2007年04月22日

公正な社会を目指して−国際的な投機マネーに課税を! 4.30CTT(トービン税)講演会

講演
ヘイキ・パトマキ(フィンランド・ヘルシンキ大教授:政治学)
カタリナ・パトマキフィンランド・グローバル民主化のためのネットワーク研究所理事)

日時 4月30日(月)13:30〜16:30
場所 東京・文京シビックセンター3F(地下鉄・後楽園、春日)
入場料:800円(資料代込)

主催/連絡先:
ATTAC Japan(首都圏)
市民を支援するために金融取引への課税を求めるアソシエーション
  〒113-0001 東京都文京区白山1-31-9小林ビル3F
  e-mailアドレス: attac-jp@jca.apc.org
  Tel:03-3813-6492、Fax:03-5684-5780
  携帯:070-5575-6647
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2007年03月07日

『トービン税入門』『マネー革命』

ctt2.jpgATTACが導入を目指しているトービン税、最近では通貨取引税と呼ばれています。英語ではCurrency Transaction Taxといい、略してCTT。

ATTAC Japan(首都圏)ではCTT部会をつくって月一回のペースでCTTや金融のグローバリゼーションに関する勉強会をしています。

3月4日のCTT部会は5名の参加で『トービン税入門』(ブルノ・ジュタン著/社会評論社)の第一章「通貨投機を抑制する税」の前半部分をやりました。(21ページから49ページ)
(画像は2005年WSFでのCTTキャンペーンセミナー)
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2007年01月11日

ブリュノ・ジュタンさんと語るもうひとつの世界--講演録

20061013jetin01.JPG2006年10月13日、ATTACフランス学術委員会メンバーで『トービン税入門』(社会評論社)の著者であるブリュノ・ジュタンさんを囲むattac cafe「ブリュノ・ジュタンさんと語るもうひとつの世界」が行われました。

多岐にわたるジュタンさんの講演からattac japanも多くを学ぶ必要があるでしょう。

またcafeに先立って行われた「討論会 ブリュノ・ジュタン(ATTACフランス学術委員会)さんを囲んでトービン税──新自由主義グローバリゼーションに対抗する国際戦略」の講演録も主催団体の一つ、ピープルズプラン研究所の機関紙『ピープルズプラン研究』の最新号に掲載されていますので、そちらもぜひご覧下さい。

ATTAC Japan(首都圏)通貨取引税部会では、今後『トービン税入門』をテキストにして学習会を行います。(次回部会は2月4日(日)14:00〜attac事務所にて)
ジュタンさんの講演録を読む
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2006年11月24日

国際的な投機マネーに課税を!通貨取引税(トービン税)導入を求める市民運動の呼びかけ

tobin-tax3.jpeg 2005年9 月14日から16日にかけて開かれた国連総会にあわせて、世界各地で国連ミレニアム開発目標(MDGs)達成を求める市民の声が高まりました。この高まりの中で、トービン税もMDGsのための有効な資金調達策として注目されています。しかし、本来トービン税は、貧困問題の根本的原因に踏み込む深い理念と幅広い目的をもった税制度です。私たちATTAC Japanは、2005年10月に以下の通り声明を発表し、改めてトービン税=通過取引税の理念と目的を確認するとともに、日本での導入を強く訴えていきたいと思います。

通貨取引税(トービン税)についてはattacのサイトにも資料がありますので、ご参照ください。

呼びかけの本文を読む
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2006年11月09日

U2のボノもタックスヘブンを狙う

bono.jpgU2のボノが税金を払わないで済むように、自分の制作会社をアイルランドからオランダに移した、というものです。attacフィンランドのミカエルさんは、「ボノの脱税の話は、『貧困根絶のために立ち上がれ』などといった上っ面のコンセプトによって、我々に思い違いをさせないための見事な合図だ」と語り、「我々は、グローバルな民主主義のためのグローバルな通貨取引税キャンペーンを続けよう」と言っています。

私たちはトービン税(通貨取引税)の導入を、単に貧困根絶のための財源として求めるのではなく、新自由主義を葬り去るための一つの方法として、グローバル・ジャスティス、グローバル民主主義を求めるために運動を展開してきました。これは、先日来日されたATTACフランスのブリュノ・ジュタンさんも話しておられたことです。

以下、フィンランドのミカエル・ブックさんからいただいた情報です。
原文は、international herald tribuneの10/17付のニュースです。


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2006年10月17日

10・13「ジュタンさんと語るもうひとつの世界」よかったです!

20061013jetin02.JPG13日に行われた「ジュタンさんと語るもうひとつの世界」では、attacフランスのジュタンさんから前前日の講演会に続き、とても興味深い話をしていただきました。

金融投機に課税する通貨取引税(CTT)がなぜ必要か、どのように課税されなければならないのか、なぜ新自由主義と闘う必要があるのか、なぜアジアでは重要なのか、どのように問題意識を広めるのか、なぜ公共サービスやGMOなどの課題に取り組むのか、なぜ債務帳消しが重要なのか、など多岐にわたって、attacが取り組むべき、そして取り組んできたことなどを交えながら、話していただきました。分かりにくい金融投機の問題を分かりやすく広めることの重要性なども提起されました。
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2006年10月05日

【討論会】ブリュノ・ジュタン(ATTACフランス学術委員会)さんを囲んで トービン税──新自由主義グローバリゼーションに対抗する国際戦略

0870.jpeg日時 10月11日(水) 18時30分開場
場所 渋谷区立大向区民会館(渋谷駅下車10分)

地図

内 容 ビデオ上映、講演、各団体からのコメント、討論など
参加費 500円

【ブリュノ・ジュタンさんを囲む会】
連絡先
ピープルズ・プラン研究所
 〒162-0042 東京都新宿区早稲田町75 日研ビル2F tel/fax:03-5273-8362
社会評論社
 〒113-0033 東京都文京区本郷2-3-10 お茶の水ビル tel:03-3814-3861

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2006年10月03日

ATTAC cafe2006-10-13 ブリュノ・ジュタンさんと語る「もうひとつの世界」--通貨取引税とオルターグローバリゼーション

0302a_big.gifATTAC cafe 2006-10-13
国際的な投機マネーに課税を!

ブリュノ・ジュタンさんと語る「もうひとつの世界」
通貨取引税(Currency Transaction Tax=CTT)とオルターグローバリゼーション

日時 10月13日(金)18:30〜21:00
場所 江東区総合区民センター  青少年和室(6F)
交通 地下鉄新宿線「西大島」駅を上がってすぐ
会費 無料(非会員の方は500円/事前にご連絡を)    

 このたびATTACフランス学術委員会メンバーで通貨取引税の専門家であるブリュノ・ジュタンさんが来日することになりました。ブリュノ・ジュタンさんは著書『トービン税入門』(社会評論社)のなかでも通貨取引税の実現性と取り組むべき課題を提示しています。フランス政府をはじめ各国政府が航空チケット税などの「国際連帯税」というグローバルな課税を実施する中で、通貨取引税が提起した本来の目標と私たちが取り組むべき課題は何なのか。ブリュノ・ジュタンさんとともに「もうひとつの世界」に向かうオルターグローバリゼーション運動の方向性を話し合います。会員以外の方の参加も大歓迎です。

第2回世界社会フォーラムでのATTACフランスのセミナー報告(ブルノー・ジュダン2002/2/23)

【ブリュノ・ジュタン(Bruno Jetin)さん】
パリ・ノール(パリ第13)大学経済センター経済学教員。自動車産業の社会的生産モデル、発展途上国の労働市場と労働組織、金融市場の規制などを研究。ATTACフランス学術委員会メンバーで、資本規制、通貨取引税、その他国際公共財と開発の金融のためのグローバル課税を担当。グローバル課税を支持して欧州議会で証言、世界社会フォーラムに参加。関連論文多数。現在はタイで自動車多国籍企業の分析をしている。(社会評論社『トービン税入門』より)

主催 ATTAC Japan(首都圏) attac-jp@jca.apc.org


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2006年09月02日

2006/10/14 attac cafe アジア・ヨーロッパ・ピープル・フォーラム・in Helsinki報告

inside-background_image.gif9月10〜11日、フィンランド・ヘルシンキで、ASEM(アジア欧州会合)の第6回首脳会合が開催されます。

これに対して、Attacフィンランド、NIDGなどを中心とするフィンランドのNGO、市民団体、労働組合、社会運動団体が、9月3〜6日、オルタナティブな民衆フォーラムを開催し、首脳会合に対して行動を起こします。

The Asia-Europe People's Forum (AEPF)のサイト

この民衆フォーラムには、Attacフィンランドから、Attacジャパンに対して熱心な参加要請があり、参加することになりました。今のところ、欧州とアジアの約80のNGOが参加登録しているとのことです。

AEPFの詳細を読む
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2006年07月08日

【声明】「通貨の番人」福井俊彦日銀総裁は何をしてきたのか?

【声明】「通貨の番人」福井俊彦日銀総裁は何をしてきたのか?

日本経済の「通貨の番人」ともいわれる日銀総裁の正当性が疑われる事件が起こりました。

証券取引法違反の容疑で逮捕された村上世彰氏が率いる村上ファンドに日本銀行の福井俊彦総裁が、ファンド設立当初に1000万円を出資、6年間で1.5倍もの運用益を上げ、村上氏への捜査のうわさが広がっていた2月に投資契約を解除していたという事件です。

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2004年07月01日

スーザン・ジョージ:ベルギー下院の参考人として

attacgeorge.jpg《解説》2004年7月1日、ベルギー下院で「通貨取引税に関する法律」が可決された。以下は、ベルギー下院に参考人として発言したスーザン・ジョージのスピーチである。
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2003年06月24日

Q1:金融取引税とは何でしょうか?

金融取引税とは、金融市場での取引全体に課される低率の税金のことです。証券取引市場・外国為替市場・デリバティブ〔金融派生商品〕市場で行われている金融取引その他、金融市場のプロによって取引されている金融商品すべてに関わる税です。

何を課税対象とするのでしょうか?

株式、債券、外国為替、デリバティブです。デリバティブには、株式・金利商品・為替・定期取引と連動する先物オプションなどがあります。
  
 証券取引所での取引も〔取引所外での取引である〕場外取引も対象ですが、金融市場参加者間の取引に限定されます。商品の決済、賃金の支払い、外国送金など、一般の消費者によって行われる取引は課税対象外です。銀行同士の短期資金融通や、〔融資や決済など通常の〕銀行業務も同様に対象外です。


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Q2:金融取引税を支持する政治的論拠はどのようなものですか?

経済を不安定化させる投機の牙を抜くことが必要です。

カジノ経済(そこでは財やサービスよりもカネが主要な交換対象になる[*1])がこの20年間に爆発的に発展しました。生産的経済 および雇用創出と、純然たる投機でしかなく「バブル」の形成に至る大部分の金融取引との間に齟齬が生ずるようになりました。1990年には世界の名目GDPの15倍にすぎなかった金融取引総額は、たとえば2008年には74倍に達しました。過去10年間に、デリバティブ取引は文字通り爆発的に発展しました[1]。金融取引税を導入すれば、社会的に望ましくない取引を制限し、 それがもたらす害悪を自己の内部で処理させて、市場の機能不全を(いわゆる「ピグー式の」課税で)[2]是正させることができるようになります。

社会において金融のもつ権力を縮小させる必要があります。

 資本の運動の自由化は、並外れた社会的権力を資本保有者に与えることになりました。資本保有者たちはたった一回のクリック、たった一本の電話だけで、取引所から取引所へと巨額のユーロやドルを移し、それによって世界中の企業・賃金労働者・国家を競わせることができるのです。金融投資家が過去20年近くも毎年10%を上回る収益率の確保に成功してきたのは、産業部門と国家に鉄の規律を強制してきたからです。これらの金融取引のコストを引き上げれば、生産的経済にかけられた圧力を多少は緩和できるでしょう。とりわけ取引量が大幅に減ることで、金融機関の収益と社会的権力は深刻な打撃を受けることになるでしょう。そうなれば、目下は盤石の国家エリートと金融エリートの同盟を揺さぶり、新自由主義にかわる政策を実施することが、より容易になるでしょう。

新しい財源が緊急に必要なのです。

 国家は新たな財源調達手段を緊急に必要としています。財政赤字を削減し、景気浮揚と社会保障のための財源を調達する必要があります。経済協力開発機構(OECD)の労働組合諮問委員会(TUAC)によれば[3]、金融危機は富裕国の財政赤字を毎年およそ3000億〜4000億ドルずつ悪化させています。さらにミレニアム開発計画目標の資金源として1680億ドル、地球温暖化対策のために1560億ドル(適応策に860億ドル、緩和策に700億ドル)が少なくとも必要となるでしょう。

各国・大陸・世界レベルで富の再分配に着手し、その負担を金融部門に担わせる必要があります。

 金融が引き起こした危機のせいで増大した失業や雇用不安というツケを市民が支払うなんて、そもそも受け入れ難いことです。財政再建の負担が市民に回されることはなおさらです。今後の数年間に、国家は赤字削減手段を見つけなければならないでしょうが、金融部門が負担を免れる一方で個人所得税や間接税(付加価値税)、社会保険料(失業手当などの財源)が引き上げられるなどということを市民は受け入れないでしょう。

[1] Schulmeister, WIFO, 2009.
[2] ピグーは、20世紀初頭のイギリスの経済学者。税制に関して「汚染者がその除去費用を負担する」という考えを提唱した。財源調達だけでなく、経済主体の行動の変革も目的としたもの[*2]。以下を参照。Zsolt Darvas, Jakob von Weizacker, Breugel, << Financial trasaction tax : Small is beautiful >> ; Study for the European Parliament's Committee on Economic and Financial Affairs ; January 2010 ;
http://www.bruegel.org/ne/publications/show/publication/financial-tramsaction-tax-small-is-beautiful.html
[3] The parameters of a financial transaction tax and the OECD global public good resource gap,2010-2020. TUAC Secretariat, February 2010 ;
http://www.tuac.org/en/public/e-docs/00/00/06/7C/document_doc.phtml

[*] 編者補注
1.イギリスの国際政治経済学者、スーザン・ストレンジは、金融が実物経済を上回って人間社会に影響を与える経済を、「カジノ資本主義」と命名した。「カジノ経済」は、ストレンジのこの言葉と同じ意味と考えてよい。(スーザン・ストレンジ著『カジノ資本主義』岩波現代文庫 2007年刊)
2.企業は何らかの商品(財・サービス)を生産して利益を得る経済主体である。生産にあたって、企業はコストを少しでも削減するため、しばしば有害な廃棄物を海や空に捨てながら生産を行う。海や空に捨てれば、処理のコストはゼロである。しかし、そうなると海にはヘドロが堆積し、大気は汚染されていく。そして、多くの場合、これら有害物を除去するのは政府のような公的機関が税金を投入して行う。つまり、有害物質の発生によって利益を得るのは企業であり、税金という形でコストを払うのは市民である。アメリカの経済学者ロナルド・コースは、このような企業と市民との関係を「経済の外部性」という概念で説明している。このような不公平を改めるため、イギリスの経済学者アーサー・セシル・ピグーは環境を汚染した企業からコストを徴収するべきだと提唱した。汚染を発生させた主体にそれを除去するためのコストとして徴収する税を、ピグー税という。このピグー税は、環境税とも呼ばれている。金融取引税は、投機的金融取引により荒廃した経済を立て直すためのコストを、ヘッジファンド等の経済を荒廃させた主体から金融市場を通して徴収し、それを環境対策や途上国の貧困対策等に使おうというものである。ただし、現在では環境の負荷を除去するという目標水準を達成するため、税率を柔軟に上下できる方法を採用するボーモル=オーツ税として考察されることが多い。なお、金融取引税は、普段は非常に低い税率をかけ、投機的取引には禁止的な税率をかけることで金融の暴走を止めるという、トービン・シュパーン型の税制が支持されている。詳しくは本論のQ7、Q8、Q9を参照されたい。



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Q3:金融取引税を導入するための技術的論拠は?

・短期的な投機が中心となった現代の金融市場では、取引が増大し資金の流動性が高まっています。

・最も差し迫った問題は資産価格の長期的なボラティリティ[*]にあります。短期的な取引のせいで資産価格は長期的に大きく変動するようになりました[1]。そうした長期変動ゆえにバブルが発生し、1987年の暴落〔ニューヨーク株式市場でのブラックマンデー〕以降繰り返し見られるように、実体経済はとんでもない悪影響を被ってきたのです。

・均一的な金融取引税を導入すれば短期的な投機から得られる利益は大幅に減少しますから、資産価格を安定させ、新たな危機の防止に寄与します。
・金融取引税の導入により国家は多額の税収を確保できます。これは社会福祉や環境問題の資金源として、特に超国家レベルで活用できます[2]。

・また、金融危機により生み出され、今後何年も続くことになる大幅な財政赤字の縮小が期待できます。

・国際金融に対する金融規制当局の監督機能の喪失に歯止めをかけることもできるでしょう。金融取引税は規制当局がリスクの代償を正確に評価できなくても、有効に働く監督手段となるからです。

・金融取引税を導入すれば、銀行は実体経済への資金提供という本来の機能を取り戻すようになるでしょう。

・金融部門には現在、十分な税金が課されていません。例えば、付加価値税〔消費税〕の納付義務がありません。金融部門は過去数十年の間に著しく拡大し、支配的な経済[アクター] の担い手となりましたが、納税額はごくわずかなままです。金融取引税を導入すれば、金融危機を引き起こした張本人である金融部門に対して、それによる財政負担を負わせることができます。

・金融取引税は〔導入のための〕費用があまりかからない解決法です。この税を証券取引所で徴収するのは容易です。

・銀行による破綻処理・預金保険 への基金拠出(IMF税)、大銀行に対する課税(オバマ税)など、投機の抑制と新たな税収の確保のために現在検討されている他のいかなる手段と比べても、金融取引税は優れています。

[1] Rodney Schmidt, ≪ Notes on the feasibility and impact of a general Financial Transaction Tax ≫, Civil society consultation with the IMF on financial sector taxation, Jan 28, 2010, p. 4.
[2] Stephan Schulmeister, ≪ A General Financial Transaction Tax : A Short Cut of the Pros, the Cons and a Proposal ≫, ≪ A General Financial Transaction Tax : A Short Cut of the Pros, the Cons and a Proposal ≫, WIFO Working Papers, 344/2009 , 20 Seiten, p. 3.以下のウェブサイトに掲載。
http://www.wifo.ac.at/wwa/jsp/index.jsp?fid=23923&id=37001&typeid=8&display_mode=2

[*] 編者補注:ボラティリティ(不安定変動性)とは、価格が変動する幅に対する比率であり、確率偏微分方程式で価格の変動を決定する「ブラック=ショールズ方程式」の基本的なパラメータ(媒介変数)である。


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Q4:なぜ市民団体が推進しているのでしょうか?

市民社会の様々な団体が金融取引税に関心を示しているのには沢山の理由があります。

財源の創出

金融取引税は多くの金融商品を対象とするため、ごく低率の課税でも多額の税収が得られます。そのため、膨れ上がる公的債務と財政赤字の補填、ミレニアム開発目標や気候変動の緩和・適応策の資金源など、北側諸国でも南側諸国でもいろんな措置を推進できるようになります。

開発のための財政的見通しの確保

金融取引税に対する市場の反応が収まる数年後には、税収額の合理的な予測が可能になり、政府は将来に向けた計画を実施できるようになります。

社会的公正を推進

金融取引税は、政策を改善し社会的公正を実現する手段になります。金融危機による財政負担は市民ではなく金融部門が負うことになります。金融に課税することで、賃金や消費への圧迫を軽減することができるので税制がより公平なものとなり、社会が無用の犠牲を強いられることを避けられます。

金融に本来の役割を取り戻させる

金融取引税を導入すれば、国際金融に対する金融当局の規制能力の喪失に歯止めをかけ、金融は実体経済に資金供給するという本来の役割を取り戻すことになります。


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Q5:誰が賛成? 誰が反対?


金融取引税に賛成しているのは誰でしょう?

・多くの支持が集まっているのはヨーロッパです。フランスのサルコジ大統領とドイツのメルケル首相は、2009年9月にピッツバーグで開催されたG20サミットで金融取引税についての議論を呼びかけました。フランスとベルギーは2000年代初頭に為替取引への課税を導入する法案を可決しましたが、当面の税率はゼロとし、EUの決定を待っています。オーストリアも為替取引への課税を強く支持しています。

・EUレベルでは、欧州議会が2010年3月25日に採択した決議の中で金融取引税の導入を加盟国に呼びかけています。欧州理事会でも3月25・26日に検討するとの方針を打ち出しています[1]。

・ニューヨークに次ぐ世界第2の金融センターの監督当局である英金融サービス機構(FSA)のターナー長官は、肥大化した金融市場を縮小させるのに資本規制だけで不十分ならば「金融取引税を喜んで検討する」と答えています[2]。

・2009年11月にスコットランドで開催されたG20蔵相会議で、ブラウン英首相は金融取引税の導入が選択肢としてあり得ると表明し、IMFおよび米国・カナダ蔵相の反発を買いました。

・一方、米国議会では証券取引への低率課税を支持する議員たちの主導により、法案が審議されています。[3]

・米国の経済学者ジョセフ・スティグリッツやポール・クルーグマン、またダニ・ロドリックやジェフリー・サックスおよびポール・ヴォルカーも金融取引税に賛成しています。

・名だたる投機家であるジョージ・ソロスやウォーレン・バフェットでさえ金融システムの不安定性への懸念から、同様に金融取引税への支持を表明しています。

・政治のトップレベルでも議論が起きています。2009年9月のピッツバーグ・G20サミットに集まった各国首脳は、「銀行システム再建のための政府介入に関わるあらゆる負担の分担において、金融部門が公平かつ大規模に貢献す るために、各国が実施済み或いは検討中の様々な施策」の検討をIMFに委託しました。IMFは4月にレポートを提出することになっています。しかしIMFとしては金融取引税についての調査はしても勧告までは踏み込まないでしょう。


反対しているのは誰ですか?

・シティーとウォール・ストリート、それに銀行・金融業界ロビーです。

・米国財務当局(ガイトナー財務長官、サマーズ前国家経済会議委員長)もそうです。

・それにIMFとストロス・カーン専務理事。

・EUの中では、デンマークやスウェーデンなど幾つかの国と、コチコチの新自由主義を支持する新加盟国。

・エコノミスト誌とファイナンシャル・タイムズ紙。

[1]「金融取引への国際課税のような革新的財源に関する報告書が、近いうちに欧州委員会から提出される予定である。」(2010年3月25・26日のEU首脳会議の最終文書)
[2] Paul Taylor. Enthusiasm Builds for Financial Tax Data. The New York Times.
http://www.nytimes.com/2009/09/22/business/global/22inside.html
[3] ≪ Large Wall Street bonuses spark talk of new levy on financial industry ≫, LA Times, January 12 2010


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Q6:金融取引税と、〔フランス政界で〕ベルナール・クシュネールやジャン・ボルローが提案した為替取引税とはどこが違うのですか?

・為替取引税は、外国為替の取引(ある通貨と別の通貨の交換)にかかる税です。

・為替取引税はクシュネールが開発援助、ボルローが地球温暖化対策に充てる目的で革新的財源として提唱しました。税率はごく低く、目的はもっぱら税収の確保で、投機の制限ではありません。というのもあらゆる国際的な為替取引にわずか0.005%の税を課したところで取引量の縮小にはほとんどつながらないからです。[1]。

為替取引税は年間330億ドルの税収をもたらすとされますが、国際公共財の構築に向けた資金としては極めて不十分な額でしかありません。

・金融取引税は、為替取引税とは以下の点で異なっています。

a) 金融取引税は為替取引だけでなく、金融市場におけるあらゆる取引を対象とします。

b) 投機を抑えるために、税率は大幅に(10倍から100倍)高くします。取引の量と回数からして、低めの(ただし為替取引税ほど低額ではないが)税率でも、はるかに大きな税収が得られることになります。

[1] Rodney Schmidt, ≪ la Taxe sur les Transactions Monétaires : Taux et revenus Estimés ≫
Institut Nord Sud, octobre 2007. Voir extraits pp. 4-9
http://www.nsi-ins.ca/english/research/completed/03.asp


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Q7:では、トービン税とは何ですか?

・ト―ビン税[*]も為替だけが対象でした。1970年代に経済学者ジェイムズ・トービンが提唱し、通貨投機を抑えるために、税率は目下提案されている為替取引税よりも100倍高く(0.5%)設定されていました。しかし今日では、金融取引全体を対象とするにせよ(金融取引税)、為替取引だけを対象とするにせよ、投機抑制を(主な)目的としたものだけを「トービン税」と呼ぼうという考え方があります。その意味では、目下提案されている為替取引税はトービン税とは呼べません。投機抑制を目的にはしていないからです。

・ドイツの経済学者パウル・ベルント・シュパーンがアジア金融危機後に提唱した「二段階式」トービン税(トービン・シュパーン税)では、「通常」の為替取引にはごく低い税率を想定する一方で、ボラティリティの時期には通貨への投機的な攻撃を阻止するために、ずっと高い「正常化税」を想定しています。金融資産価格の大幅な値動きを当て込む投機ファンド(ヘッジ・ファンド)を封じるという発想です。

[*]編者補注:トービン税(通貨取引税)についてさらに詳しく知りたい場合は、さしずめ以下の文献を参照されたい。
『トービン税入門―新自由主義グローバリゼーションに対抗するための新戦略』ブリュノ・ジュタン著 2006年 社会評論社刊、『新自由主義よさようなら』ATTAC Japan(首都圏)CTT部会編 2009年


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Q8:どのような税率を想定しているのですか?

・金融取引税で提案されている税率はさまざまですが、おおむね0.01〜0.5%です。ほとんどの案では取引の種類に応じて異なる税率を考えています。ロドニー・シュミットのように、隠れた費用も考慮に入れて一律の税率を設定すべきだとする専門家もいます[1]。取引の種類によって税率が異なれば、投資家は税率の低い取引に流れるという懸念からです。

・上記の税率だと、1000ドルの株式または債券の取引コストは0.1〜5ドル程度になります。しかも、納税義務はそう頻繁には発生しません(これらの証券を実際に売買する時だけです)。他方、デイ・トレーダーの場合は、もっと頻繁に費用が発生します(毎日、さらには1時間単位で)。したがって税率は、「実体」経済の担い手による折々の取引にあまり影響しない程度に低く、投機的取引には大きな影響を与える程度に高く設定すべきです。

[1] Rodney Schmidt, January 2010


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Q9:どれぐらいの税収が得られるのでしょうか?

・生じる税収は、対象取引の範囲とそれぞれに適用される税率との双方によりけりです。オーストリア経済研究所の試算によれば、0.05%の税率を全面的にかけた場合、取引総額が65%減るとしても、年間4470億〜1兆220億ドルの税収が得られます[1]。

・米国の政治経済学調査センター(PERC)は、複数の税率を仮定して(株式0.5%、債券0.01%、スワップ0.01%)、米国市場だけで約3500億ドルという数字を出しています[2]。

・オーストリア経済研究所もPERCも取引総額の低下を予想していますが、それが3分の1になったとしても、税収は現在の世界の開発援助予算総額を上回る見込みです。
それが現在の開発援助予算に上乗せされることになるのでしょうか?

・金融取引税ができれば、GDP比0.7%という開発援助の目標を目下達成していない富裕国が、現行の開発援助を削る口実にする懸念があります。開発NGOが求めているのは逆に、金融取引税の分をまるごと上乗せすることです。

[1] Stephan Schulmeister, ≪ Une taxe Générale sur les Transactions ≫,WIFO, 2009, Table 1. 2007年の世界経済における金融取引総額(世界のGDP総額65兆6100億ドルの0.68〜1.56%)への課税を想定した試算。
[2] Dean Baker, et al., ≪ The Potential Revenue from Financial Transactions Taxes ≫, Center for Economic Policy and Research, Issue Brief, December 2009. On-line :
http://www.cepr.net/documents/publications/ftt-revenue-2009-12.pdf


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