。この点で、TPPはこれまでのいくつかの通商交渉と比べても、より不透明である。たとえば、2001年に米国は他の33の国と共に米州自由貿易地域(FTAA)協定の草案を公表したし、WTOの草案のテキストもしばしば公表されている。

TPPやEU・米国間の協定、あるいは他の貿易協定が実際に米国市民と全世界の人々の生活を改善できるためには、下記の問題に対処しなければならない。

・ 人権と労働権を優先すること。これまでの通商政策のあまりに多くのものが投資家の権利の保護に偏っており、強制労働や児童労働、スウェットショップ(搾取工場)的な労働条件、政治的暴力、環境汚染、先住民族の主権の侵害、政府による言論、集会、移動の自由や独立的労働組合を結成する権利、団体交渉の権利への抑圧などの問題を無視するか、覆い隠してきた。いかなる通商協定においても、それが労働条件の「底辺に向けた競走」や環境破壊の流れを反転させるのに寄与することを意図しているのであれば、人権と労働権を正面の中央に据えなければならない。

・ 各国の発展目標と、その実現のための調達政策を尊重すること。通商協定は各国政府が各国の発展や環境上および社会的な目標を優先して歳出を決定することを妨げてはならない。貿易協定の調達に関する条項は、従来の「国産品優先」策と、原産国における賃金、環境、スウェットショップの利用、人権、永年にわたる不平等の克服に向けた政策に対する考慮を維持しなければならない。

. 企業を政府と同等の地位に引き上げる。通商協定は個別の企業や投資家に、国内司法制度に拘束されない紛争解決機関を通じて国内の法律や規則、裁判所の決定に異議を唱えることによって協定の条件を執行させる特別の権限を付与するべきでない。3人の民間セクターの弁護士から成る紛争処理パネルに、企業がある国の法律が彼らの期待する将来の利益を脅かすと訴えた場合に、国家財政からの無制限の賠償を命じる権限を与えるような投資家・国家間紛争処理メカニズムは排除しなければならない。政府が公共の利益に適う規制を実施できることを保証するために、国際投資に関するルールを改定して、投資、収用、待遇の最低基準などの用語をより厳格に定義するべきである。

Citizens Trade Campaign(市民の貿易キャンペーン)は、通商政策における社会的および環境をめぐる公正を追求する目的で結集した労働、環境、宗教、家族農業、消費者の諸団体の連合であり、以下のことを要求する。

・ 食糧主権を守ること。貿易協定は、政府が農民や他の食品労働者が公正な報酬を受け取り、消費者が安全で低価格の食品にアクセスできることを保証する政策を導入する権限を尊重しなければならない。同様に、諸国民はダンピングやその他の、農民を土地から引き離すような不公正な貿易慣行から事項を守ることができなければならない。

・ 低価格の医薬品にアクセスできること。低価格のジェネリック医薬品へのアクセスを維持することは、米国における医療コストを引き下げるため、また、世界中の人命を救うために決定的に重要である。通商協定は医薬品特許の期間を延長する手段ではない。米国の政策は医薬品へのアクセスに関してドーハで設定された基準を明確に支持するべきである。

・ 為替操作を阻止すること。通商協定は米国および他の政府が通商を歪める為替操作を規制するための措置を取ることができるようにする規定を含むべきである。通商協定はまた、ルールを遵守する国が協定の恩恵を得られるようにするために、厳格な原産国ルールを含むべきである。

・ 強力な金融規制と公共サービスを可能にすること。通商協定は銀行、保険会社、ヘッジファンドおよびその他の金融機関の規制においては、制限を引き上げるのではなく引き下げるべきである。通商協定のサービス条項は、それらの協定のいかなる条項も民間および公共のサービスの規制緩和や民営化を要求しているものと解釈してはならないことを明確かつ具体的に記述した文言を含むべきである。

・ 消費者保護および環境基準を改善すること。同様に、通商協定は環境、食品、製品の安全、消費者の知る権利に関する措置においては、制限を引き上げるのではなく引き下げるべきである。

われわれは、TPPや他の通商協定がこれらの高い基準を実現しようとするのであれば、公衆や議会によるより広範な監視が必要であると考える。オバマ政権に通商上の政策決定に関する何らかの特別の権限を付与する前に、政府に対してTPPのテキストを公開することを要求されたい。

われわれは、議会が憲法によって委嘱されている対外通商を監督する権限を、ファーストトラック(大統領貿易促進権限)のような時代遅れで異常な手続きを通じて行政機関に委任するのではなく、米国の通商協定に関わる交渉と承認のプロセスに次のような新しいやり方を導入することを要求する。

・ 米国通商代表部が、すべての関心を有する利害関係者と協議し、通商協定の影響を受ける事項についての管轄権限を持つすべての委員会の公聴会に出席し、想定されている各相手国が提供する具体的な雇用創出や輸出拡大の機会と、協定が人権・労働権、環境、食糧主権、医薬品へのアクセス、為替操作、関係国間の貿易収支に及ぼす影響についての広範かつ公開のアセスメント(評価)を提供するよう求める。

・ このような拡張された参加プロセスをTPP交渉において可能な限り速やかに開始する。

・ 議会において設定された交渉目標が最終的な合意において実際に達成されていることを確認するための客観的なプロセスを確立する。

・ 政府が協定に署名し、米国がその条件に拘束されるようになる前に、議会の過半数による議決によって、その協定が公衆の利益に適うものであり、議会が設定した交渉目標が達成されていることが承認されなければならないようにすること。

・ このような強力な監視と大衆の参加を通じてのみ、われわれはすべての人々のためになる通商政策についての新しい国内的および国際的なコンセンサス(合意)を形成することができる。

敬具

市民の貿易キャンペーン

賛同団体
(略)
タグ:TPP
posted by attaction at 17:12 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月07日

第9回アジア・ヨーロッパ民衆フォーラム(AEPF9:ラオス・ビエンチャン)

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10月16日から19日にラオス・ビエンチャン、第9回アジア・ヨーロッパ民衆フォーラム(AEPF9)が開催されました。アジア・ヨーロッパ民衆フォーラムは毎年、ASEMの開催地で、ASEMの開催時期に合わせて開催されています。今年はラオスでの開催で、アジアとヨーロッパから1000人の市民が集まったようです。以下のプレスリリースと最終宣言を読むと、アジアとヨーロッパの社会運動団体が現在取り組んでいる課題や、活動家の問題意識がよくわかります。

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プレスリリース
アジア・ヨーロッパ民衆フォーラム国際組織委員会
2012年10月、ビエンチャン(ラオス)

原文(英語) http://www.aepf9.info/index.php/en/

10月16日から19日にラオス・ビエンチャンで開催された第9回アジア・ヨーロッパ民衆フォーラム(AEPF9)には、アジアとヨーロッパから1000人の市民が集まった。このフォーラムは「市場の規制緩和や多国籍企業の力の増大を中心にしたシステムではなく、人々の利益を中心とする世界を要求する」ことを目指して開催された。第9回アジア・ヨーロッパ民衆フォーラムは、11月にラオスで開催される第9回ASEM(アジア・ヨーロッパ会合)に参加する政府に対する要求と、われわれの発展戦略に焦点を当てた。

AEPF9は以下の4つの主要なテーマを取り上げた。

+ 普遍的な社会的保護と基本的サービスへのアクセス
+ 食糧主権と持続可能な土地と自然資源の管理
+ 持続可能なエネルギーの生産と利用
+ 公正な労働と持続可能な生活条件

AEPF9に先立って、私たちは南アジアと東南アジアで3回にわたって準備のためのワークショップを開催してきた。ラオスでは16の県でコンサルテーション(諮問会合)を行った。それによってラオスの広範な市民社会組織を代表する人々からの意見、希望、構想が集められた。

AEPFはアジアとヨーロッパで人々が経験している著しい不平等、不公正と貧困に鋭い焦点を当てた。しばしば「金融危機」として語られているものは、実際には一連の相互に結合している危機- 食糧、エネルギー、気候、人間の安全、環境の劣化 - の一部であり、それらはすでに生活を壊滅させ、アジア全域で数百万人の人々が日常的に経験し、ヨーロッパにおいても拡大している貧困と社会的排除を結合させている。AEPF9に集まったアジアとヨーロッパの市民の間では、過去数十年にわたって採用されてきた支配的なアプローチ - 市場の規制緩和と、多国籍企業や無責任な国際機関の力の増大と、貿易自由化を基礎としている - がすべての市民のニーズと権利を実現するという点で失敗だったということが共通認識となっている。私たちは少数の金融機関や大企業の利益となる短期的な政策のみを追求する分析や対応を超えて進む必要がある。変革と、新しい、人々の利益を中心とする政策とその実施に対する心の底からのニーズと要求が感じられる。

10月19日に開催された記者会見で、次の発言が行われた。

アンディ・ラザフォード(AEPF国際組織委員会メンバー、英国):「私たちは、根本的な変革のためにビエンチャンに集まった。規制のない市場、不公正な貿易、公共サービスの民営化の強制を特徴とする現在のシステムは大多数の人々に何の恩恵ももたらさず、金融危機や気候変動を引き起こし、複合的な危機をもたらした。貧富の差が拡大し、資源や生活手段や基本的なサービスへのアクセスは依然として著しく不平等である。AEPFは重要な成果と成功を収めた。市民団体、NGO、社会運動を代表する1000人余の人々が参加した。これは、フォーラムに参加した組織の将来の活動に、大きなインスピレーションとなるだろう。フォーラムの最終宣言は本日、ラオス政府に手渡され、第9回ASEM首脳会合(ASEM9)において各国首脳に配布されることが確約された。ASEM9はASEM参加国の政府が、ここに示されている問題に対応するために必要とされている迅速かつ断固たる行動を取るための歴史的機会である」。

メアリー・アン・マナハン(フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウス、フィリピン):「私たちは世界的な水の危機に直面している。水資源に対する圧力や水不足がこれほど深刻になったことはない。 AEPFは、国際金融機関がどのようにして水の危機を利用して、水の略奪を助長し、企業がどのようにして水資源や水道サービスを強奪してきたを明らかにしてきた。一方、タイやメコン川流域諸国における大規模灌漑事業や水力発電は、米作や川での漁業を基盤とした食料安全保障に悪影響を及ぼしてきた。岩盤を水圧で破砕して地中の天然ガスを抽出する新しい技法は、水質汚染のリスクが高い。AEPFは、企業による水資源の略奪に抵抗するために、市民社会が連合を形成することを呼びかける。私たちはアジアとEUの政府に対して、水の問題、特に水の割り当て、分配、管理について人権の観点からのアプローチを支持することを要求する。私たちはまた、人々の利益を中心とする公正で生態学的に持続可能な代替策を促進し、支持するよう要求する。そのような代替策の感動的な例として、タイにおいて、公共の電力および水道サービスが私企業の支配に挑戦し、地域社会、特に先住民や農民の間での伝統的な水管理の方法を奨励している」。

マリアナ・モルタグア(債務監査運動、ポルトガル):「AEPFに集まった社会運動、組織、市民は、現在ヨーロッパで行われている緊縮財政政策、自由化、そして労働者と社会的権利への攻撃が一層の貧困と経済的災禍をもたらすだけであると考える。それは1990年代の危機に見舞われ、構造調整プログラムと、失業、緊縮財政政策、最も貧しい層への増税、不当な債務の負担、民営化、金融規制緩和を強制されたアジア諸国における経験を繰り返すことである。AEPFは各国政府に対して、緊縮財政プログラムを中止し、銀行や市場への債務の支払いを停止し、貿易や金融の自由化と民営化をやめて元に戻すよう要求する。私たちはEU各国の政府がトロイカ(IMF、欧州中央銀行、欧州委員会)との間で交わした覚書や財政条約、および不公正な財政政策を破棄することを供給する。私たちは公共のための予算の資金を調達するために、金融市場によらない新しい方法を必要としている。私たちは雇用を創出し、不安定雇用化を反転させるために公的資金を投資するような公共政策を必要としている。私たちは労働者階級の尊厳を取り戻す」。

バイシャリ・パティル(ジャイタプール反核運動、インド):「AEFPの中で、私たちは『原発と核兵器に反対するアジア・ヨーロッパ・イニシアティブ』を発足させた。福島の事故が起こってしまった後では、原子力プロジェクトが人類と地球に及ぼす危険を誰も否定できない。私たちはアジアとヨーロッパの政府に対して、ドイツ政府がやったように、すべての原子力発電を段階的に廃止するよう訴える。私たちはまた、あらゆる核兵器の廃止を要求する。経済危機が続き、何百万もの人々が依然として貧困と飢餓に苦しみ、生存のために苦闘しているとき、原子力エネルギーと兵器産業のために公的資金を投資しつづけることは絶対に受け入れられない。太陽光や風力のような再生可能エネルギーは、化石燃料や原子力より低コストで、安全で、しかも効率的であることが証明されている。このアジア・ヨーロッパ・イニシアティブは、最初のアクションとして、インド政府が非暴力的な方法で原発建設に抗議している運動と数千人の住民に対して行っている弾圧を非難し、インド政府に圧力をかけることを計画している。私たちはインドへ国会議員の使節団を送り、インドの反核運動や、現在世界最大の原子力発電所の1つが建設中であるジャイタプールなどの現地を訪問することを計画している。私たちはもう1つの福島が起こるのを防ぎたい」。

ソンバト・ソンフォン(国内組織委員会、ラオス):「すぐに行動を起こす必要があり、教育が主要な課題である。私たちの社会、特に金持ちの国は、質素に生き、消費を減らすことを学ばなければならない。私たちは炭素排出量を削減しなければならない。私たちは、民間セクターが自分たちの利潤を増やすことだけを望んでいることを見てきた。私たちは、本当の幸せを得るために、そして私たちの社会が現在のシステムを再生産するだけのために大部分の時間を費やさなくてもよいように、問題の根本原因を解決しなければならない」。

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第9回アジア・ヨーロッパ民衆フォーラム
2012年10月、ビエンチャン(ラオス)
最終宣言


原文(英語)
http://www.aepf.info/aepf9/94-final-declaration-9th-asia-europe-people-s-forum-vientiane-laos

(要約)

2012年10月16-19日、ラオス・ビエンチャンで開催された第9回アジア・ヨーロッパ民衆フォーラム(AEPF9)にアジアとヨーロッパの民衆組織・市民を代表する1000人余の人々が集まった。このフォーラムは「貧困と闘い、持続可能な発展を求める民衆の連帯 - 不公正で不平等な発展に反対し、市民のための市民の国家を建設する」というタイトルの下で開催され、以下の4つの主要なテーマを取り上げた。

+ 普遍的な社会的保護と基本的サービスへのアクセス
+ 食糧主権と持続可能な土地と自然資源の管理
+ 持続可能なエネルギーの生産と利用
+ 公正な労働と持続可能な生活条件

AEPF9において私たちは、活動的な市民として、私たちの国の政府と私たち自身に対して提唱する戦略と勧告を作り上げることに焦点を当てた。AEPFはアジアとヨーロッパの全域で人々が著しい不平等、不公正と貧困を経験している歴史的に重要な時期に開催された。しばしば「金融危機」として語られているものは、実際には一連の相互に結合している危機- 食糧、エネルギー、気候、人間の安全、環境の劣化 - の一部であり、それらはすでに生活を壊滅させ、アジア全域で数百万人の人々が日常的に経験し、ヨーロッパにおいても拡大している貧困と社会的排除を結合させている。貧富の格差は拡大しており、資源、生活手段、基本的サービスへのアクセスは依然として著しく不平等である。ASEM9は、ASEM各国政府がこの問題に対処するために必要な迅速かつ断固とした行動を起こす歴史的な機会である。

AEPF9に集まったアジアとヨーロッパの市民の間では、過去数十年にわたって採用されてきた支配的なアプローチ - 市場の規制緩和と、多国籍企業や無責任な国際機関の力の増大と、貿易自由化を基礎としている - がすべての市民のニーズと権利を実現するという点で失敗だったということが共通認識となっている。私たちは少数の金融機関や大企業の利益となる短期的な政策のみを追求する分析や対応を超えて進む必要がある。変革と、新しい、人々の利益を中心とする政策とその実施に対する心の底からのニーズと要求が感じられる。

貿易の自由化、市場の規制緩和、民営化という政策の失敗にもかかわらず、私たちの政府は依然として、根本的な政策転換を求める多くの人々の共通の意思を無視している。人々のニーズを満たし、地域経済を再活性化するのではなく、数千億ユーロもの資金を銀行や金融機関の救済のために投入した。私たちの政府は、既存の法律、規制、基準、メカニズムに反して、人権、環境、労働者の権利を優先せず、企業の利益を優先してきた。このような企業による支配がもたらした結果は、アジアとヨーロッパの全域で、何百万人もの女性、男性、子供たちの生活に影響をもたらしてきた。エリートたちが貧困、不平等、環境破壊と社会不安の増大のための条件を生み出すような政策を、市民がほとんど、あるいは全くチェックできないところで立案し、実施する中で、民主主義的な責任が空洞化されてきた。

私たちは、ASEM参加国の政府に対して、現在の危機を解決するための、人々の利益を中心とする効果的で責任のある政策を実施するよう要求する。最も優先されなければならないのは、貧しい人々や排除され、周辺化された人々のニーズであり、政府は市民と協力して公正で持続可能な世界につながる政策や、人々に対して責任を負う民主的な機構 - ジェンダーの平等、環境と基本的人権の尊重を基礎とする - を発展させ、実現しなければならない。

AEPFは、貧困と不平等に対して闘い、社会的公正を目指して活動しているアジアとヨーロッパの社会運動の戦略的な市民社会的集まりである。AEPFは、アジアとヨーロッパの全域における民衆の組織や社会的公正のためのネットワークの中での、対話と連帯と行動のための新しい結集場所を設けるという共通の希望に根ざしている。以下の行動の呼びかけは、4日間にわたって開催された多くの活気に満ちたエキサイティングなイベントからの提言を基にしている。

行動の呼びかけ

AEPF9は、ASEMとその参加国政府が、以下の問題や優先的課題を認識し、私たちの提言を進める要求する。

A. 普遍的な社会的保護と基本的サービスへのアクセス

世界的に見ると、社会的保護を利用できるのはわずか20%の人々であり、アジアのほぼすべての国で、この割合はさらに低い。ヨーロッパでは福祉国家と社会契約は各国政府およびEUの諸機関によって系統的に浸食されてきた。社会的保護と基本的サービスへのアクセスは、仕事、十分な食糧、必要不可欠のサービス、社会保障を含む基本的な権利である。国家はこれらの権利を積極的に増進し、保護し、実現する義務がある。

革新的で普遍的な社会的保護のシステムと、オルタナティブ(代替的)な国家的発展戦略を合わせて導入する必要があり、それは自由化、規制緩和、民営化の新自由主義的政策を逆転させ、公正で、民主主義的で、持続可能な、人々の利益を中心とした発展を目指して、国家の主権を回復するような戦略でなければならない。

主要な提言
私たちは、私たちの政府に以下のことを要求する。

1. 社会的保護のシステムのための法律を制定し、予算を確保すること。働く権利(ILOの中核的条約に規定されている)、食糧、基本的サービス、医療、教育、水と衛生、エネルギー、適切な公営住宅へのアクセス、社会保障(高齢者、障がい者の年金、児童手当)、公正な生活賃金。
2. 普遍的な社会的保護のための十分な税収の確保のために、多国籍企業や富裕層、大地主への効果的課税(付加価値税のような逆進税ではなく)、金融取引税の導入、タックスヘイブンの銀行の機密の廃止、不正な債務の帳消しを行うこと。
3. ASEANにおいて、普遍的な社会的保護、すべての基本的な財やサービスの非商品化を含む「社会的アジェンダ」を採択すること。社会的保護は国家の下に置かれ、すべての人々が無償で利用できること。
4. 生活に不可欠な資源、財、サービスの共有制を確立する「国連・人類の共有財憲章」の制定と合意に参加すること。
5. すべての多国間/二国間貿易協定から「TRIPSプラス」条項(特に、公衆の健康と医薬品へのアクセスに直接的な影響を及ぼすデータ独占権と特許権の拡大)を除外すること。
6. 国連・障がい者の権利条約の批准と完全実施。障がい者および障がい者団体の、生活のあらゆる領域への平等な参加と完全なインクルージョン(包摂)。
7. すべての市民が自分たちの意見を述べ、尊重され、重要な決定に参加できるように保証すること。子どもの権利条約などの国際的な法的文書の基本的な順守。
8. すべての人々に良質な基本的教育を保証すること。マージナライズ(周辺化)された人々の子どもや若者への優先措置。
9. 識字と、生涯学習の基盤としての地域の知恵の尊重。
10. 「持続可能な発展のための教育」(ESD)の枠組みの中での良質の、参加型のカリキュラムを保証すること。
11. 持続可能な発展に向けた市民社会団体、政府、民間部門の間の積極的な協力を強化すること。
12. 全国的な開発計画の起草と検討へのすべての市民の参加をサポートすること。
13. 先住民族のための適切な社会的保護メカニズムを促進し、基本的サービスへのアクセスを保証すること。
14. 「企業の社会的責任」から「企業の社会的義務」への転換。「女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」(CEDAW)に基づいて、あらゆる人権侵害に対する予防、保護、訴追、賠償に誠実に取り組むこと。
15. 地域社会、特にマージナライズされているグループ(女性、マイノリティーなど)の身体的健康と社会的福祉のために政策と責任の強化。地域社会が、弾力性のある、公平な、インクルーシブな低炭素社会に向けて発展するために、政府、企業、国際金融機関に責任を負わせることを保証する。
16. 移住者が自分たちのアイデンティティと文化に応じて子どもを育て、地域社会に全面的に参加する権利。
17. すべての国が子供の親権に関するハーグ条約を承認すること。

B.食糧主権と持続可能な土地と自然資源の管理

アジアでは、「開発」の名の下に土地と資源の強奪が加速している。農業や採掘産業における大規模な投資が農村社会や生態系、人権、地域における食糧の安定的確保と食糧主権に多くの悪影響を及ぼしている。

ヨーロッパでは、アグリビジネスの国際競争力のための共通農業政策(CAP)によって、多くの農家が離農を迫られている。EUのバイオエネルギー政策、特に「再生可能エネルギーに関する指令」(RED)は、食糧生産に利用されるべき土地を大規模なモノカルチャー、燃料用作物の生産のための転用している。

銀行、ヘッジファンド、年金基金は金融市場において食品価格を投機の対象としており、その結果、小麦、トウモロコシ、大豆などの主食の激しい価格変動を引き起こしている。

私たちは世界的な水危機に直面している。多くの国では、水危機は国際金融機関(世界銀行、アジア開発銀行)によって利用され、企業や民間企業による水資源やサービスの買収をもたらしてきた。

社会運動の中では、食料主権が工業的農業モデルへの対案として掲げられてきた。食糧主権は、自分たちの食べ物、農業、畜産、漁業のシステムについて、国際市場の力に従属することなく決定する権利を基礎としている。それは全世界の農民、漁民、先住民族、女性、農村の青年、およびその同盟者によって提唱されている。

主要な提言
私たちは、私たちの政府に以下のことを要求する。

1. 土地や資源の強奪に反対し、食糧に対する人権を支持すること。「土地、漁業、森林に関わる所有権・管理権に関する責任ある統治のための自主的ガイドライン」(英国の社会運動団体が2011年10月に国連の「世界の食料安全保障に関する委員会」に提出した公開状)を実施すること。
2. 農民の権利に関する国連での継続的な取り組みを支持すること。
3. 貿易、農業、エネルギー、開発、環境、土地、水に関連する政策において人権を尊重すること。EUは「武器を除くすべて」協定(2001年に採択され、後発開発途上国からの輸入への規制を撤廃した)等の貿易政策がもたらした影響(いくつかの国では何千人もの人々が土地を追われている)について調査するべきである。
4. 「再生可能エネルギーに関する指令」におけるバイオ燃料の目標を削除すること。
5. アジアとヨーロッパにおける食糧主権を支持すること(EUの共通農業政策の改革のプロセス等を通じて)。
6. 小規模な生産者、農村女性、先住民のニーズに焦点を当てた進歩的、公的な農村開発戦略に投資すること。この戦略では人々の土地、水へのアクセスと、生物多様性を保護し、尊重すること。
7. 先住民族の集団的な生存と発展のための物質的、経済的、社会的、文化的基盤として、先住民族の土地、居住地域、資源に対する権利を尊重すること。これは開発プロジェクトに関わる意思決定における先住民族の完全かつ実効的な参加を含む。先住民族の、質素で炭素排出量が少ないライフスタイル、伝統的知識、伝来の技術、革新的な生産方法を通じた持続可能発展への貢献について理解すること。
8. 緊急の課題として、銀行や金融市場のトレーダーによる食糧投機を規制すること。すべての先物取引が規制された方法で決済されることを保証する法律を制定すること。銀行や大手業者による取引量に制限を設けること。

C 持続可能なエネルギーの生産と利用

過剰生産と消費を特徴とする現在の開発パラダイムは、経済と地球を救うために必要な長期的な解決策と相容れない。政府は気候の危機を低炭素社会への移行を始める機会として認識するべきである。

エネルギーへのアクセスは特権ではなく、基本的権利である。人々はエネルギー政策に対して発言権を持っている必要がある。水力発電ダムをめぐる多くの事例は、エネルギー問題の原因と解決策に関する合意の欠如を示している。

グリーン経済の下で、環境資源 - 共有財産 - 市場システムに組み込む新しい開発アプローチが提唱されている。しかし、そのようなアプローチは、真に持続可能な生活スタイルへの移行や、小規模農家、森林コミュニティの自立を妨げ、また、工業国における低炭素社会への移行を遅らせるだろう。また、グリーン経済の下で提案されている新しい技術(特に、遺伝子組み換え作物、ナノテクノロジー、バイオ燃料、ジオエンジニアリングなど)は安全が証明されておらず、主要に大企業に利益をもたらす。

特に、国際的な気候変動対策として確立された「排出権」市場は、環境上および社会的な利益がない、あるいは地域社会に有害であるようなプロジェクトの促進につながっている。また、国際的な気候変動対策は、多くの偽りの解決策をもたらしている。

国連は「先住民族の権利に関する国連宣言」(UNDRIPS)を採択しているが、「森林減少および森林劣化からの排出量の削減(REDD)に関する国連共同プログラム」はUNDRIPSに準拠するべきである。REDDプロジェクトには多くの未解決の問題があるだけでなく、プロジェクト実施地域における軍事化の傾向が見られる。多くの先住民族はREDDを拒否している。REDDはまた、気候変動への対策として効果がない。

廃棄物の生成は個人や企業による不適切な資源利用や廃棄の結果であるだけでなく、政府の政策の不適切さの結果でもある。再利用、リサイクルできない汚染物の生産や販売を禁止する必要がある。

主要な提言
私たちは、私たちの政府に以下のことを要求する。

1. EUは気候変動を緩和する責任を果たすために、貧困国にエコロジカル債務を支払い、発展のスペースの公平な配分を実現するべきである。そのために再生可能エネルギーを基礎とする持続可能なエネルギー・システムへの大規模な移行を実現する必要がある。
2. 継続的な拡大と自然の収奪を指向する生産と消費のシステムから、より持続可能で環境と親和的なシステムへ移行すること。
3. 代替的なエネルギー政策について人々が参加し、議論できる政治的環境を保証すること。影響を受ける地域社会の懸念やニーズを反映したエネルギー開発・生産のための参加型プロセスを作り出すこと。
4. 再生可能エネルギーを促進するための効果的で、社会的に公平かつ公正な政策を作成し、実施すること。特に、分散型のシステム、十分なエネルギーにアクセスできない地域の解消、エネルギー効率の改善。
5. 緊急に、原子力から解放された世界に向かって進むことを確約すること。既存の原子力発電所の廃炉、計画中の原子力発電所の開発中止、代替的エネルギーの利用の促進。
6. 小規模な発電設備を奨励し、コミュニティ・ベースのエネルギー・システムを強化するための野心的で真剣な案を検討すること。
7. 自然の共有財産の管理に対する人権の観点からのアプローチを支持すること。特に、水は人権であり、私有財産や商品や取引可能な経済財や単なる生産要素ではないことを明記した国連決議を支持すること。
8. 廃棄物を減らし、非生分解性プラスチックを段階的になくし、廃棄物を削減、再利用、再循環させるためのインフラや仕組みを確立するための全国的計画を立案し、実施すること。効果的で持続可能な廃棄物処理政策に違反する企業等に罰則を適用すること。
9. 森林地域の人々および地域社会が持続可能な方法で森林資源を使用し、管理する権利を承認すること。これはグローバルな森林/二酸化炭素削減スキームにもとづくいかなる開発または保全計画の検討にも優先されなければならない。

D.公正な労働と持続可能な生活条件

アジアとヨーロッパの両方で、労働と雇用の形態をめぐる劇的な変化が起こっている。地域による違いはあるが、多くの共通の特徴もある。アジアでもヨーロッパでも国境を越えた移動が増加している(人身売買の危険を伴っている)。雇用と安定した所得と持続可能な生活という希望は実現されていない。労働組合と団体交渉の権利が侵食されている。FTA(自由貿易協定)は労働者の権利と社会的保護の一層の解体につながっている。

アジアで支配的であったインフォーマル・セクターや臨時雇用、契約労働がヨーロッパにも広がっている。底辺に向けた競争が加速化している。多くの国の公共部門におけるコスト削減は雇用と基本的な社会サービスの低下につながっている。同時に賃金、所得、福祉の不平等と格差が拡大している。

労働における公正の概念を拡大し、すべての労働を含める必要があり、女性と男性、ケア労働と産業労働の間の不平等を是正し、地域コミュニティーや移住者の権利を保護する必要がある。連帯の経済、社会的、ジェンダー的、環境的に公正で持続可能な生活を実現するために、新しい組織形態と、異なる経済的な方向を探求する必要がある。

少数の多国籍企業が世界経済の40%を支配している。二国間投資協定や自由貿易協定における投資条項は多国籍企業の自由な行動を保証する機構の一部を成しており、先進工業国と発展途上国の両方において主権と民主的統治と人々の利益を脅かしている。

観光は巨大産業であり、グローバリゼーションの重要な牽引力である。観光産業の成長に伴い、地域社会の社会的、経済的、政治的、文化的権利がしばしば(特に貧困層や社会的弱者のコミュニティにおいて)の無視され、侵害されている。

労働組合、コミュニティー組織、社会運動、NGOは新しい連合を発展させることができ、種々の問題に関与し、異なる国や異なるセクターを結びつけることができる。社会運動と労働者の組織は、公正な労働条件と持続可能な生活と普遍的な社会的保護の実現を可能にするASEAN社会憲章を確立するために政府に働きかける必要がある。

主要な提言
私たちは、私たちの政府に以下のことを要求する。

1. ILOの家事労働者、移民労働者に関する条約や、団体交渉、コア労働基準(CLS)に関する条約を批准し(未批准の場合)、それに対応する国内法を制定し、実施すること。
2. 国籍や法的地位に関わりなく、すべての労働者が労働基本権、団結権、団体交渉権を保証されるようにすること。
3. 2006年9月にポツダムで開催されたASEM労働相会合で合意された約束、とくに一部の国における労働者の権利、団結権、団体交渉権、労働組合権の浸食との関連での約束を完全に実施すること。
4. アジアとヨーロッパのすべての国において、最低賃金や累進課税などの所得再分配政策を実施すること。
5. 生産と社会的再生産の間の不均衡に対処すること。ジェンダー平等のための政策は、労働市場と、無給のケア労働の両方をカバーする必要がある。社会的サービスの民営化をやめ、逆転させること。有給および無給のケア労働と社会的再生産の労働を、生産的で価値のある労働として認識すること。
6. 人々の利益を企業の利潤や強欲よりも優先させること。新しい投資協定の交渉を中止し、既存の協定を廃棄すること。少なくとも投資家・国家間紛争条項を再交渉し、削除すること。
7. 社会運動団体や労働者の組織と協力して、公正な労働条件と持続可能な生活と普遍的な社会的保護の実現を可能にするASEAN社会憲章を確立すること。
8. ツーリズムや商業、工業に関連する人権侵害について認識し、影響を受けている地域コミュニティーとの連帯を強化する。いかなる開発も人々の強制退去や自然破壊、人権侵害をもたらしてはならない。
9. 移住労働者の権利とディーセント・ワークと福祉を保護するための最低限の条件として、「移住労働者とその家族の権利と福祉のための国連条約」および関連する条約を批准すること。家族や他の関連条約の移住労働者とメンバーの権利の保護と福祉に関する国連条約を批准。市民社会および労働組合との協議に基づいて移住家事労働者の権利を保護すること。
10. 地域における種々の機関において、移住労働者の人権について、国連条約やILO条約、「女性に対するあらゆる形態の差別をなくすための条約」に準拠した基準を設けること。
11. 移住者と移住労働者、特に女性の性と生殖に関わる健康と権利についての進歩的政策を確立すること。
12. 移住者の結婚、国籍、家族、文化、政治参加に関わる権利を保証すること。これは(同化ではなく)自分のアイデンティティと文化に基づいて子どもを育てる権利を含む。
13. デイアスポラ(離散民)のコミュニティーを承認し、尊重し、保護し、そのための予算を伴う政策およびプログラムを実施すること。
14. 移民と難民の犯罪扱いをやめること。
15. アジア・ヨーロッパ規模における移住労働者の問題や他の労働関連の問題に関する法律文書や政策を確立するためのアジア・ヨーロッパ規模の三者(政・労・使)協議の機構を確立すること。
16. 短期または有期の雇用契約の廃止。例外的に必要とされる場合でも、その使用を制限するべきである。
17. 労働力のアウトソーシング(外注化)とあらゆる形態の間接雇用契約を廃止する。
18. CSR(企業の社会的責任)や多国籍企業の行動を監視しているグループなどの人権擁護活動家が、権利を要求している労働者について、アラート(緊急の支援要請)を発行し、企業や政府機関に対して働きかけ、一般大衆の関心を高め、労働者を支援することの重要性を認識すること。
19. 労働組合と人権活動家が貿易協定に労働条件および労働者の権利の保証を含めるように政府に働きかけることの重要性を認識すること。すべてのセクターと関係者の協力のメカニズムを発展させること。
20. 政府およびASEANが投資家と協議し、契約を交わす際には、労働組合が常にその過程に参加できるようにすること。

AEPF9の参加者はまた、平和、安全、人々の連帯が貧困削減と持続可能な発展のための前提条件であることに注意を喚起した。

主要な提言
私たちは、私たちの政府に以下のことを要求する。

1. 暴力的紛争の根本原因(たとえば、マイノリティーを尊重しないこと)に対処することによって平和を促進するための長期的な解決策 - 非暴力的な手段、民衆間の相互交流、国際法や地域内協力による紛争解決を優先する - を発展させること。
2. 安全への脅威に対する国連を通じた多角的、多面的な対処と国際法の原則の遵守。
3. 主権と人権の尊重に基づいて、外交政策や安全保障に関する共通の構想を発展させるために、地域間の紛争解決メカニズムを確立すること。
4. 女性が紛争によって特に被害を受けることと、平和と復興を和解に中心的な役割を果たすことを認識した国連安保理決議第1325号を履行すること。
5. 過激な宗教グループに対処する上で、教育の役割と、あらゆるレベルにおける宗教間の対話を重視すること。
6. 防衛予算、武器輸出、安全保障予算についての情報開示を保証するための国内法を制定すること。
7. 健康や教育のための予算を犠牲にしている軍事支出を削減すること。
8. 核不拡散条約(NPT)を地域間協力の基礎として活用し、核兵器のない世界を目指すとともに、ヨーロッパとアジアの非核化のための措置を講じること。
9. 武器の貿易や拡散を抑制するために責任を負うこと。武器の輸出入を制御するために国連の監視の下の透明かつ拘束力のあるメカニズムを確立し、合意すること。
10. クラスター爆弾禁止条約を支持すること。
11. (EU加盟国は)法的拘束力のある「武器輸出に関するヨーロッパ行動基準」を確立すること、(アジア諸国は)行動規準のための交渉を開始すること。
12. 大量破壊兵器からの生存者を支援し、保護すること。大量破壊兵器や化学兵器を製造する企業に、被害者への補償の責任を負わせること。
13. 紛争終結後の復興の一環として、トラウマの治癒と社会的和解のためのメカニズムを確立し、支援すること。

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2012年11月06日

【IMF/世銀総会】10・14 持たざる者の国際連帯行動〜IMF世銀対抗フォーラムでの発言

novox.png稲垣 豊 ATTAC Japan(首都圏)運営委員

IMFのラガルド専務理事は、10月12日に東京で開催されたのIMF世銀総会の演説で次のように語った。

「危機を抜け成長を取り戻す事、なかでも失業率問題という厳しい問題を解決する事が最優先課題であることは明らかです。・・・成長なしでは、世界経済の未来は危ういのです。おそらくこれまでに蓄積された多額の公的債務が、最大の障害となるでしょう。先進国・地域の公的債務は、現在平均してGDPの約110%と、第二次世界大戦以来、最高の水準にあります。・・・・・・成長なしでは、公的債務の削減は一段と困難になるということです。そして多額の債務により成長を達成することが困難となります。」

欧州危機の真っ只中の2007年から2011年にはフランス金融資本の代弁者である財務省大臣として、そして2011年7月からは南の諸国やギリシャやポルトガルなどの南欧諸国に対して新自由主義政策を押し付けながら滞りなく債務を取り立てる国際金融機関IMFのトップである専務理事に就任している。

危機の直前の2008年時点で、PIIGSと呼ばれるポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペインの銀行などが抱える民間債務の四分の一近くがラガルドを代弁者とするフランス金融機関の貸付である。それらの民間債務の多くはソブリン危機の混乱のさなかに公的債務に転換された。まるで人ごとのように「第二次世界大戦以来、最高の水準にあります」などとうそぶくラガルドの発言のなんと無責任なことか。

この公的債務については、マルクスは『フランスにおける階級闘争』(1850年)のなかで次のように述べている。

「議会をつうじて支配し、立法していたブルジョアジーの分派にとっては、国家が負債に陥ることは、むしろ直接の利益になった。国庫の赤字、これこそまさに彼らの投機の本来の対象であって、彼らの致富の主源泉であった。毎年度末の新しい赤字、四年か五年たつごとに新しい借款、そうして新しい借款のたびごとに、人工的に破産のせとぎわにおかれた国家から、金融貴族が詐取する新しい機会があたえられた。・・・・・・このようにして国家の手を通じて流れでた巨額の金は、詐欺的な納品契約や賄賂や公金私消やあらゆる種類の詐欺行為の機会をあたえた。国債をつうじて大規模に行われた国家からの詐取は、いろいろな国営事業で小規模にくりかえされた。議会と政府とのあいだの関係は、そのまま個々の官庁と個々の企業化の関係として、いく層倍の数にもなってあらわれたのである。」

マルクスの時代と比較にならないほどグローバルに金融化が進んだ現代資本主義は「あらゆる種類の詐欺行為」によって維持されているといっても過言ではない。

ラガルドはおなじ演説の中でこのようにも述べている。

「今重要なのは、熟慮ではなく必要とわかっている政策を実行へ移すこと、そしてあらゆる面で連携することです。プレーヤーは様々ですが、これは一つのゲームであり、ますます複雑化しているものの、それぞれのポジティブな努力を集積し得るゲームです。」

1986年、フランスをはじめとする帝国主義金融資本によって徹底的に貧困化・暴力化されたアフリカ・ブルキナファソの若き大統領、トーマス・サンカラは、1986年にエチオピアのアジス・アベバで開かれたアフリカ統一機構で次のように演説をしている。

「債務を支払うことはできない。まず、もし私たちが支払わなくても、金貸したちは決してそのせいで死ぬことはない。しかし一方、もし支払えば、ほとんど確実に私たちは死ぬ。(中略)私たちを債務漬けにした連中は、まるでカジノにでもいるように賭けをしたのだ。彼らが勝っている間は何の問題もない。いまや彼らはギャンブルに負けたので、私たちに返済を要求している。彼らは賭けをし、負けて損をした。それがゲームのルールだ。(中略)もし、ブルキナファソが債務支払を拒否する唯一の国だったら、私は次の会議の時にはいないだろう。」(『世界の貧困をなくすための50の質問』エリック・トゥーサン、ダミアン・ミレー著/大倉純子 訳/つげ書房新社161〜162ページより)。

ラガルドがサンカラのこの演説を念頭においていたとは思えないが、サンカラの思想はラガルドが代表するフランスをはじめとする国際金融資本の思想と真正面から対立している。

「私は次の会議の時にはいないだろう」というサンカラの不吉な予言は現実のものとなってしまう。翌1987年10月15日、サンカラはフランスに支援された軍人コンパオレのクーデターによって37歳の若さで殺害される。コンパオレはその後現在に至るまで国家元首として同国に君臨している。2008年6月に横浜で開催されたアフリカ支援会議(TICAD4)にも大統領として参加しており、2010年には再々当選を果たしていることから、来年開催予定のTICAD5にも参加するだろう。

外務省の説明によると、「1987年の軍事クーデター以降、世銀・IMF等からの支援も開始され、1991年に最初の構造調整計画が開始。以降、政府は財政不均衡や国際収支の是正、民間部門の強化等各種政策を実施。・・・・・・2000年にはサブサハラで2番目にPRSP(貧困削減戦略文書)を策定。ブルキナファソによる経済改革、民主化努力は、世銀、IMF等を含む諸パートナーからも高く評価されている」とある。

ブルキナファソは90年から綿花部門、通信部門の民営化とリストラ、電気・石油部門の民間開放、水道事業や交通網の整備などを通じてフランスをはじめとする多国籍資本やIMF・世銀の政策を忠実に実施してきたことから「高く評価されている」のだ。

2002年4月ブルキナファソは、G7諸国がつくった債務帳消しスキームである重債務貧困国(HIPC)イニチアチブの完了点に到達して債務削減を受けている。だが完了点に達するには債務を作り出してきた構造調整政策を実施しなければならない。そもそも債務のなかで返せるあてのないものだけを「削減対象」として削減するのがこのHIPCイニシアチブである。貸した側の都合だけで削減対象とそのための条件が決められるという貧困削減とは何の関係もないマヤカシの債務削減にすぎない。

世銀のレポートでも「ブルキナが教育に関するミレニアム開発目標を達成できる可能性は低いでしょう。」「2004年には約2万2000人の生徒が中等学校への進学を望んでいましたが、全員を受け入れることはできませんでした。」「子供の5人に2人は栄養不良で、学校教育を受けていません。この国の社会福祉指標は依然としてサブサハラ・アフリカの平均を下回り、人間開発指標では、最下位近くに位置しています。」

「債務を払うことはできない!」と喝破し、「公共部門の拡大、公共支出・投資の拡大など」(日本外務省)を実施してきたサンカラをクーデターによって殺害し、フランスや多国籍企業、IMF・世銀をはじめとする多国籍資本のための国づくり20年以上も進めてきた政治経済体制の現実がこれだ。

最後に、今日の議論が今後の反グローバリゼーション運動の発展ということにひきつけて、先ほど紹介したマルクスは『フランスにおける階級闘争』の一節の紹介で締めたい。

「公的信用も私的信用も、当然動揺していた。……私的信用は麻痺し、流通ははばまれ、生産は停止していた。革命的危機は商業恐慌をたかめた。……プロレタリアートの反乱、それはブルジョア的信用の廃止である。なぜなら、それはブルジョア的生産とその生産の秩序の廃止だからだ。公的信用と私的信用とは、革命の強度を測定しうる経済上の寒暖計である。信用の目もりが下がるにつれて、それと同じ割合で革命と創造力はたかまる。」

金融危機と公的/私的信用の空前の動揺のなかで開かれたIMF・世銀総会だが、それに代わりうる対抗勢力の衰退のおかげで、現在の秩序は維持されている。しかしマルクスがいうところの変革の「創造力」の復活に、困難な中でも地道に取り組んでいくことが、今後の反グローバリゼーション運動、オルタグローバリゼーション運動の課題の一つだといえる。

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【IMF/世銀総会】10・13 No!No!No!No! IMF Partyでの発言

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稲垣 豊 ATTAC Japan(首都圏)運営委員
10/13 カフェ・ラバンデリア:No! No! No! No! IMF Partyでの発言

◎ 戦後資本主義を支えてきた2大国際金融機関

IMF/世銀は1945年に設立されたことでわかるように、金融危機やファシズムという資本主義自らが生み出した大混乱の極限であった第二次世界大戦が終わった資本主義体制を支えるために設立されたものと考えるべきです。「金融危機におけるIMF政策の失敗」とか「貧困削減プログラムにおける世銀の失敗」という考え方は、では「IMF/世銀に対して、正しいあるいは成功する政策をせよ」ということにしかなりません。国際規模で活動する資本主義が必然的にもたらす歪みや危機を先延ばしし、それでも危機が発生した場合は、いかに資本主義大国の利害に沿った解決を図るのか、ということがIMF/世銀の役目なのです。事実、世界銀行の融資は、冷戦の時代には親米反ソというイデオロギーが支配しており、反共・反ソ・反社会主義であればどんな独裁政権でも支援してきたのです。

そう考えると、独裁者への融資や、途上国に金を貸して危機になったらすぐに資金を回収するために押し付けてきた構造調整政策が「失敗」などではなく、IMF/世銀を支配するアメリカ、イギリス、日本、ドイツ、フランスという資本主義大国の利害をなによりも反映した政策だといえるでしょう。グローバル資本主義の変化(戦後復興、高度成長、国際化、途上国債務危機、ソ連東欧崩壊、経済の金融化、先進国バブルとその崩壊…)に伴ってIMF/世銀の役割も変化してきたといえます。

◎ 誰が誰に借りがあるのか?

「世界経済の安定化のため」や「貧困削減のため」などと言っても、これまでIMF/世銀体制の犠牲になってきたラテンアメリカやアフリカの人々は、「そんなことは大ウソでしょ」ということはわかっています。これは数字でも明らかにされています。1970年代に700億ドルだった第三世界の債務残高は2007年には3兆3600億ドルになり、1980年代から2007年まで第三世界諸国は70年代の102倍に当たる7兆1500億ドルを返済したにもかかわらず債務は48倍になっています。

1980年代に途上国の債務危機が表面化してきましたが、1985年から2007年までの期間、先進国から途上国に流れた資金よりも、途上国から先進国に流れた資金の方が7590億ドルも多いのです。世銀は戦後の欧州経済復興を目的に設立されましたが、それとほぼ同時にアメリカが行った欧州復興支援の「マーシャルプラン」は総額1000億ドルでした。その7倍以上もの金が、1985年から2007年の間に途上国から先進国に流れたのです。

途上国では借りた金はもうとっくに返済しているにもかかわらず、一向に債務は減らず、経済状況や人々の生活だけが苦しくなっているのです。これまで、このような状況は「途上国債務」の問題として語られてきましたが、いまや危機は欧州にまで拡大しているのです。

◎ ニジェールの貧困が解決しない理由はラガルド、お前だ!

いま資本主義の危機が一番目立っているのは外でもないIMFのラガルド専務理事のお膝元の欧州ですね。2010年のギリシャ危機から始まった欧州経済危機はいまだに収束の気配を見せていません。世界の金融屋は、ギリシャやスペインでのデフォルトの噂などに一喜一憂しつつ、「ちゃんと借金を払え!」と緊縮財政を押し付けています。しかしギリシャ、スペイン、ポルトガルなどの人々は「これは金融危機ではなく金融詐欺だ、私たちの危機ではなく資本主義の危機だ」と主張し、押し付けられる緊縮財政や債務の支払いに対して強い批判を持っています。

さて、そのラガルドですが、ギリシャの人々から緊縮政策への批判が出ているがどう思うかと新聞のインタビューで聞かれてこう答えています。「三人で一つのイスを分かち合い、教育を得ようと切実に熱望しつつも、日に一時間しか教育を受けていないニジェールの小さな村の子どもたちのことの方をもっと考えています」。ニジェールはウランを産出しており、フランス企業も現地で活動しています。原発大国フランスとフランスの原子力産業にとってニジェールは重要だということは置くとしても、IMFトップのラガルドがニジェールの貧困を持ち出したことには改めて怒りを覚えます。

ニジェールは、1996年7月からIMFの構造調整政策を実施している国で、いまだに40歳以下でなくなる人が25%もいる最貧国のひとつです。つまり、20年近くもIMFの構造調整政策を実施してきたにもかかわらず、貧困は一向になくならず、「三人で一つのイスを分かち合い、教育を得ようと切実に熱望しつつも、日に一時間しか教育を受けていないニジェールの小さな村の子どもたち」がいるのです。子どもたちのイスと教育の機会を奪ったのは、他でもないIMFの構造調整政策ではないですか。

※参考:年内に出版予定の『世界銀行:終わりなきクーデータ』(仮題/エリック・トゥーサン著)の第21章「構造調整とワシントン・コンセンサス−これらはすでに過去のものか?」に構造調整を実施したニジェールにおける抵抗闘争が記されているので紹介しておきます。
「2004年12月のママドゥ・タンジャ大統領再選直後から、待ったなしでIMF指導による法改正が行われ、05年1月には基本的物資・サービス(小麦、砂糖、ミルク、水、電気)の消費税が19%へと引き上げられ、大規模な抵抗運動が起こった。3月には、すでに何年にもわたる不作(旱魃と砂漠イナゴの害)や構造調整政策(民営化、社会支出予算削減、公務員のレイ・オフや賃金凍結などな)で貧窮していた人々が街頭で不満を爆発させた。三つの消費者団体が、29の組織と4つの労働組合連合をまとめ上げ、『生活費高騰反対同盟』という巨大な統一戦線を作り上げるのに成功した。数日にわたる『死の町』抗議行動と無差別逮捕の後、政府の政策を撤回させるのに成功した。19%の消費税はミルクと小麦粉には適用されず、水と電気に関しては大口利用の場合にのみ適用されることになった。砂糖に対する消費税だけは、IMFに対する民衆の激しい闘争にも関わらず、ニジェール当局によって忠実に実施された。」


◎ ギリシャ危機に責任があるのはラガルド、お前だ!

同じ新聞のインタビューでラガルドはこうも答えています。「アテネ(ギリシャ)に関する限り、終始税金を逃れようとする人々すべてについて考えている」と。また失業者が増えているという事態に対しては、ちゃんと税金を払って、それで雇用対策を考えるべきだという旨の発言をしています。ギリシャで一番の税金逃れはギリシャ正教会や国際海運会社(ギリシャでは国際海運税制に優遇措置がある)などです。それに引き替え普通の人々は所得税や消費税など税逃れが難しいわけです。

それだけではありません。ギリシャ危機の直前の2008年時点で、ギリシャをはじめ、PIIGSと呼ばれる国々(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペイン)に貸し付けられた資金の四分の一近くがフランスの金融機関からの貸付でした。オリンピックなどでバブルが続いていたギリシャは儲かる、とおもって貸し付けたんですね。しかしバブルは国の粉飾財政がばれて、あえなく破綻します。

ラガルドは、2007年から2011年には、フランス金融資本の代弁者である財務省大臣を務めてきました。そして2011年7月にはIMFの専務理事に就任しています。つまり、ラガルドは、ギリシャ危機の原因でもある多額の貸付を行ってきたフランス金融機関をつかさどる金融行政のトップとして危機の直前に財務大臣に就任し、危機ぼっ発後すぐにIMF専務理事に就任して、借金の回収に乗り出したというわけです。

◎ 税金を払っていないのはラガルド、おまえだ!

「目玉でも肝臓でも売って金をつくってこい!」とやくざの借金取り立て屋は言いますが、ラガルドも同じようなことをギリシャの人々に言っているのです。IMFやEUなどによる緊急融資の条件としてギリシャに押し付けられた緊縮策は公共サービス補助金削減、2015年までに15万人の公務員解雇、最低賃金22%引き下げ、労働法制改悪、空港・港湾・鉄道、エネルギー事業、観光業の民営化等々です。そのどれもが人々の労働者の権利や生活レベルを大幅に引き下げる政策です。

ラガルドはギリシャ人に対して「税金を払ってない」と批判します。しかしみなさん、ご存じでしょうか。ラガルドは、IMF専務理事という国際公務員であり、所得税や関税がかかりません。彼女の年収ですが、給与が32万ユーロ、特別手当5万7千ユーロで、日本円にして合計約3800万円の年収に所得税はかからないのです。

昨日(10月12日)、EUにノーベル平和賞を授与するという報道がありました。これには怒りを通り越してあきれるばかりです。EUは、IMFやECB(欧州中央銀行)とともに緊縮財政を押し付ける「トロイカ」としてギリシャの人々から強く批判されています。attacフランスはEUへのノーベル平和賞授与に対して、「ギリシア、スペイン、ポルトガルにおいて数百万の民衆が2年間にわたって、社会的権利の破壊に抗議しつづけている。EU、IMF、ECBのトロイカに反対してきた」とし、EUと緊縮財政の新自由主義政策に抗議した人々への警察による弾圧を非難しています。

◎ 世界で見捨てられてきたすべての人々のために

今日、世界中で呼びかけられたグローバルノイズは、「危機は詐欺だ!借金は返さない!」というスローガンでデモを呼びかけています。これまで途上国債務問題に取り組み、先進国の押し付ける債務は不当であり支払う義務はないという主張をしてきた社会運動が、いまギリシャやスペインをはじめ、金融危機と緊縮財政に怒る人々とともに運動をはじめています。この運動は欧州だけでなく、債務帳消しを実施したラテンアメリカのエクアドル、あるいはアラブの春の発端となったベンアリ独裁体制を打倒したチュニジアの民衆たちとのネットワークのなかで広がりつつあります。これまで、国際政治からは無視され見捨てられてきた人々の声がいま世界中に響きわたろうとしています。

水谷橋公園からのデモの説明の際に、発言の中でトーマス・サンカラという、債務支払い拒否を主張したことで暗殺されたブルキナファソ大統領のことを紹介しました。時間がなくて紹介できませんでしたので、ここで彼の演説の一部を紹介して僕からの発言を終わりたいと思います。

「わたしは、世界の片隅で、もがき苦しんでいる、すべての人々を代表して語りたい。」
「男性によって作り上げられた、システムによって苦しんでいる、すべての女性を代表して、わたしは語りたい。」
「マラリヤや下痢といった簡単に救う方法があるにもかかわらず、貧しさや、知識の不足から、子どもたちが死んでいくのを目の当たりにしている、すべての母親たちのために、わたしは語りたい。」
「お金持ちの人々のショールームの武装された警備で守られている厚いガラス窓を、いつも、お腹を空かせて見ている貧しい子どもたちのために、わたしは語りたい。」
「死の商人たちが独占している最新の科学技術、それをじっと見つめる不安げな病人たちに代わって、わたしは打ち震えるのだ。」
「そしてわたしは、自然破壊の犠牲となったすべての人々、飢餓という恐ろしい武器によって死に至っている年間3000万人の人々に思いを馳せている。」
「世界中の国際会議で発言しようとしているすべての人々、彼らの声が届くように、そして真剣に問題を取り組むために、わたしはここに立ち上がる。」
「建前上はみな平等の権利をもって会議に臨んでいるとしても、実際の決定権を握っているのはごく少数の人々だけである。」
「だからこそわたしは、世界中の国際会議で発言しようとしているすべての人々の声が届くように、代弁者となろう。」
「そう、わたしは世界で見捨てられているすべての人々のために語りたい。」
「なぜなら、わたしは人間であり、人間である限り、わたしと無関係ではないのだから」

(トーマス・サンカラ:1984年10月にニューヨークで行われた第39回国連総会での演説)

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【IMF/世銀総会】IMF世界銀行による経済支配はもうたくさんだ!10・13デモ前のアピール

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稲垣 豊ATTAC Japan(首都圏)運営委員


◆ アラブの春から逃げ出したIMF世銀

昨日、IMF総会に集まったG8諸国、産油国があつまって「ドービル・パートナーシップ会合」なるものが開かれました。昨年来のアラブの春を支援する会議と言われています。この会合はアラブの春の地域に対して、「開かれた経済」「包摂的成長」などという経済政策を実施するために開かれています。それは私たちの言葉でいえば「新自由主義」に他なりません。ご存じのように本来はエジプトで開催の予定が、昨年2月のチュニジア・ベンアリ体制の打倒からエジプトのムバラク体制の打倒によって、IMF世銀総会が開けなくなり、急きょ日本での開催が決まったわけです。

「アラブの春」と呼ばれる民主主義革命の前に、IMF世銀は登場することができなかったということです。IMF世銀は、独裁と新自由主義にまみれた政権を打倒して民主主義の実現のために奮闘している人々のまえで、正々堂々と総会を開けばいいのではないでしょうか。しかしこの両機関は民主主義をもとめる人々の前から逃げ出したのです。このことがIMF世銀が民主主義とはほど遠い組織であるということを物語っているのではないでしょうか。

◆ 独裁体制を支えてきた世銀の「支援」

IMFや世銀は「緊急支援」「貧困削減」の国際組織だと自称しています。しかし実際には1945年に設立されてから現在まで、一貫して戦後資本主義システムを支える二大国際金融機関として運営されてきたのです。

たとえば、世界銀行が「支援」した国々を振り返ってみると、1953年にはイラン・シャー(国王)独裁体制、1957年にはグアテマラ軍事政権、ハイチのデュバリエ独裁政権、1961年には韓国の朴正煕(パク・チョンヒ)政権、1964年にはブラジル軍事独裁政権、1965年にはコンゴのモブツ政権とインドネシアのスハルト政権、1966年にはタイの軍事政権、1971年にはウガンダ・アミン政権とボリビアのウゴ・バンセル将軍の軍事政権、1972年 フィリピンのフェルディナンド・マルコス政権、1973年チリのアウグスト・ピノチェトとルワンダのハビャリマナ政権、1976年 アルゼンチンの軍事政権、1978年にはケニアのアラップ・モイ政権とパキスタンの独裁政権、1979年にクーデターを行ったサダム・フセイン政権、1980年トルコの軍事独裁政権などなど、自由と民主主義と経済的平等を求める人々を抑圧、弾圧しつづけた軍事独裁政権の「開発」を一貫して支援してきたのです。ニカラグアのソモサ政権、ルーマニアのチャウシェスク政権、中国の一党独裁体制、チャドのデビ政権、チュニジアのベン・アリ、エジプトのムバラク、パキスタンのムシャラフ、スペインのフランコ将軍、ポルトガルのサラザール将軍などなど、世銀の「支援」の歴史は、欧米資本主義体制を支えてきた各国の独裁政権によって苦しめられてきた民衆の血の絨毯によっておおわれています。

一方、欧米資本主義体制と距離を保つ、あるいは敵対的だった政権には世銀は融資を停止するなどの敵対行為を取ってきました。グアテマラのアルベンス政権、ニカラグアのサンディニスタ政権、チリのアジェンデ政権などです。
世銀の融資は、アメリカを中心とする戦後資本主義体制への極端な偏重があります。

◆ 日米安保・原発を推進した自民党政権も支援

このような歴史をもつ世界銀行が「貧困削減」などと言っても、さんざん苦しめられてきたラテンアメリカやアフリカの人々にとっては冗談も休み休み言え、ということだと思います。東京総会をまえに世銀や日本政府は盛んに、「世銀は、新幹線や高速道路の建設など日本の高度成長寄与した」と宣伝しています。わたしは前述の独裁政権に、日米安保や原発などを推進してきた歴代の自民党政権も付け加えるべきだと思います。

さて、その日本政府ですが、現在は民主党政権ですが、総会では財務大臣がホストになるわけですが、昨日、城島こうりき財務大臣が開会の演説で三つの約束をしました。

◆ 日本や世銀のミャンマー「支援」は金もうけのため

一つ目の約束は、ビルマ/ミャンマーに対する新たな支援を本格化するということです。ビルマは日本が最大の「支援国」。これはアメリカが「ミャンマーでは民主化が進められてい」という判断を下して経済制裁を解除するという決定を受けたものです。多国籍企業、日本政府、世界銀行などがこれからどんどんビルマに進出していくことになるでしょう。ビルマでは数日前に「第二回アジア商業的農業会議」という国際会議が開かれています。人口の7割が農業人口のビルマで、企業が農業にどんどん進出できるようにすることを目的とした国際会議です。この会議の会場の前では商業的農業や企業による農地収奪に反対するビルマ農民たちが座り込みの抗議を行っています。このような状況のさなかに日本政府はビルマへの「支援」を国際的に約束したのです。「支援」を通じて私たちの税金がビルマの農民の人々を苦しめることにつながりはしないかという懸念があります。これにSTOPをかけるのは私たち日本の運動の役割です。

◆ 「防災」能力を奪ってきた国際金融機関の債務

日本政府の二つ目の約束は「防災」です。これも非常にふざけた話です。2004年末インドネシア・スマトラ沖地震による津波、2010年ハイチ大地震、パキスタン・インダス川洪水、そして東日本大震災大津波など、巨大な自然災害が続いています。自然災害が貧困削減の効果を台無しにするから防災が重要だ、という論理です。しかし、そもそもインドネシアやハイチ、パキスタンなどが防災計画を実施するための力を失ってきた理由の一つが、他でもない世界銀行やIMF、アジア開発銀行、G8諸国などへの借金返済によるものなのです。公共サービスをはじめ人々の生活にとって欠かすことのできない各種インフラを民営化し、人々のアクセス権を実質的に奪い、貧困を拡大してきたIMF世銀、そしてそれを支配するアメリカ、日本、イギリス、フランス、ドイツなど資本主義大国は、今度は「防災」で金儲けを企んでいるのです。

◆ アフリカ:IMF世銀の優等生はクーデータ独裁者

三つ目の約束は「アフリカ支援」です。五年に一度、日本政府は「アフリカ開発会議」を開催し、アフリカ各国の首脳を招いています。来年が5回目の開催の年に当たります。アフリカも資本主義諸国がおしつける貧困や債務に苦しめられてきた地域です。1986年、「もうたくさんだ!こんな債務は払わない!」と主張したブルキナファソの若き大統領がいました。トーマス・サンカラという人です。彼はその時まだ36歳でした。彼はアフリカ統一機構でこう演説しています。

「債務を支払うことはできない。まず、もし私たちが支払わなくても、金貸したちは決してそのせいで死ぬことはない。しかし一方、もし支払えば、ほとんど確実に私たちは死ぬのだ。(中略)私たちを債務漬けにした連中は、まるでカジノにでもいるように賭けをしたのだ。彼らが勝っている間は何の問題もない。いまや彼らはギャンブルに負けたので、私たちに返済を要求している。そして危機のうわさが出始める。彼らは賭けをし、負けて損をした。それがゲームのルールだ。もし、ブルキナファソが債務支払を拒否する唯一の国だったら、私は次の会議の時にはいないだろう。」

翌87年、サンカラはフランスをはじめ多国籍金融機関に支援された軍人コンパオレに暗殺されてしまいます。そのコンパオレは、それから現在までずっとブルキナファソの大統領の座にあります。2008年のアフリカ開発会議にも参加しました。2010年に大統領に再々当選したので、来年も来るでしょう。

このコンパオレが支配するブルキナファソについて、日本の外務省のウェブサイトではこう評価しています。

「2000年にはサブサハラで2番目にPRSP(貧困削減戦略文書)を策定。ブルキナファソによる経済改革、民主化努力は、世銀、IMF等を含む諸パートナーからも高く評価されている」

ひどい!としか言いようがありません。日本政府の三つの約束だけを見てもこうです。総会で議論されることはもっとひどいでしょう。今日は怒りを込めて、そして世界の人々とのグローバルにつながりながら、総会会場周辺を元気にデモをしたいと思います。

◆ WSF2013(チュニジア)参加を!

最後に、そのアフリカでも「債務は払わない!」という運動がふたたびはじまっています。冒頭に紹介したアラブの春がはじまったチュニジア、エジプトは、独裁政権の時代は「IMF世銀の優等生」と言われてきたとおり、多額の債務があります。独裁政権が打倒されましたが債務は残っています。しかし独裁者と多国籍金融機関が作り出した債務を民衆が返す必要はない、という運動が始まっています。

南米のエクアドルではコレア大統領のもとで、歴代の腐敗政権がつくりだした「不当な債務」に対する市民監査を実施し、この債務は返済する必要がないと断定し、2008年に一部債務の支払いを拒否しました。チュニジアの不当債務監査の運動に対して、エクアドル政府が協力を申し出ています。そしてエジプトの隣国、チュニジアでは2013年3月に世界社会フォーラムが予定されています。日本政府、IMF・世銀、G7諸国など、金貸し諸国のいう「支援」ではなく、貧困も搾取も戦争もないもう一つの世界を求める人々と、本当のパートナーシップをつくるために、日本の社会運動、市民運動、労働運動が、チュニジアで行われるWSFにも参加を呼び掛けたいと思います。

posted by attaction at 15:56 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月05日

占拠運動、世界中で「債務ストライキ」を繰り広げる

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グローバル・ヴォイスという、世界中のブロガーをつないで、「今」を伝えるサイトが、占拠運動の新方針「債務との戦い」を特集していましたので、ハロウィーンということもあり(←関係ないけど)訳してみました。

しかし、債務帳消し、支払い拒否、債務監査といった言葉(←反グローバリゼーションの運動の中でも債務問題は決してメジャーではなかった)が、昔からの債務キャンペーナー以外のところで普通に出てくるようになったんですねえ。感無量。

元のサイトは
http://globalvoicesonline.org/2012/10/27/occupy-movement-rallies-for-debt-strike-worldwide/

フランス語、英語、ギリシャ語で紹介されています。

日本語訳全文はこちらから。
占拠運動、世界中で「債務ストライキ」を繰り広げるカネなら返さん

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2012年10月29日

【ATTAC動画NEWS】 SYRIZAユース大会(アテネ)でのエリック・トゥーサン(CADTM)のスピーチ&イタリア・モンティ政権に対する反緊縮策15万人デモ



10月6日に開催された、ギリシャの左翼連合<SIRYZA>ユースフェスティバルでのエリック・トゥーサン(CADTM代表)の力強いスピーチを紹介します。ユース・フェスティバルのスピーカーは次の顔ぶれでした。

・マリシア・マティアス、EU・マシュレク関連委員会副議長、革新政党左翼ブロック所属(ポルトガル)
・リサロ・フェルナンデス、鉱山労働者組合リーダー(アストゥリエス州、スペイン)
・アレクシス・ツィプラス、SYRIZA党首(ギリシャ)
・エリック・トゥーサン、第三世界債務帳消委員会CADTM代表(ベルギー)

★「ギリシャ民衆は資本主義の危機の震源」(動画と英文)
Eric Toussaint: “The Greek people are currently at the epicenter
of the capitalist crisis.”

http://cadtm.org/Eric-Toussaint-The-Greek-people

もともと、スペイン語のスピーチを英語に翻訳したものですが
その英文を翻訳してもらいました。

「今日われわれは資本主義システム最大の危機を世界規模で経験している。
 しかし、資本主義は穏やかな自然死を迎えてはくれないだろう。
 危機は資本主義の代謝作用の一部だ。唯一、民衆の意識ある行動だけが、
 民主的社会主義への道を開くために資本主義を打ち破り、
 新たなよいものへと代えることを可能にする。」

★全文はこちらから http://www.twitlonger.com/show/jqai4e

 + + + + +

ヨーロッパでは先週のイギリスに続いて今週も、イタリア、スペインで、

緊縮政策に対する大規模な抗議行動が取り組まれました。

★「イタリア 各地で大規模な反緊縮デモ」(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121028/k10013069971000.html
「デモに参加した女性は、『私たちには富のある人々の政治ではない新たな政治が必要だ。今、この国に民主主義など存在していない』と訴えていました。イタリアのモンティ首相は、去年11月の就任以来、イタリアの信用不安を抑えるため緊縮策や構造改革に取り組み、国際的に評価されています。しかし国内では、緊縮策の下、増税や年金の削減が続き、市民生活に大きな影響が出ているほか、失業率も10%を超えており、市民の不満が高まっています。」

★「イタリア・モンティ政権に対する反緊縮策、15万人抗議デモの様子」(写真13枚)
No Monti Day in Rome

http://www.demotix.com/news/1555699/no-monti-day-rome#media-1555533
★「イタリア:財政緊縮策に抗議、15万人デモ行進…ローマ」(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20121029k0000m030047000c.html

26日に行われたスペインの反緊縮策デモ(BBC動画ニュース)
★BBC News - Spain austerity: Thousands join new budget cuts protest http://bbc.in/PcgO3x
★RT News(動画と写真)
http://rt.com/news/madrid-austerity-protest-march-396/

posted by attaction at 16:00 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月11日

ビルマ(ミャンマー)における土地強奪に反対するグローバル連帯のよびかけ

土地は売り物ではない!
10月10-11日、ビルマ(ミャンマー)
ビルマ(ミャンマー)における土地強奪に反対するグローバル連帯のよびかけ


ジュビリーサウスからの署名要請(10月6日付)です。10月11−12日にビルマ(ミャンマー)のラングーン(ヤンゴン)で「第2回アジア商業的農業」というイベントが開催されます。これはビルマの農業への投資の誘致を目的としたイベントで、各国政府や企業団体の代表が参加します。これに対して、企業による土地強奪と闘っている全国の農民、環境団体等の活動家たちが同10日に会場前にテントを立てて、抗議行動を計画しています。以下は、この行動への連帯のアピールの呼びかけです。ATTAC Japanも賛同しました。

 + + + + +

ビルマにおける現在の改革は、この国における土地強奪をめぐる状況を悪化させている。2000年代半ばから、特に2010年の総選挙に向かう時期に、土地強奪が急増している。軍と政府当局者は、コネのある企業に大規模な土地の使用権を認めてきた。土地強奪に対する農民の抵抗闘争によって、最近では多くの重大な事例が人々の関心を引きつけるようになっている。たとえば、フーコン谷におけるユザナによるキャッサバ・プランテーション[訳注1]、タイ国境に近いタニンダールのダウェイ経済特区、ヤンゴン郊外におけるゼイカバー・グループによる工業地区開発プロジェクト、そして現在のサガイン管区におけるモンユワ銅山の拡張計画[訳注2]などである。2011年までにビルマの200余の企業が合計約200万エーカー(約80万ヘクタール)の土地を私有の農業用地として割り当てられた。主にゴム、パーム油、ジャトロファ[訳注3]、キャッサバ、サトウキビなどの作物の生産用である。

政府は現在、外国資本の土地への投資を奨励するための一連の新しい法律を検討しており、それによって土地強奪は加速するだろう。2つの新しい土地関連法(「農地法」と「無主地、休耕地、未開墾地に関する法律」)は、いわゆる「遊休地」を国内および外国の民間投資家に払い下げるための法的な枠組みを確立した。さらに、検討の最終段階にある経済特区法と外国投資法は、ASEANとADB(アジア開発銀行)の地域産業基盤開発計画と共に、土地強奪のための新たな誘因と推進力を与え、地域社会が自分たちの土地や資源を奪われる状況をさらに悪化させるだろう。現在全国で起こっている土地をめぐる争いは、外国の政府や国際金融機関によって支援された外国企業がビルマ(ミャンマー)の政治・経済的移行期に乗じて利益を上げようと殺到する中で、いっそう深刻化するだろう。

土地強奪がビルマ(ミャンマー)の人々に特に深刻な影響を及ぼしているのは、この国の人口の70%が農民であり、農地に生活を依存しているからである。政府は国連機関の協力によって、全国的な土地所有権確定プログラムを開始しており、それによって土地を金に変え、土地使用の権利を確定しようとしている。これは一部の人々、特に都市の土地所有者にとっては問題の解決策となるが、土地所有権の確定は農民たち、特に高地の農民たちにとっては大きな困難をもたらし、土地利用の不安定をもたらす。そのことはすでにカンボジアやラオスで証明されている。

政府は土地所有権の確定などの技術的な解決策だけに焦点を当てるのではなく、小農民の生活を支援するための、たとえば慣習的な権利や制度を承認および尊重し、高地における焼畑耕作を正式な土地利用のカテゴリーとして認めるような法律や政策を採用するべきである。小農民、土地を持たない人々、貧しい農家が土地や食糧に対する基本的権利を持っていることに、直ちに関心を向ける必要がある。これらの権利は新しい政府の法律によって保護されるべきであり、それこそがビルマ(ミャンマー)の持続可能で公正な発展を保障するもっとも適切な方法である。

また、ビルマ(ミャンマー)政府は、「土地強奪に反対するダカール・アピール」、「土地強奪に反対するニエレニ行動計画
[訳注4]、「農業改革のためのグローバル・キャンペーンの責任ある農業投資(RAI)に反対する声明」[訳注5]に示されている国際的な動向に従い、尊重するべきである。ビルマ(ミャンマー)は他の政府が犯した誤り、すなわち国際金融機関や外国政府の勧告を受け入れて外国企業や国内企業による土地の収奪を許した誤りを繰り返す必要はない。ビルマ(ミャンマー)の農地は売り物ではない。

私たちはビルマ(ミャンマー)において土地強奪に抵抗している農民への全面的な支持と連帯を表明する!

よびかけ
フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウス(タイ)

1.Saturnino M. Borras Jr., International Institute of Social Studies (ISS), The Hague, Netherlands
2.Philip McMichael, Professor, Development Sociology, Cornell University, USA
3.Focus on the Global South, Thailand
4.FIAN International
5.EarthRights International, USA
6.GRAIN
7.World Rainforest Movement
8.Dr. Rajeev Patel, Fellow, Food First, USA
9.Food & Water Watch, USA
10.Oakland Institute, Oakland, CA, USA
11.Dr. Ken Kampe, Tamthai Fund, Chiangmai, Thailand
12.Krishan Bir Chaudhary, Bharatiya Krishak Samaj, India
13.The Citizens Concern for Dams and Development, Manipur, India
14.Centre for Research and Advocacy, Manipur, India
15.North East Peoples Alliance, India
16.Food First, USA
17.Inclusive Development International, USA
18.Dr. Radhika Balakrishnan, Rutgers University, USA
19.Sindhu Bachao Tarla (Save Indus Struggle), Pakistan.
20.Re Common, Italy
21.Serikat Petani Indonesia (SPI), Indonesia
22.Aksi, Indonesia
23.Culture Identity and Resources Use Management (CIRUM), Vietnam
24.ATTAC, Japan
25.Assembly of the Poor, Thailand
26.Thai Poor Act, Thailand
27.Local Action Links, Thailand
28.Biothai Foundation, Thailand
29.Four Regions Slum Network (FRSN), Thailand
30.Community Organization for People's Action (COPA), Thailand
31.Human Settlement Foundation (HSF), Thailand
32.Leaders and Organizers of Community Organizations in Asia (LOCOA), Thailand
33.Cambodian League for the Promotion and Defense of Human Rights (LICADHO)
34.Equitable Cambodia, Cambodia
35.Community Peace Building Network (CPN), Cambodia
36.Peoples' Action for Change (PAC), Cambodia
37.Jeremy Ironside, Cambodia
38.Housing Rights Task Force (HRTF), Cambodia
39.Free Burma Campaign, South Africa
40.Alternative Information & Development Centre of South Africa, South Africa
41.Altsean-Burma (Alternative ASEAN Network on Burma)
42.Actions Birmanie, Belgium
43.Burma Campaign Australia
44.LICADHO Canada
45.The Polaris Institute, Canada
46.FERN, UK and Belgium
47.Burma Campaign UK
48.Centro Internazionale Crocevia, Italy
49.Kilusang Magbubukid Ng Pilipinas (Peasant Movement of the Philippines), Philippines
50.Terra Nuova, Italy
51.CECCAM, Mexico
52.Land Research Action Network (LRAN)
53.Bharat Jan Vigyan Jatha, India,
54.Beyond Copenhagen Collective, India
55.Amadou Taal, Worldview-The Gambia
56.REDES--Friends of the Earth, Uruguay
57.Friends of the Earth International
58.M Kikon, DICE Foundation, Nagaland, India
59.Grassroots International, USA
60.All Nepal Peasants Federation, Nepal
61.Bangladesh Krishok Federation, Bangladesh
62.Bangladesh Kishani Sabha, Bangladesh
63.Secretariat, La Via Campesina, South Asia
64.MONLAR, Sri Lanka
65.Karnataka Rajya Raitha Sangha, India
66.Bhartiya KIsan Union, India
67.Thamizhaga Vivasaylgal Sangam , India
68.Burma Action Ireland
69.Paulette Nonfodji, University of Amsterdam, Amsterdam, Netherlands
70.Joshua Muldavin, Action 2030 Institute, Professor of Human Geography and Asian Studies, Sarah Lawrence College, USA
71.Raymond Craib, Associate Professor of History, Cornell University, USA
72.Meghan Morris, Graduate Student, University of Chicago, USA
73.Social Action for Change (SAC), Cambodia
74.Farmers Nature Net (FNN), Cambodia
75.Professor Ian Scoones, Future Agricultures Consortium, Institute of Development Studies, University of Sussex, Brighton, UK
76.Justa Hopma, Aberystwyth University, PhD student
77.Lyla Mehta, Institute of Development studies, UK
78.Teo Ballvé, Department of Geography, UC Berkeley, USA
79.James K. Boyce, Department of Economics, University of Massachusetts, USA
80.FIAN Germany
81.Burma Partnership
82.Andrianna Natsoulas, USA
83.Shelter for the Poor, Bangladesh
84.Swiss Burma Association, Swizerland
85.Center for Women's Global Leadership (CWGL), USA
86.Global Exchange, USA
87.Food Not Bombs, Malaysia
88.Thai Working Group for Climate Justice, Thailand
89.Center for Ecological Awareness Building /EAB, Thailand
90.ASEAN Watch, Thailand
91.FTA Watch, Thailand
92.National Forum for the Urban Poor, India
93.Global Witness, UK
94.Cecile Fameree, Leiden Institute of Areas Studies (LIAS), Leiden University, Leiden, Netherlands
95.Both ENDS , The Netherlands
96.S. Ryan Isakson, Assistant Professor of International Development Studies University of Toronto, Canada
97.Prof. Shelley Feldman, Development Sociology and Director, Feminist, Gender and Sexuality Studies, Cornell University, USA
98.Prof. Kathleen McAfee, Associate Professor, International Relations, San Francisco State University, USA
99.Hannah Wittman, Faculty of Land and Food Systems, Institute for Resources, Environment and Sustainability, The University of British Columbia, Vancouver, Canada
100.Prof. Michael Eilenburg, Aarhus University, Denmark


訳注1 http://www.jtef.jp/tigernews_100826.html に関連記事(日本語)
訳注2 :http://www.dvb.no/news/freed-copper-mine-protesters-assaulted-by-police/23711http://www.nytimes.com/2012/09/29/world/asia/in-battle-over-myanmar-mine-folk-heroines-emerge.html?_r=1&pagewanted=all に関連記事(英語)
訳注3:バイオ燃料の材料として注目されている
訳注4:http://www.nouminren.ne.jp/newspaper.php?fname=dat/200703/2007031901.htm(日本語)を参照
訳注5:http://landgrab-japan.blogspot.jp/2011_04_01_archive.html に関連記事(日本語)

posted by attaction at 23:47 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

銀子が語る世界銀行の深い闇:世界銀行−その隠されたアジェンダ(9/9 attac★Night Cafe その6)

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その1はこちら→ http://attaction.seesaa.net/article/291856301.html
その2はこちら→ http://attaction.seesaa.net/article/292757244.html
その3はこちら→ http://attaction.seesaa.net/article/292758376.html
その4はこちら→ http://attaction.seesaa.net/article/294611128.html
その5はこちら→ http://attaction.seesaa.net/article/296810813.html

さて、いよいよ現在の課題についてお話したいと思います。気候変動とTPPというふたつのトピックスで見てみましょう。


◆ 気候変動を利用する世界銀行

はじめに、気候変動対策基金についてです。「グリーンエコノミー」という言葉はよく聞きますね。国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の事務局は、2030年までに、毎年、温暖化による環境変化に対応する「適応」政策に280〜670億米ドル、温室効果ガス排出を削減し温室効果ガスの濃度を安定させる「緩和」政策に920〜970 億米ドル必要としています。

世界銀行は、この気候変動対策へもかかわりを持っています。

・京都議定書によるCDM(クリーン開発メカニズム)
政府や民間からの出資により上限1億5,000万ドル規模(当初8,500万ドル)の炭素基金を設立し、世銀がこれを管理しています。世銀は、この基金から途上国・移行経済国(旧ソ連東欧圏)における温暖化対策プロジェクトに投資し、温室効果ガスを削減します。このプロジェクトによって削減された分は、第三者機関による審査・認証を経て、出資者にはお金ではなく「温室効果ガス削減量=炭素クレジット」として返還される仕組みです。これをカーボンオフセットといいます。ここで上げられた収益の2%は適応対策資金に回すことになっています。

・地球環境ファシリティ(GEF)
これには「生物の多様性に関する条約」及び「気候変動枠組条約を実行するための資金メカニズム」を担う役割があります。1994年に正式発足しました。世界銀行、国際連合開発計画(UNDP)、国際連合環境計画(UNEP)の3機関が実施機関で、世界銀行が事務局を担っています。

・気候投資基金(CIF)
これは世銀単独の取り組みです。2008年に設立され、クリーン・テクノロジー基金(途上国での低炭素技術の実験、展開、移転に貢献するプロジェクトやプログラムに対する投資)と戦略気候基金(より広範な対象を柔軟に支援する。たとえば気候変動に対する途上国の抵抗力強化を目指したプログラム)があります。2012年までの暫定措置として位置づけられています。このほか、09年コペンハーゲンでのCOP15で提唱された「緑の気候基金」の枠組みを策定中で、世界銀行が暫定受託機関になっています。

しかし、問題の多い世界銀行が気候変動対策にかかわることに対して、途上国から強烈な反対があります。

◆ 温室効果ガス排出プロジェクトの最大の融資機関

世界銀行は、化石燃料プロジェクトを実施している最大の多国間金融業でもあります。投資額は2010年で44億米ドルに上ります。2010年4月、世界銀行は南アフリカの電力会社Eskom社の石炭火力発電所Medupi発電所(最大電力量4,800MW)建設に対して、37億5000万米ドルの支援を承認しています。ボイラーは6基とも日立の超臨界圧技術(CO2排出量は従来型よりわずか7%削減できるだけ)を採用したものを採用しています。契約金額は約3,200億円。もちろんこれも南アフリカの人々の債務になります。

参考:南アで石炭火力発電プラント用ボイラー設備6基を約3,200億円で受注(2007年11月13日:日立)
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2007/11/1113c.html

これまで散々温暖化を促進させるようなプロジェクトを推進してきた世銀が、今度は温暖化対策のための資金を管理・運営することに、これまで被害を受けてきて、将来も温暖化の一番の被害を受ける途上国の人々が反発するのは当たり前のことです。

◆ 世銀や資金提供者は本当に気候変動のことを心配しているのか

温暖化対策には莫大な費用がかかりますが、現在、国連が主導する地球環境ファシリティ(GEF)などの基金にはなかなか資金が集まっていません。「温暖化対策」マネーは、前述した投資収益が見込まれる世銀の気候投資資金(CIF)に集中しているのです。本来であれば、先進国政府や企業は、自らの責任で引き起こした温暖化現象をすこしでも緩和するために、儲けは二の次で資金を投じなければならないはずです。

しかし、これまで先進国が約束した気候対策のための短期資金(2010年〜2012年)の42%が世界銀行向けに拠出されており、より途上国の意向が反映される国連の地球環境ファシリティ(GEF)には微々たる資金しかあつまっていないのです。国連の基金は無償提供ですが、世銀の資金は無償と融資の両方があります。

途上国の社会運動は、気候変動による環境破壊やそれにともなう人権侵害、あるいは開発資金による債務などを含めて、それらを「気候債務」ととらえ、全額先進国政府や企業が賠償すべきであり、気候対策に必要な資金は無償で先進国が負担すべきであると主張しています。このような考えから、気候変動で儲けようなどという魂胆みえみえの動きには批判的にならざるを得ないのです。

もちろん、世銀のガバナンスの問題もあります。つまりアメリカ一国で約16%の決定権があり、それは拒否権を発動できることを意味しています。それに引き換え、低所得国・中所得国は合わせても39%しか決定権がありません。このような不平等なガバナンスによって運営されている世界銀行が、とりわけ途上国の意志を尊重しなければならない気候変動の問題に大きく関わることへの疑念があります。

◆ 「緑の経済」を「緑の経済成長」にすり替え

世界銀行など国際金融機関は、これまでの経済成長路線を温存させたまま気候変動の問題に関与しようとしています。つまり、気候変動を引き起こした大きな原因の一つである産業革命以降の生産至上主義や先進国のライフスタイルへの反省もないということです。「緑の経済」を「緑で経済成長」にすり替えているのです。

「緑で経済成長」するには、気候をはじめ自然すべてを資本主義経済の成長のための「資源」ととらえて金銭価値に換算しなければなりません。資本主義社会においてそれは自然が投機や金儲けの対象となることを意味します。

2009年12月にコペンハーゲンで行われた気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で気候債務の賠償を訴える社会運動の声を集めた資料『でっとばい3号:エコロジカルデット特集』などに、南からの批判の声が掲載されています。ぜひご覧ください。
『でっとばい3号:エコロジカル・デット特集』(2010年5月発行)

クリーン開発メカニズム(CDM)プロジェクトの問題点などは、FOEなどがパンフレットを作成したり、講演会などの資料を公開していますので、そちらを見てください。

・パンフレット:気候ファイナンス 〜新しい資金の流れは、途上国を救えるか
http://www.foejapan.org/aid/doc/110331.html
・セミナー:気候変動でお金はどう動く?〜COP16の結果を受けて〜
http://www.foejapan.org/aid/doc/evt_110225_report.html

(つづく)
posted by attaction at 14:55 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

9/9 attac★Night Cafe〜銀子が語る世界銀行の深い闇(その5)

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その1はこちら→ http://attaction.seesaa.net/article/291856301.html
その2はこちら→ http://attaction.seesaa.net/article/292757244.html
その3はこちら→ http://attaction.seesaa.net/article/292758376.html
その4はこちら→ http://attaction.seesaa.net/article/294611128.html

こんにちは。世界銀子です。ゆっくりしてたらIMF世銀総会が始まってしまいましたね。すこし先を急ぎましょう。

◆ 世界銀行の真のアジェンダ(政策)は?

世界銀行が目指す本当のアジェンダ(政策)とはなんでしょうか。それは「ワシントン・コンセンサス」という、構造調整の枠内で忠実に実施されるべき政策の集大成です。

参考:ワシントン・コンセンサスとは?(しんぶん赤旗2006年1月11日)
「『ワシントン・コンセンサス』という言葉は、1989年にアメリカの国際経済研究所(IIE)のウィリアムソンが、最初に用いた言葉です。ラテンアメリカに必要な経済改革として、ワシントンを本拠とするアメリカ政府、IMF(国際通貨基金)、世界銀行などの間で成立した「意見の一致(コンセンサス)」を指します。彼によればその内容は、(1)財政赤字の是正、(2)補助金カットなど財政支出の変更、(3)税制改革、(4)金利の自由化、(5)競争力ある為替レート、(6)貿易の自由化、(7)直接投資の受け入れ促進、(8)国営企業の民営化、(9)規制緩和、(10)所有権法の確立――です。当時、IMFや世銀はこうした考えにもとづく改革を、その国に融資するさいの条件としていました。」
全文はこちら 

世銀の表向きのアジェンダは「成長を通した貧困の削減」です(世銀だけでなく、IMFや米国FRB連邦準備理事会も「完全雇用」を目標に掲げています!)。また「市場」における各アクターの自由な相互作用を謳い、そのために「自由貿易」こそが必要であり、そこでは公権力による干渉を極力排除することを掲げています。

このような表向きのアジェンダを真剣に信じている人はいません。世銀には「秘密のアジェンダ」があるのです。それは「世界に対する米国のリーダーシップを維持すること」「新自由主義的グローバリゼーションを徹底すること」「生産至上主義」「資本主義的文脈の中で最大の利益を上げる」「貧困の再生産・固定」「不平等の拡大」「環境破壊」「富の更なる一極集中」・・・・・・。世銀の歴史を振り返ると、こういった「秘密のアジェンダ」の実例には枚挙にいとまがありません。もちろん「公権力の排除」などもデタラメで、多国籍企業の下請けと化した公権力をつかって「秘密のアジェンダ」を押し付けてきました。世銀はもとより、IMF、WTO(世界貿易機関)などの国際機関は、「ワシントン・コンセンサス」を遂行するために、それぞれの役割を分担して、いわゆる「秘密のアジェンダ」を実施してきたのです。

◆ 世銀グループが張り巡らす蜘蛛の糸

すでに世銀グループを構成する5つの機関のうち、国際復興開発銀行(IBRD)国際開発協会(IDA)は紹介しましたが、ここで残り3機関を紹介しておきます。

国際金融公社(IFC):途上国の民間セクター支援を目的として1956年に設立されました。加盟国は183。IFC自体も世銀の融資プロジェクトに少数株主として参加し、技術協力・問題解決に協力しますが、運営にはかかわりません。原資は市場からの借り入れと加盟国の出資で調達します。日本は1956年に加盟しています。

多数国間投資保証機関 (MIGA):途上国に投資を行う際の非商業リスク(収用、通貨の兌換停止・送金制限、戦争や内乱、契約不履行など)を保証することで、途上国に対する外国直接投資を促進することを目的として1988年に設立されました。

投資紛争解決国際センター(ICSID):1966年設立。国際投資紛争の調停と仲裁を行います。「ICSIDは国際投資紛争の調停と仲裁を行う場を提供することで、外国投資の促進に貢献しています」と自ら述べているように、多国籍企業のための「法の番人」として位置づけられています。ICSIDは近年、多くの批判を受けています。すこし詳しく紹介しましょう。

◆ 利害関係の当事者が裁判官役

たとえば、世銀の融資は水や衛生サービスを民営化するという条件に同意しないと了承されなかったりします。その結果、公営企業は私企業の合弁企業に売り渡されます(その合弁企業には「偶然にも」世銀グループのIFCがパートナーとして参加している)。さて、公共サービスが民営化されると往々にして料金は高騰する一方、サービスの質は低下します。人々がそれに怒って抗議が広がり、住民の怒りを恐れた政府がサービスを実施している多国籍企業との契約を打ち切るとします。そうするとその多国籍企業は、ICSIDに訴え、そこで調停・仲裁が行われます。

しかし「裁判官」のフリをしているICSIDは、実は問題のプロジェクトを進めた世銀グループの一角をなす、紛争の当事者でもあり、「ワシントン・コンセンサス」という憲法に基づく「秘密のアジェンダ」にそって、調停や仲裁を行うので、往々にして多国籍企業に有利な裁定を行うということで、批判されています。ボリビア・コチャバンバの「水戦争」で多国籍企業に有利な裁定を下し、それを不服としたボリビア政府は2007年11月にICSIDから脱退しています。

世銀グループは、この5つの機関を通して、全ての段階をコントロールしているといえるでしょう。つまり、まずIBRDやIDAによる民営化や財政支援など構造調整の実施、次にIFCを通じて市場参入した私企業への投資を促進し、MIGAがそれらの私企業への保証を行い、そして紛争が発生したらICSIDが乗り込んできて「ワシントン・コンセンサス」に基づく紛争解決を押し付ける、というふうにです。

(つづく)

posted by attaction at 14:11 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月28日

銀子が語る世界銀行の深い闇:世界銀行−その隠されたアジェンダ(9/9 attac★Night Cafe その4)

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ペンキを投げつけられたウォルフェンソン総裁(左)、手前右はスロベニアのドゥシャン・マラモル財務大臣(2004年3月、スロベニア首都リュブリャナ)

その1はこちら→ http://attaction.seesaa.net/article/291856301.html
その2はこちら→ http://attaction.seesaa.net/article/292757244.html
その3はこちら→ http://attaction.seesaa.net/article/292758376.html

こんにちは、世界銀子です。つづきです。

◆ 世銀は「改善」できるのか?

世銀/IMFの活動に対してNGOからはずっと批判があります。

世銀/IMFの融資による開発事業は、自然環境への影響、住民移転の影響、先住民族や文化遺産への影響、気候変動への影響が十分配慮されていない、といった批判です。また融資先の汚職や腐敗については、大規模な採掘事業やインフラ事業等が汚職や腐敗を助長しているという批判もあります。

貧困層や脆弱層の保護を優先すべきだ、という意見もあります。世銀/IMFの融資条件として、予算削減、輸出に偏った産業育成、民営化等が行われる結果、失業者の増大、中小企業の衰退、教育・医療サービス削減などが深刻化している、という批判があります。

国際的なガバナンスについても、意思決定の方法が非民主的であるとか、気候変動交渉を巡っては気候変動の問題はそっちのけで、自国産業の保護を意図した主導権争いが激化しているといった問題が指摘されています。

果たして、このようにさまざまな問題がある世銀の「改善」は可能なのでしょうか。

世銀は1993年にインスペクション・パネルという独立内部調査機関を設立しました。このパネルは、世銀のプロジェクトにより被害を被った私人からの申立を受け付け、世界銀行が策定したルールがプロジェクトにおいて遵守されているか否かを審査します。すこし古いですが2002年の報告書では、93 年に制度ができて以降、パネルに申し立てられたのは25 件、そのうち本調査を勧告したのは12 件に止まっています。その勧告を受け、理事会が調査を承認したのは8 件のみ。そのうち何件かは政策違反が認定され、そのうちのいくつかのプロジェクトが中止になっています。


◆ 「対話路線」の現実

1995年から2005年まで世銀の総裁を務めたウォルフェンソンは「対話路線」を進めたといわれています。以下にそのなかのいくつかの政策を紹介します。

・PRSP(貧困削減戦略ペーパー)
たとえば「債務帳消しで貧困削減を」というグローバル市民運動の要求を受けて、重債務貧困国への債務帳消しのプロセスに「市民社会の参加」を組み入れたPRSP(貧困削減戦略ペーパー)を策定します。しかしこの方法で債務帳消しを受けるには、従来の構造調整とほとんど変わらない政策を実施する必要があることや、「市民社会」の概念のあいまいさなど、問題が指摘されています。

・SPRAI(構造調整参加型評価構想)
世銀は1997年にはSPRAI(構造調整参加型評価構想)イニシアティブを導入しました。これは、「世界銀行とそのパートナーとして選抜された政府が、貧困者、権力のない人々、社会から排除された人々に対する世界銀行プログラムの影響を調査し、世界銀行のプログラムを変更すべきかどうかを判断しようというもの」で、国際的な労働組合を含むいくつかのNGOの要望を受け入れたものでした。しかし、結果が世銀に批判的だったため、2001年8月、世銀はSAPRIから手を引きます。世銀は「SPARIから多くのことを学びました」といういっぽう、SPARIで明らかになった事実を元に融資政策を再検討するということはありませんでした。

・世界ダム委員会(World Commission on Dams : WCD)
世銀プロジェクトによる大型ダムの建設は様々な問題を引き起こし、地域住民や環境団体などが反対の声を上げてきました。1998年、世銀はその声を受けて、国際自然保護連合(IUCN)とともに世界ダム委員会(World Commission on Dams : WCD)を設立しました。WCDでは、大規模ダム開発の効果を総合的かつ独立して世界規模で調査し、そのようなプロジェクトにおいて受容できる国際基準を策定することを目的としています。WCDは2年半かけて膨大な調査を行い、1000に及ぶ環境、社会、経済、技術、組織の各側面ならびに大規模ダムの稼働状況に関する報告を世界中から受けとったのですが、なんと当の世銀がレポートの調査結果を否認したのです。世銀はこう述べています。「WCD委員長が勧める『WCDの26のガイドラインの全面的採用』はしないが、ダムへの投資を考慮する際の参照事項として利用する。」

・鉱物資源採掘プロジェクトへの世界銀行グループの関与に関するレビュー(EIR)
2001年、世銀のプロジェクトが環境破壊や先住民の生活破壊をしているという厳しい勧告が出されました。しかしWCDのとき同様に、2004年8月には世銀はまたもやこのEIRレポートの重要な提言の大部分を無視することに決めました。先に紹介したチャド=カメルーンのパイプライン建設を継続するなど、勧告を無視したプロジェクトの推進がその証拠です。

このように、ウォルフェンソンによる「対話路線」とは、市民社会からの批判に耳を傾けるようなそぶりを見せながら、実際にはその言葉や概念を「ハイジャック」し、都合の悪い部分は無視するというものでした。「貧困削減」「市民参加」「グリーン」など、NGOや市民社会が支持しやすい言葉を並べつつ、実際には従来の政策を継続するものでした。

参考:ウォルフェンソン総裁の紹介(日本語/世銀サイト/PDF)


◆ 内部変革は困難

1999年から2000年にかけてチーフ・エコノミスト兼副総裁だったジョセフ・スティグリッツや世銀の年報「世界開発報告」担当局長だったラビ・カンブールがあいついで辞任しました。これは「内部変革は不可能」という強烈なメッセージとなりました。

「政治に左右されない」という建前とは裏腹に、世銀の運営は非常に政治的であり内政干渉的です。現在、翻訳中の『世界銀行――その終わりなきクーデター』(仮題)は、次のように指摘しています。

「この学識ある国際機関〔世界銀行〕は、『労働者の権利を推進せよ』という要求に対しては『それはどのような政治的要素も考慮に入れないという世銀協定の第4条の第10項に違反するからできかねます』として拒否するが、融資のコンディショナリティを設定する段になると、労働者解雇、労働組合の交渉力の弱体化、賃下げをより容易にするような労働条件の最大限の柔軟化を押し付けるのに何の躊躇も見せない」

(つづく)
posted by attaction at 15:10 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月16日

銀子が語る世界銀行の深い闇〜世界銀行−その隠されたアジェンダ(9/9 attac★Night Cafe その3)


その1はこちら→ http://attaction.seesaa.net/article/291856301.html
その2はこちら→ http://attaction.seesaa.net/article/292757244.html

こんにちは、世界銀子です。つづきです。

◆ 債務危機〜世銀の責任

世界銀行が推奨した外資導入型経済発展によって、借入国では債務が膨張していきます。これについては1960年代から世銀の内外から警鐘が鳴らされていました。しかし70年代に入ると世銀は債務問題には沈黙してしまいます。米国による金利引き上げが債務返済に追い討ちをかけ、世銀の輸出モデルが引き起こした一次産品の生産過多によって途上国の一次産品は価格が下落し、多くの途上国は経済経営が困難になりますが、オイルショックでマネーがあまりに余っていたオイルダラーの融資先として、途上国には引き続きどんどんとお金が貸し付けられていきます。何とか利子だけでも返済させようとして、世銀は80年から構造調整融資を始めますが、82年にメキシコが「返済できないかもしれないよ!」とデフォルト予告。ここにいたりIMF・世銀は現在までつづく本格的な構造調整政策を進めることになります。

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上の折れ線グラフは全途上国の債務の推移です。青い折れ線は残高合計です。緑の折れ線は公的債務、つまり政府・公営企業が海外から借りた債務+政府が保証している債務の合計です。赤い折れ線は途上国内の私企業が海外から借り入れた合計で政府保証はつきませんが、実際には返済困難になると国に責任が転嫁されるのはこれまでの歴史が実証していることです。

このグラフからも、70年代から80年代以降にかけて途上国債務が急増することがわかると思います。

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この棒グラフは、1992年から97年の各国の政府予算の合計のうち、社会サービスと債務返済に支出した割合を表しています。たとえばカメルーンの場合、92年から97年の予算のうち、社会サービスには5%弱しか支出していない一方、債務返済には35%以上支出しています。社会サービスよりも債務返済を優先していたことがよくわかります。

状況はアジアでも同じようにひどく、バングラデッシュは現在、1ドルの無償援助を受け取りながら、1.5ドルを債務返済に回している状況です。

◆ 債務「救済」はいつでも可能

IMF/世銀は「最後の貸し手」といわれ、債権者のなかでは最優先されます。債務に押しつぶされそうになっていた途上国に対して、「あまりに重い債務返済の負担で国がつぶれてしまっては、貸したお金がまるまる返ってこなくなる。全額でなくてもいいから返してもらった方がいいので、ちょっと債務をまけてあげよう」というのが「債務救済」という方法ですが、二国間債務(たとえば日本政府がフィリピンに貸したお金)では、1988年から「債務救済」が実施されてきましたが、1996年には債務額を輸出収入で割ると150%以上になり、国民一人が1日ドル以下で生活する貧しい国を「重債務国」とし、一定の条件のもとで、債務救済をおこなう「HIPCs(ヒピック)イニシアティブ」が実施されます。

しかし、対象国が「重債務国」に限られていること、削減される債務が二国間のものだけで、また削減される額があまりにわずかであること、そして債務救済の条件として課せられるのは依然として厳しい構造調整改革であることなどから、思ったほどには債務に苦しむ国々の状況は好転しませんでした。2005年にはMDRI(多国間債務救済イニシアティブ)をつくり「100%」の帳消しが可能になりますが、債務問題は一向に解決の兆しを見せていません。

・参考:重債務貧困国(HIPC)イニシアチブに基づく債務救済(IMF:日本語)
http://www.imf.org/external/np/exr/facts/jpn/hipcj.htm

このように、金持ち国が作ったルール(HIPICイニチアチブやMDRIなど)による債務の削減は、厳しい審査や構造調整の実施を経てやっとわずかの債務が削減されるにすぎませんが、米国占領下のイラクではブッシュが債務帳消しを提案し、わずか半年で債務削減が実施されました。債務削減が債権国の都合のいいようにきわめて恣意的に実施されていることから、債務削減はじつは経済的な問題やルールの問題ではなくあくまで政治的意思の問題、つまり削減しようと思えば簡単に削減できることがわかります。

(つづく)
 
posted by attaction at 10:36 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

銀子が語る世界銀行の深い闇〜世界銀行−その隠されたアジェンダ(9/9 attac★Night Cafe その2)

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その1はこちら→ http://attaction.seesaa.net/article/291856301.html

こんにちは。世界銀子です。つづきです。

◆ 硬直した生産至上主義と格差の容認

世銀の考えの根底にはいくつかの基本となる考えがあります。ひとつは、各国の文化・社会の違いを無視した直線的経済発展理論です。つまり、すべての国が欧米と同じ型の発展を同じ段階を踏んでたどるはずだし、またたどるべきというものです。そして次に生産至上主義という考えです。生産の拡大による成長です。そして、それは現実を無視した外資(借り入れ・投資)導入・輸出偏重主義への固執という考えにつながります。

たとえば、世銀が「奇跡の成長」と賞賛する韓国経済ですが、実際には世銀の考えとはまったく違った路線、つまり、強圧的な資本規制を行い、贈与を原資とする輸入代替工業化(輸入依存経済から国内製造への転換)で発展し、自動車を生産・輸出するまでに発展しました。このような発展のケースは世銀の推奨するモデルとは大いに異なっています。そして世銀は韓国の自動車輸出に対して反対の姿勢を示しました。米国の自動車産業と競合するからです。また1997年のアジア通貨危機では、IMFの勧告に従わなかった国ほど早く復興したという事実も忘れるべきではないでしょう。

世銀などに共通するもう一つの考えは、「トリクルダウン効果」です。つまり大企業やリッチマンたちに金が流れると、しずくが滴り落ちるように最終的には貧しい人々にも恩恵が及ぶので、少々の不平等は容認する、というものです。しかし世銀の経済政策によって、富める者はより豊かに、貧しいものはいっそう貧しくなっているという現実からも「トリクルダウン効果」のでたらめは明らかです。

◆ 環境、人権を押しつぶして融資を拡大

つぎに世銀がどのような独裁政権のもとで融資を実施してきたのかを見てみましょう。

1953年 イラン・シャー(国王)による独裁
1957年 グアテマラ軍事政権、ハイチのデュバリエ政権
1961年 韓国の朴正煕(パク・チョンヒ)政権
1964年 ブラジル軍事独裁政権
1965年 コンゴのモブツ政権とインドネシアのスハルト政権
1966年 タイの軍事政権(1966)
1971年 ウガンダ・アミン政権とボリビアのウゴ・バンセル将軍の軍事政権
1972年 フィリピンのフェルディナンド・マルコス政権
1973年 チリのアウグスト・ピノチェトとルワンダのハビャリマナ
1976年 アルゼンチンの軍事政権
1978年 ケニアのアラップ・モイ政権、パキスタンの独裁政権、
1979年 サダム・フセインのクーデター
1980年 トルコの軍事独裁政権

まだまだありますよ〜。

ニカラグアのソモサ政権、ルーマニアのチャウシェスク政権、中国の独裁体制、チャドのデビ政権、チュニジアのベン・アリ、パキスタンのムシャラフ、ペインのフランコ将軍、ポルトガルのサラザール将軍なんかの政権にも融資をしています。闇、深すぎ〜。

あまりにひどいのでつい国連開発計画(UNDP)も報告書で次のように言わざるを得ない。

「民主政権と全体主義政権それぞれの国民一人当たりへのODA額を比較してみると、現実はそのような美辞麗句からはかけ離れていることがわかる。事実、1980年代の米国では、援助供与額と受取国の人権状況は反比例している。多国間ドナー〔つまり世銀のこと:銀子〕も人権状況への配慮などはしないようだ。彼等は心の底では、戒厳令を発令するような政権の方が政治的安定を打ち立て上手な経済運営をするだろうと考え、そのような体制の方が好ましいと思っているようだ。バングラデシュとフィリピンは、戒厳令解除後に世界銀行から受け取る融資割合が減少した。」UNDP人間開発報告書(1994年度版)


◆ 大規模な環境破壊と人権侵害の事例:インドネシア、チャド・カメルーン

人権侵害、環境破壊の大規模インフラ開発への融資はNGOなどから厳しい批判を浴びてきました。ほんの一部を列挙してみましょう。ナムトゥン2水力発電事業(ラオス)、ウィルマートレーディング(インドネシア)、ランコ・アマルカルタック火力発電所(インド)、GMRカマランガ石炭火力発電所(インド)、タウンサ堰改修事業(パキスタン)、左岸排水事業(パキスタン)、バクー・トゥビリシ・ジェイハンパイプライン、チャド・カメルーン石油パイプライン、ブジュガリ水力発電事業(ウガンダ)などです。

インドネシアのスハルト政権下で行われた殖民プロジェクトとチャド・カメルーン間のオイルパイプライン計画に対する世銀の融資を紹介します。

・インドネシア殖民プロジェクト

スハルト政権は、ジャワ島やスマトラ島から強制的に別の島嶼へ移住させる移住プロジェクトを進めてきました。表向きの目的は人口過密の解消ですが、実際にはスハルト政権にとって不都合な人間を排除するために使われました。移住先は「無人の地」とされましたが、実際には先住民が住む地域でした。先住民には土地の登記という概念がなかったことから「無人の地」とされたところにジャワやスマトラから大量の人間が移住させられ、開発による木材伐採、鉱山開発、石油開発が行われました。先住民の許可もなく、回復不可能な開発プロジェクトが行われたのです。
この移住プロジェクトに世銀は特に1974年から89年にかけて大規模な融資を行います。強制的に移住させられた人間は300万人。乱開発による仕事をもとめて「自発的」に同じくらいの人々が移住しました。しかし当然移住先での生活は豊かなものにはならず、移住者の20%以上が自活レベル以下だったといいます。もちろん先住民の人々の生活は回復不可能なまでに破壊されました。

・チャド〜カメルーン間のオイルパイプライン

エクソン・モービル中心のコンソーシアムが運営する、1050Kmにも及ぶサブサハラ最大級のプロジェクトです。世銀が融資して2003年7月より稼働しています。このパイプライン建設がもたらした被害として次の点が指摘されています。
(1)重大な環境破壊が広がった
(2)2002年〜04年のたった2年間でカメルーンの債務返済負担は2倍に急増
(3)チャド政府はプロジェクト収益を武器購入にあて「反政府勢力」弾圧に使う
(4)プロジェクトの収益はフランス・ドイツ・米国の企業に還流している
(5)世銀からカメルーンへの融資の実に80%が技術支援費用という形で世銀に還流している
(6)プロジェクト後に急増した債務の返済に対応するため、森林伐採・熱帯木材輸出を増加させさらなる環境破壊を招いている
とくに最後の森林伐採と木材輸出の増加ですが、世銀の計画では、森林伐採と木材輸出に頼らないためにパイプラインを建設するというのが大義名分だったにも関わらず、結局は悪循環を繰り返しているのです。

(つづく)
posted by attaction at 10:23 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月13日

オレリー・トゥルヴェ(Attacフランス共同議長からIMFへの立候補を支持してくれた皆さんだけでない皆さんへ(2011年6月13日)

attacフランスのオレリー・トゥルヴェ共同代表がIMF専務理事への立候補を表明してから指名受付期限の2011年6月10日までのわずかの期間に16000人を超す世界各地のサポーターがオレリーさんへの支持を表明しました。オレリーさんは支持者への手紙のなかで南と北に緊縮財政を押し付けてきたIMFおよびラガルド氏を厳しく批判しています。〔attac首都圏〕

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IMFへの立候補を支持してくれた皆さん(だけでない皆さん)へ、
オレリー・トゥルヴェ(Attacフランス共同議長)より


2011年6月13日

IMF専務理事へのオレリー・トゥルヴェの立候補について、ATTACの提案を支持してくださった皆さん、ありがとう!

 私たちの発案は、フランスと世界で大きな反響を呼びました。私たちが望んだのは、IMFはよいもので、クリスティーヌ・ラガルドの立候補はよいことだというムードの打破でした。予想通りというか、銀行の利益を忠実に代表する彼女は、私の立候補をIMF理事会に提示しようとはしませんでした。でも私たちの提案のインパクト、たった数時間で集まった数千筆の支持の署名、世論の反響が証明しています。IMFが30年このかた、南半球にも北半球にも押し付けてきた処方箋に、市民たちはうんざりしているのです。銀行と大資本家の利潤がまんまと回復しているのに、金融界のかわりに危機の費用を負担し、徹底した緊縮プランをくらうことにうんざりしているのです。債務、緊縮、民営化、投機の自由、もうほんとにいいかげんにしてほしい。私たちには現状を脱するための提案がありますが、その信憑性が日ごとに高まっているような状況です。

 IMFの専務理事には私が就くわけではありませんから……、私たちは市民的アクションという形で、IMFの自由主義政策を非難し、まず第一に緊縮プランの停止、公的債務の部分的取消、徹底した規制および金融界による負担、IMFとあらゆる国際的決定機構の民主化を求め続けていくことになります。ヨーロッパでは「怒れる者」がどんどん増え、欧州連合とIMFの指図に対抗して「今こそ、本物の民主制を!」と要求しています。私たちは彼らとともにあります。「ユーロのための協定」に反対する6月19日のアクションもその機会です。11月初めのカンヌG20会合にも対抗して集まりましょう。ニコラ・サルコジはまたもや世界の大物たちの横で格好をつけてみせることでしょう。G20は銀行と金融界と昵懇の間柄です。G20のおかげで、IMFは現在の姿で再起を果たしたのです。それはつまり金融界に仕切られた世界の新たな総裁政府です。IMFの会合が今年フランスで開かれますが、彼らが民衆に背を向けて粛々と決定を下すなんて、そんなことは絶対に許せません。

オレリー・トゥルヴェ

原文 http://local.attac.org/attac87/spip.php?article453&lang=fr
 
posted by attaction at 16:20 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

IMF専務理事に立候補を表明したATTACフランスのオレリー・トゥルヴェ共同議長からラガルド氏への公開書簡

2011年6月、attacフランスの共同議長、オレリー・トゥルヴェさんがIMF専務理事への立候補を表明しました。IMF設立規約では、専務理事への立候補にはIMF総務会メンバー(加盟国の財務大臣等)からの提示が必要になることから、フランス政府を代表するIMF総務会メンバーであったラガルド経済・財務・産業大臣(当時)に以下の書簡を送り、自らを推薦するよう要請しました。当時ラガルド氏は次期IMF専務理事として最有力視されていました。オレリーさんは、金融危機以降にG20で活躍してきたラガルド氏がIMF専務理事になれば、トービン税を求めるオルタグローバリゼーションにとって事態は悪化するだろうと警告していました。ラガルド氏は6月28日のIMF理事会で全会一致で専務理事に選出されました。〔attac首都圏〕



 + + + + +

オレリー・トゥルヴェ、IMFに立候補:ラガルド氏への公開書簡

クリスティーヌ・ラガルド 経済・財務・産業大臣 殿
2011年6月9日

大臣殿

 IMFの専務理事に私が立候補したことを個人的にお知らせしたいと思います。

 この重要な機関は私見によれば今日、所期の使命と設立規約に反して、世界の経済・金融の安定を損なう役割を果たしています。ひたすら資本市場の規制緩和と自由化を求め、債権者の利益保護を第一の目的とする非効率的で不公正な緊縮策を多くの南側諸国に課したIMFは、今ではその有害な権威をヨーロッパで及ぼしています。その被害はハンガリー、ウクライナ、ラトヴィア、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、ポルトガルに加え、近々さらに多数の国に広がることでしょう。

 私が共同議長を務めている団体Attacがまずは提示した私の立候補は、IMFを金融業界と債権者ではなく、実物経済と社会的ニーズに奉仕させることを目的とするものです。また、IMFの任務と行動をめぐる社会的議論を盛り上げることも目指しています。この機関がヨーロッパで果たす役割を広げつつある現在、そうした議論がますます必要不可欠となっているという考えは、私と同じく貴女もきっとお持ちだと思います。

 Attacは支援委員会を立ち上げ、市民からの支持をいただいており、数千筆の署名が多くの国々から殺到しています。でも私には、フランス国家のバックアップを受けて、候補者として世界を遊説して回ることはできません。貴女にお願いしたいことはたった一つです。私の立候補について、支持という形でなくてかまいませんから、IMFの理事会に提示していただけないでしょうか。というのも、ごぞんじのように設立規約によれば、専務理事への立候補には、どなたか総務会メンバーからの提示が必要になるからです。

 もし貴女がそうした行動をとってくだされば、御自分もトップの座を狙っておられる機関に関し、民主的な議論を重視していることをお示しになれます。そうすれば私たちは意見を戦わせる機会をもてるようになります。私自身の意見は、かねて国際市民社会が深めてきた集団的な検討に依拠しています。

 貴女が多元主義と討論を重視する方だと信じております。 

(オルターグローバリスト式の)敬具

オレリー・トゥルヴェ、Attac共同議長

原文ページ http://www.france.attac.org/articles/candidature-fmi-aurelie-trouve-lettre-ouverte-mme-lagarde
 
posted by attaction at 14:56 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月11日

銀子が語る世界銀行の深い闇:世界銀行−その隠されたアジェンダ(9/9 attac★Night Cafe その1)

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こんにちは。世界銀子です。

世界銀行は「貧困のない世界を目指して、世界各地で国づくりを支援しています」なんて言っていますが、実際には、IMF世銀から「支援」や「援助」として供給されたマネーが再びIMF世銀に還流している、という批判があります。IMF世銀体制がよく分かる「だまし絵」を紹介しておきます(上記)。向かって左側の上にあるのが世界銀行、左側がIMFですね。そこから流れ落ちた「援助」という滝が、じつは流れ流れてまた世銀/IMFに還流している、というものです。納税者も必死に水(税金)を水の流れに注ぎ込んでいるのですが、水の流れは貧しい人々にほとんど届かず、大企業やリッチマンなどが、その水であふれるプール(タックスヘイブン)で税金も払わずに悠々とすごしている、というものです。図の詳しい説明は英語ですが、Social Watchという団体のウェブサイトから見られます。
Impossible Financial Architecture(Social Watch)

◆ 世界銀行の概要

1944年に米ニュー・ハンプシャーのブレトンウッズで開かれた会議で、国際復興開発銀行(IBRD)と国際通貨基金(IMF)の設立協定を起草し、45年に発効に発効したところから始まりました。世界銀行は5つの機関のグループの総称で、一般的にはブレトンウッズ会議で設立が話し合われたこのIBRD、あるいはIBRDと1960年に設立された国際開発協会(IDA)の二つの機関をあわせて「世銀」と言っています。

国際復興開発銀行(IBRD)は、中所得国ならびに市場アクセス可能な低所得国に対して融資を行います。1944年のブレトンウッズ会議を経て、1945年に設立されました。加盟国は187カ国です。日本は1952年に加盟しました。IBRDが融資する資金の原資は、世銀債を発行して金融市場で調達します。金融市場で最大の資金調達者のひとつでもあります。世銀債を買うのは個人および機関投資家です。現在日本は、世銀の資金調達額全体の3分の1以上を支える最も重要な市場の一つになっています。IBRDにはIMFの加盟国のみ参加できるということで、世銀とIMFのつながりの強さをうかがわせます。

次に国際開発協会(IDA)ですが、1960年に最貧国向けに贈与と無利子(手数料のみ)の融資を行うことを目的に設立されました。「第二世銀」とも呼ばれています。170カ国が加盟しています。加盟国の拠出金を原資として、81の最貧国(総人口25億人)に年間約60〜90億ドルの譲許的融資を行っています。日本は設立時から加盟しています。

融資額(承認ベース)ですが、2008年はIBRDが135億ドル、IDAが112億ドルで、前年2007年とほぼ同じ水準ですが、金融危機が本格化した2009年にはIBRDは329億ドル、2010年には442億ドルと急増しています。

世銀の財務構成や融資額などについては世銀のウェブサイト(日本語)に分かりやすい図がありますので紹介しておきます。参考として資金調達についてのページも紹介しておきます。
世界銀行とは
参考:世銀の資金調達について

◆ 不公正な世銀の構成、意思決定システム

187カ国が参加する世銀の最高意思決定機関は総務会(総会)ですが、政策決定や案件承認は25人の理事から構成される理事会が実質的な権限を持っています。投票権は出資比率、つまりどれだけお金を出しているかに比例しており、国連などの一国一票とはことなる非民主的なものだといえます。

2012年9月現在の投票権割合は米国15.55%、日本9.16%、ドイツ4.58%、フランス4.10%、英国4.10%、中国3.28%、インド2.82%、サウジアラビア2.50%、ロシア2.50%、ブラジル1.87%、韓国1.19%などとなっています。

重要事項の改変には85%の得票率が必要なので、15.55%の投票権を持つ米国は事実上唯一の拒否権を持つ国となっています。また米国、日本、ドイツ、英国、フランスの五大出資国は、一国で一人の理事を出すことができます。中国、ロシア、サウジアラビアも影響力の大きさからか、各国でそれぞれ一人の理事を出しています。そのほかの加盟国は、数カ国が組になって一人の理事を出しています。
25人の理事の投票権割合(PDFファイル、一番右側のPERCENT OF TOTAL)

世銀はIMFとともに、国連の専門機関なのですが、他の専門機関が課される国連への義務や協力を極力排除しています。

◆ 歴史に見る世銀の政治偏向

世銀は、協定の第4条10項目で、融資の決定は政治に左右されないと謳っていますが、実際には非常に政治的で内政干渉的にふるまってきたことも事実です。世銀は公式には、1930年代のブロック化による世界経済分断、大恐慌の再発防止のために自由貿易を通じて経済成長と完全雇用を達成すると謳っています。ですが、当初の本当の目的は、第二次大戦で破壊された欧州市場を一刻も早く復興させ、米国製品の輸出先とすることでした。

結果的に、欧州の復興が早く進んだことから、その対象を途上国開発に移行させてきました。現在、世銀プロジェクトはさまざまな分野に多様化していますが、最初の17年間は、教育や社会インフラへの投資は全くなく、通信インフラと発電施設に集中していたことからもそれがうかがい知れます。

米国の影響について改めて確認しておきましょう。

現在、翻訳を進めている『世界銀行 終わりなきクーデター』(原題)の著者、エリック・トゥーサン氏は、同書で次のように述べています。

「概して、世銀グループの方針と政策は米国の利益に沿ったものである。これは各国への配分全般や注意を要する政治問題に関して、特に言えることである。世界銀行の国際的性格、その事業形態、経営陣の強さ、世銀の過重投票制度によって、世銀の方針・実務と、米国の長期的経済・政治目標との一致が広範に確保されてきた。」

「(世銀など)多国間開発銀行は、貿易と資本フローの自由化に基づいた国際システムに途上国をより深く参加させることができた。これは米国の輸出、投資、金融の機会拡大を意味する。」

この本では、影響力を拡大しようとしてレーガン大統領が下院院内総務のローバトミッチェルに充てた書簡も紹介されています。レーガンは次のように述べています。

「世銀はその資金のほとんどを、中所得開発途上国の特定の投資プロジェクト支援に振り向けている。これらのほとんどは(フィリピン、エジプト、パキスタン、トルコ、モロッコ、チュニジア、アルゼンチン、インドネシア、ブラジルのように)米国にとって戦略上、かつ、経済的に重要な国ばかりだ。」

◆ 米国の利害のために

一方、米国に敵対的な国々に対しては徹底して冷徹な対応をとってきたことも世銀の特徴です。ソビエト陣営だったポーランドとチェコスロバキアは早々に世銀を脱退しますが、ソ連と論争・対立関係になったユーゴスラビアに対しては、世銀は資金援助を申し出ます。

米国はカストロ政権のキューバ攻撃を手助けしたニカラグアのソモサ独裁政権には融資しましたが、その独裁政権を打倒したサンディニスタ政権になると融資を中止してしまいます。「グアテマラの春」(1944-54年)の後期に成立したアルベンス政権(1950-54年)は土地改革などの民主的改革を進めましたが、米ユナイテッドフルーツ社の利害と衝突。1955年に米国CIAに雇われた軍人らのクーデターによって転覆された後になってはじめて世銀融資が始められています。

チリでは、選挙で選ばれたアジェンデ人民連合政権時代には、世銀は融資額を急激に減らします。そして米国政府の後押しによるクーデターでアジェンデ政権が打倒された後のピノチェット軍事政権になると、世銀は融資額を急激に伸ばしていきます。ベトナムでは、ベトナム戦争終結までIDA(第二世銀)は、アメリカ政府の盟友であった南ベトナムに融資を続けてきました。北ベトナムによる解放戦争勝利後、世銀はベトナムに対して融資を受ける資格はあると考えましたが、ベトナム戦争に敗北した米国は、世銀に対して強力に圧力をかけてベトナムへの融資を停止してしまいます。

最近の事例では、イラクのフセイン時代につみあがった債務に対して、フセインを打倒した後に、ブッシュはアメリカの占領政策に有利になるようにイラクの債務帳消しを行います。世銀やIMFは債務帳消しを実施した国には融資をしないというルールがあったのですが、ブッシュは世銀に対イラク融資を迫り、それを世銀に了承させました。

また米国の産業と競合するプロジェクトに対する融資には極めて消極的でした。たとえば自動車産業や製油産業にはほとんど融資が行われなかったことからも、米国およびその経済界の強い影響力が伺われます。

◆ 過去の歴代総裁はすべて金融関係の米国市民

これも有名な話ですが、これまでの12人の総裁すべてが米国市民です。米国財務相が推薦した米国人が総裁のポストについてきました。歴代総裁の名前、在任期間、そして前歴は次の通りです。12人のうち9人がウォール街など金融機関関係者なのです。

初代 ユージン・メイアー(1946年6月〜12月):ウォール街の銀行家、ワシントンポスト発行者

2 ジョン・ジェイ・マクロイ(1947年〜1949年)チェイス・ナショナル(後のチェイス・マンハッタン)銀行理事

3 ユージン・ロバート・ブラック(1949年〜1963年)チェイス・マンハッタン銀行副頭取

4 ジョージ・デビッド・ウッズ(1963年〜1968年)ファースト・ボストン・コーポレーション頭取

5 ロバート・マクナマラ(1968年〜1981年)フォード社CEO、米国国防省長官

6 アルデン・ウィンシップ・クローセン(1981年〜1986年)バンク・オブ・アメリカ頭取

7 バーバー・コナブル(1986年〜1991年)上院議員、上院・銀行制度委員会メンバー

8 ルイス・トンプソン・プレストン(1991年〜1995年)JPモルガン社長

9 ジェームズ・ウォルフェンソン(1995年〜2005年)H Schroder銀行、ソロモン・ブラザーズ銀行

10 ポール・ウォルフォウィッツ(2005年〜2007年)米国国防副長官

11 ロバート・ゼーリック(2007年〜2012年)ゴールドマンサックス重役、米国国務副長官、米国通商代表

12 ジム・ヨン・キム(2012年〜現在)医学者、NGO“Partners in Health”共同創立者、ダートマス大学学長

2012年春に第12代目の総裁を選出するときは、オコンジョ・イウェアラ財務相、コロンビアのホセ・アントニオ・オカンポ元財務相など、初めて米国以外の複数候補を交えて行われたのですが、米国政府が推薦する韓国系米国人医学者ジム・ヨン・キム氏が予想通り当選しました。初の民族的マイノリティ出身の総裁という意味では変化はありましたが、「世銀総裁は米国市民」という不文律は続いています。

(つづく)
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2012年02月10日

【アタック・カフェ】TPP学習会

私たちの生活に様々な影響を及ぼす可能性のあるTPPについて、学習会を計画しました。
ATTACの会員でもあり、「TPPに反対する人々の運動」で活躍されている市村忠文さんを講師に、
ハワイAPECの報告、TPPへの参加がもたらす問題点を提起してもらい、みなさんで討論をしたいと思います。多くの皆様の参加呼びかけます。


・ 日時:2月13日(月)18:30〜20:30
・ 講師:市村忠文さん(TPPに反対する人々の運動)
・ 場所:ATTACジャパン事務所
  千代田区神田淡路町1-21-7静和ビル1階A、Tel/Fax:03-3255-5910
(JR御茶ノ水から歩7分、地下鉄新御茶ノ水、小川町から3分)
posted by attaction at 00:48 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月09日

ジェーン・ケルシー:米国の反中国戦略の要としてのTPP

米国のオバマ政権が中国に対する新たな冷戦の戦略を打ち出し、その下で日米同盟に新たな意味付与がされつつあります。

ニュージーランド・オークランド大学教授のジェーン・ケルシーさんはAPEC、WTO、TPPなど一連の通商協定の交渉プロセスをウォッチし続け、常に最新の情報と分析を発信してきました。日本にも何度か来られています。

ジェーン・ケルシーさんの最新のレポートは、昨年11月のホノルルAPEC首脳会合とその前後のTPPをめぐる動きを詳しく報告しており、米国の対中国戦略に焦点を当ててTPPの矛盾を明快に分析し、TPPの破綻を「予言」しています。

長文ですので冒頭部と結論部のみ以下に抜粋しています。

日本語訳全文はこちら→TPP As Lynchpin of US Anti-China Strategy Scoop News_jp.pdfからダウンロードできます。(PDF、467kb)

ぜひ活用してください。


+ + + + +


米国の反中国戦略の要としてのTPP
TPPにとってのホノルルAPEC首脳会談の意味についての考察(抜粋)

ジェーン・ケルシー(オークランド大学法学部教授)
2011年11月21日


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パート1:戦略

提案されているTPPの背後にある本当の狙いが、今月ホノルルで開催されたAPECの会合であからさまになった。私たちは常に、TPPを推進する動機が商業上の利益とはほとんど関係なく、中国の台頭に対抗するためにアジア地域における米国の地政学的・戦略的影響を回復することに深くかかわっていると考えてきた。米国は中国を孤立させ、服従させるための1つの手段として、米国と米国企業の利益に奉仕し、米国と米国企業によって強制される地域規模の法的な体制-TPPの脈絡の中では、結局のところ米国が望むことが受け
入れられるような体制-を確立することを狙っている。

・・・


パート2:戦略の実施

2011年11月にホノルルで開催されたAPEC会合における進展に関連して、私はパート1で、提案されているTPPは米国のヒラリー・クリントン国務長官が「アメリカの太平洋の世紀」と呼ぶものを確保するための戦略の1つの柱であると述べてきた。中国の台頭に米国の「経済的・軍事的能力」によって対抗することが明白に目標として設定されている。TPPはアジア太平洋地域において米国と米国企業の利益に奉仕し、米国と米国企業によって強制される地域規模の法的な体制を確立することによって米国の軍事力の再強化を補完することを意図している-APECの大半の国が「黄金の基準」を確立するこの協定に署名するようになれば、中国はますます孤立し、最終的にはTPPの、米国によって設計された「国際基準」に屈伏するかもしれない。

パート2では、この戦略の実施に関する3つの中心的な問題を取り上げる。現在交渉に参加している米国以外の8カ国は、交渉をまとめるために十分に深く米国の地政学的および商業上の目標を共有しているのだろうか?米国とAPECのそれほど重要でない経済地域との間での「黄金の基準」を確立する協定についての交渉は、他のアジア諸国にとって、中国との対抗関係の可能性を覚悟してでも進めるほど魅力的だろうか?この壮大な計画は2012年(に合意)という目標を達成する可能性があるのだろうか、むしろWTOドーハ・ラウンドや米州FTA、多国間投資協定(MAI)や米国が進めようとしてきた数多くのFTAと同じ道に行き着く可能性の方が大きいのではないか?

・・・このようなさまざまな緊張の中で、TPP交渉が自らの重さで自滅する可能性が高まっている。こうして、交渉に時間をかければかけるほど、困難が軽減されるのではなく、ますます困難になるというグローサーの観察が重みを増している。交渉を密室で大急ぎで行うことによって、最大限のごまかしと最小限の精査で協定を成立させることができる。TPP交渉を取り巻く極端な秘密主義は、WTO、FTAA(米州自由貿易協定)、MAI(多国間投資協定)、ACTA(模造品・海賊版拡散防止条約)をめぐる運動の中で徐々に、困難な闘いを通じて実現されてきた条約文書および背景文書の公開からの後退である。実際、TPPは秘密主義を前代未聞のレベルまで引き上げてきた。参加国の間では、交渉が終結または決裂してから4年を経過するまで、いかなる交渉文書も公開しないという覚書が交わされている。われわれが要求しているにもかかわらず、その覚書すら公開されていない。

論争がより活発に行われ、各国政府およびTPP参加国全体に対して情報公開の要求が一層強まり、より多くの情報が漏えいされ、TPPの意味について、より豊富な情報に基づく分析が行われ、国境を超えた協力が一層強化され、政党に対して態度の明確化を迫る圧力が強まり、影響を受ける多様な社会セクターや地域コミュニティーがますます大規模に運動に参加するようになれば、それに応じてTPPがドーハラウンドやFTAAやMAIや米国の多くのFTAと同じ運命をたどる可能性がますます高まるだろう。バトルロイヤルの舞台は整っている。

posted by attaction at 16:44 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月20日

パシフィックリム社による金採掘をめぐって

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「採掘NO!生活を守ろう!」を掲げ抗議のデモをする住民たち

【ATTAC Japanも署名しました】

エルサルバドル・カバーニャス県でパシフィックリム社(カナダの鉱業会社)が進めようとしている金採掘プロジェクトに関連して、環境問題や住民の健康に対する重大な影響が予想されることから、地元の住民や環境団体の反対運動が広がり(この中で活動家4人が殺害されています)、エルサルバドル政府も採掘許可を拒否してきました。これに対してパシフィックリム社はドミニカ共和国・中央アメリカFTAのISD(投資家国家間紛争)条項を使って、世界銀行の国際投資紛争解決センター(ICSID)にエルサルバドル政府に対して賠償請求を求める訴訟を起こしました。
以下はこの問題に関連して米国のInstitute for Policy Studies(ポリシー・スタディーズ研究所)が呼びかけた署名(公開状)です。ATTAC Japanも署名しました。TPPで問題になっているISD条項の教科書のような事例なので、広く宣伝し、エルサルバドルの人たちと連帯して、この無謀な計画を中止させましょう。

公開状
(宛先)
Robert Zoellick, President, World Bank
Meg Kinnear, Secretary-General, ICSID
V.V. Veeder, Tribunal president
Brigitte Stern, Tribunal member??
Guido Santiago Tawil, Tribunal member

この請願書に署名した私たちは、 ___ 団体以上の市民社会団体を代表しています。私たちは、計画されているシアン化合物の浸出を伴う金採掘プロジェクトを阻止するために民主主義的手続きを通じて活動しているエルサルバドルのコミュニティーに連帯してこれを書いています。このプロジェクトが地域の環境やこの国の重要な河川と水源を毒で汚染する危険は、根拠のある恐れです。

パシフィックリム社は、エルサルバドルの環境許認可手続きに従うのではなく、ドミニカ共和国・中央アメリカ自由貿易協定(DR-CAFTA、米国と中米5カ国とドミニカ共和国が加盟)の下で攻撃をかけてきました。同社はエルサルバドル政府に対して賠償を要求しており、賠償額は数億ドルに上ります。同社はDR-CAFTAの下の裁定を求めるために定められた手続きを悪用し、その子会社をケイマン諸島から米国ネバダ州に移転しました。この係争は世界銀行の国際投資紛争解決センター(ICSID)によって裁定されます。

パシフィックリム社はICSIDと自由貿易協定のISD(投資家国家間紛争)ルールを利用してエルサルバドル国内における採掘と持続可能性な環境をめぐる民主主義的な論争の結果を覆そうとしています。これらの問題はICSIDの仲裁法廷で決定されるべきではありません。パシフィックリム社によるエルサルバドルの内政への干渉の中で、採掘に反対する活動家4人が、このプロジェクトの予定地の中で殺害されています。

私たちは、国内の統治手続きと国家の主権が尊重されるべきであり、この提訴は却下されるべきであるという地元コミュニティーとエルサルバドル政府の要求を支持します。私たちは民主主義の側に立ちます。

原文および署名団体のリスト
12月15日の世界銀行本部前での抗議行動の映像


参考

IPS、12月15日付記事より

12月15日、ワシントンDCの世界銀行本部前で、ICSIDの仲裁法廷に対してパシフィックリム社によるエルサルバドル政府への提訴の却下を求める行動が行われた。
パシフィックリム社はエルサルバドル政府が同社の金鉱山開発許可申請に同意しないことを理由に、7700万ドル以上の賠償を請求している。
全米鉱山労組、FoE、AFT(全米教員連盟)、などが参加。
2002年にパシフィックリム社による探査が開始され、有望であると判明したとき、当時の国民共和連合(ARENA)政権が同社に採掘許可を申請するよう勧めた。
農民や活動家が、環境破壊の危険があると主張し、大きな全国的論争になった。
パシフィックリム社は、環境や健康に被害が内容に最新技術を採用すると主張し、DR-CAFTA(2005年調印)のISD条項に基づいてエルサルバドル政府を提訴した。
Institute for Policy StudiesのJohn Cavanaghさんは「ISD条項は不当で、民主主義に対する攻撃である」と非難した。
行動には約100人が参加、243団体(労組、環境団体など)が署名する公開状を世銀職員やICSIDのメンバーに配布した。
カナダはDR-CAFTAに加盟していないため、同社は2009年に子会社をケイマン諸島から米国ネバダ州に移転。
2009年に政権交代、FMLNが政権。


エルサルバドル:命は金銀よりも重し
JanJanニュース、2008/02/10

エルサルバドル・カバーニャス県でカナダの鉱業会社が進められている金銀鉱石の採掘プロジェクトが住民に健康被害を与える疑いが指摘されている。各方面から反対の声が上がり、政府が出した採掘許可は効力停止になった。
【サンイシドロ(エルサルバドル)IPS=ラウル・グティエレス、2月1日】
エルサルバドル・カバーニャス県で進められている「エルドラド採掘プロジェクト」が住民への健康被害を与えるものだとの疑いが出ている。
エルドラドは面積144平方キロメートルをカバーし、2006年に行われた試掘によると、少なくとも金が120万オンス、銀が740万オンス眠っていることが判明した。このプロジェクトは、カナダの鉱業会社「パシフィック・リム」が首都サンサルバドルから65kmのところにあるサンイシドロ近くで展開しているもので、採掘場として可能性のある国内25ヶ所のうちのひとつである。
しかし、この採掘のために、住民がわずか週に1回しか利用できない水源から1日3万リットルもの水が消費されることがわかった。
さらに、採掘のために必要なシアン化物が住民に健康被害を与える可能性が強く指摘されている。「パシフィック・リム」社自身が行った環境影響評価書を2005年10月に検討した米国の水文地質学者ロバート・モラン氏は、影響を測定するためのデータが不十分だとして評価書を批判している。
パ社は昨年、ラジオや街宣車などを用いた「エコ採掘」(green mining)キャンペーンを鉱山の近隣で展開した。学校の備品や肥料などを配布してまで住民の支持を得ようとしている。パ社の環境アドバイザーであるルイス・トレホ氏は、シアン化物が危険物質であることを認めつつ、体に「同化する」から心配ないとの説を披露している。
しかし、エルドラド・プロジェクトには各方面から反対の声が上がった。昨年5月には、「エルサルバドル司教会議」が反対声明を発した。
こうした活動のために、経済省と環境天然資源省がいったん与えた採掘許可は現在のところ効力停止になっている。
これに対してパ社は、右派の国民和解党(PCN)と謀って、鉱業活動を規制する独立委員会を設置する法案を議会に提出させようとしている。これによって、既存省庁の規制権限を剥奪することが実質的な狙いだ。
カバーニャス県の環境保護活動家であるイレーネ・カスティージョさんとネルソン・ベンチュラさんは「人間の命をわずかな見返りと引き換えにすることはできない」と話す。そんな2人の前には、「命は金(きん)よりも重し」と書かれたポスターが掲げられていた。
翻訳/サマリー=山口響(IPS Japan)

エルサルバドルで採掘反対活動家2人殺害される
Democracy Now!
2009年12月29日(火)

エルサルバドルでまた著名な採掘反対活動家が暗殺されました。1週間で2度目の暗殺です。12月26日、32歳のドラ“アリシア”レシノス・ソルトが自宅近くで射殺され、彼女の子供の一人も負傷しました。ソルトは、カバニャス環境委員会(Cabañas Environment Committee)の主要メンバーで、バンクーバーを拠点とするパシフィック・リム・マイニング・カンパニーが所有する金鉱再開への反対運動を行っていました。
posted by attaction at 10:22 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月09日

【ギリシャ】EUにおけるクーデター?(スーザン・ジョージ)

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EUにおけるクーデター?
スーザンジョージ
2011年10月
[トランスナショナル研究所のウェブより。原題は"A Coup D'Etat in the European Union?"]

EUの労働者の高望み - よりよい賃金と労働条件、より短い勤労生活と潤沢な退職金、長い休暇や休憩時間 - は抑制しなければならない! もうたくさんだ!

欧州委員会が解決策を持っていることに感謝しよう。もうすぐ新自由主義モデルは逆転不可能になり、この厚かましい成り上がり者たちは永久に黙るしかなくなるだろう。ここが潮時だ。欧州委員会は華麗な立ち回りで、”シックス・パック”(ビールの6本入りケース)と呼ばれる一連の政策をゴリ押ししてきた - ビールがふんだんに酌み交わされるパーティーを示唆する陽気なネーミングだ。この一連の政策はむしろ陰鬱であり、委員会にEU加盟国の国内問題に対する前代未聞の影響力を与えるものである。

2011年9月28日に欧州議会は、委員会の計画 - 各国が自国の予算を決定し、自国の国家債務を管理する権限を徹底的に奪い取る - を僅差で可決した。これからは欧州議会と欧州評議会は(当然のこととして欧州委員会の監督の下で)、最近少し加盟国から注意を払われるようになってきたマーストリヒト条約 - 「安定と成長のための協定」とも呼ばれる - に基づく勧告の遵守を各国政府に強制することができる。2005年以降、この条約はまるで奇異な遺物のように見られてきた。しかし、今ではシックス・パックのおかげで、3%を超える財政赤字やGDPの60%を超える国家債務は容認されないことになった。この人たちが必要としているものは、厳格な規律であり、誤りを犯さないことである。

2012年以降、欧州議会と欧州評議会は各国の国家予算に対して、各国議会が検討する前に、それどころか、各国議会に示される前に、それを精査することになる。もし加盟国が債務を十分な速さで減らさなかったり、予算についてのブリュッセルからの"提案"を拒否した場合、強制措置が始動する。加盟国がさらに抵抗した場合には、罰として、違反の重大度についての判定に基づいてGDPの0.01%、0.02%、あるいは0.05%をEUに預託するか、またはEUに没収される。たとえばフランスはGDPが約1兆9000億ユーロ(2兆6000億ドル)であり、違反を認定された場合に委員会は200〜400億ユーロ、あるいは(GDPの0.05%までエスカレートされた場合には)1000億ユーロの預託または罰金を要求することができる。

これらの恒久的なシックス・パック政策は、欧州委員会のいつもの密やかで効率的な方法に従って、ほとんど何の抵抗もなく、ごくわずかな議論で、市民の参加を実質的に排除して全ての承認手続きを通過した。ヨーロッパの大部分の人々は、何か変化が起こったことを少しも感じることはなく、政府の統治権限に対する露骨な攻撃に全く気付いていない。この法律のおかげで、私たちは全ヨーロッパ、特にユーロ圏における新自由主義の原理の永続的な権力を約束された。そこでは選挙で選ばれた議員が自国の予算を編成する権限を、任命制で誰に対しても責任を負わない人たちによって奪われている。

議員たちは金融政策についての発言権をずっと前に失った。今ではシックス・パックもまた、欧州議会の多数を占める右派のおかげで、しっかりと根拠づけられ、逆転は不可能ではないにしても難しくなる。他の地域においては、加盟国の政府や国民に対するクーデターについての非難の声を聞くことがあるかもしれない。しかし、これまでのところ、「EU戦線異状なし」である。

同時に、委員会は加盟国に対して、新自由主義のシナリオの別の部分も進めるよう圧力をかけている - 労働時間の延長と退職年齢の引き上げ、賃金と社会保障を最低の基準に従って段階的に均等化することを強制する種々の指令を通じてである。このプロセスは多少時間がかかるかも知れないが、シックス・パックによって強化されるだろう。欧州司法裁判所は、特に2つめの目的[賃金と社会保障の段階的に均等化]との関連で、労働者がスウェーデンやフィンランドのような強い労働者保護の法律を持つ国で働く場合でも、基準以下の賃金を受け入れるよう義務付ける少なくとも4つの独立した判決を下すことで自分たちの役割を遂行しつつある。

委員会の独断専行と、加盟国の国民や議会を不必要に混乱させることなく物事を成し遂げる能力には感嘆するしかない。これらの政策とそれを実施するプロセスが一見すると技術的に複雑であるかのように見えることは、物事を密かに進める上で好都合であるが、実際にはこれらの政策は非常に単純である(また、すべての書類の上にドイツの指紋が付いていると付け加えておこう)。一方、新自由主義的な傾向が強いヨーロッパのメディアはブリュッセルの舞台裏で起こっていることを問題にする理由が見当たらず、市民による介入が手遅れになるまで抵抗に蓋をしようとしている。これらのすべては、新自由主義の一層の勝利とヨーロッパ経済の失敗が迫っていることを告げている。いや、失礼、失敗と言っても、90%の人々にとっての失敗に過ぎない。それ以外の人々は大丈夫だ。ご心配なく。マーティン・ウルフが最近の「フィナンシャル・タイムズ」紙で、ヨーロッパの情勢についてタキトゥスを真似て述べたように、「彼らは砂漠を造り、それを安定と呼ぶ」。
posted by attaction at 21:06 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする