2020年05月29日

【5・1】Fridays For Fair Financial(FFFF)=公正な金融のための金曜日@日銀前スタンディング(その5)

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【司会】京極紀子(attac首都圏)

【発言】
・加藤匡通さん(茨城反貧困メーデー実行委員会)
・諸豆腐さん(attac首都圏)
・そらさん(attac首都圏)
・名波ナミさん(地下翻訳者)
メーデ宣言紹介 

当日の様子は“ATTAC-Japan Radio20200503(Mayday special)”で聞けます。

(前半は日中のメーデー集会、FFFFは45分ごろから)

【発言要旨】

◎加藤匡通さん(茨城反貧困メーデー実行委員会)

日銀前メーデーの後、千葉県松戸市で行われた全関東単一労組のメーデーに参加してきました。3時から松戸市役所の玄関で、市立病院と学校に関しての申し入れを行い、そのあと30分弱位、松戸の街中をデモ行進しました。

松戸の市立病院については、松戸市長が「ドライブスルー方式で検査する」と発表したことに対する団体交渉。市立病院の職員たちはそれについて何も知らなく、「そんなことは聞いたことない。それどうやるんですか?どこでやるんですか?」と問い詰めても、市側は答えられない。当然そんなこと詳細が決まってなく、市長が思い付きでしゃべっているだけで、誰も知らないわけです。

もう一つは、学校の定期雇用の職員が雇用延長されず、雇止めされたことに対して、組合としての申し入れです。他の人たちは継続して雇用されたのに、自分だけ雇止めされたのはなぜなのか、その理由を教えて欲しい、ということで。考えられるのは、組合活動をしていて、いろいろと意見や文句を言うから、それで解雇されたんだろう、どうなのかと。

やりとりをしているうちに、「全権を預かってきた」と人事課長が出てきた。市長や教育長への申し入れなのに、人事課長が全権を預かるとは全く理解しがたく、また実際何も判断できない。見ていて心温まるというか、心寒くなるというか、日本の行政というのは、こういう風に動いているんだなと実感し、いやな気分になった。

千葉でのデモは、初めてだったんですが、実は、千葉県には公安条例がないんです。それで、デモに交通整理も含めて警官官が出てこないんですね。もちろん、公安は来るんですが、いわゆるデモにくっついてくるお巡りさんがいないんで、交通整理も全部自分たちでやったんですね。通った道は松戸の市役所から駅にかけてで、そんなに大きくなく、ここ日銀前より狭い道で、車もバンバンくるわけではなく、ある意味のどかな感じのデモだったんです。

みなさん、警察官がいないデモなんて想像できますか? 夢のような、デモでした。日本中至るところでこういうデモが見られたらどんなに素晴らしいことか、報告としては以上です。


◎諸豆腐さん(attac首都圏)

・国債の無制限購入
4月27日の金融政策決定会合についてお話します。今回の会合で「国債を無制限に購入」という報道がされました。これまで年間80兆円をめどに購入するという上限を撤廃したということです。昨年は14兆円程度の購入ということで、市場にでまわっている国債の40%以上を保有している日銀の国債保有率を下げていくようにしてきたのですが、3月からのパンデミック恐慌に際して、政府が新規国債の発行を大幅に拡大することから、それに対応したものだといえます。

・日銀の社債の購入拡大
日銀はもうひとつ緩和策を発表しています。それは大企業が短期的な資金をあつめるために発行する社債やコマーシャルぺーパーという、いわば国債の企業版という金融資産の購入のさらなる拡大です。この政策が導入されたのはリーマン後の2010年10月の白川総裁の時の「包括的な金融緩和」で「異例の対応」として実施されました。これがアベノミクスの異次元緩和ではニュー・ノーマルな業務になってしまったわけです。27日の会合では、CPと社債の買い入れ枠を、それぞれ1兆円から7.5兆円、合計15兆円に拡大します。現在保有するCP2兆円、社債3兆円の合計5兆円と合わせた20兆円に拡大します。

・社債購入は大企業のレバレッジ=借金救済
以前、ANAやトヨタなどへの巨額の融資枠を日銀マネーが支えていることは発言しましたが、このCP社債というのは会社の借金なわけです。リーマン以降の事業会社はこの借金経営=レバレッジ経営の拡大を進めてきました。それが経済危機でいっきに危機に陥ったのです。日銀の社債やCP購入拡大は、社債やCPを発行することができる大企業の失敗した経営の救済にもなります。リーマンやこれまでの金融恐慌とはことなり、今回のパンデミック恐慌では、金融機関の決済ができなくなってしまうという事態は起きていません。しかしたとえば「米デルタ航空は現預金28億ドルあるが毎日6000万ドルの現金が流出し、1か月半で干上がってしまうので54億ドルの政府支援を受け入れた」とか、アメリカン航空も58億ドル、ユナイデットは50億ドルの政府支援を受け入れたなど、巨大企業の狼狽ぶりが報じられています。

・リーマン以降に膨れ上がったレバレッジ経営
巨額の現金はあるのですが、そのいっぽうで巨大な借金もあるのです。それはこの間の金融緩和によって世界中でマネーがあふれ低金利だったので資金を調達しやすくなっていました。また、リーマンショックで金融機関に強い規制がかかるようになったことから、マネーの多くは社債やCPなどに流れました。株主第一の経営で投資家が重視したのが、自己資本1あたり、どれだけの純利益を生みだすのかという自己資本利益率(ROE)です。大企業は借り入れたマネーで自社株買いなどで株主に還元してきました。こういう借金経営はレバレッジ経営とよばれ、リーマン以降急増し、世界の上場7500社でも(総資産に占める有利子負債の比率は12年以降増加し19年には32%と18年ぶりの高水準など)増加しています。もちろん日本の大企業も同じでしょう。

・証券会社:日銀緩和は「満額回答」
今回の日銀緩和に対して証券会社は「満額回答」と喜んでいます。報道でも「日産自動車やANAなど幅広い企業が恩恵を受けそうだ」と言われています。おそらくレバレッジ経営をやってきたのでしょう。日本の社債とCPの発行残高は90兆円。今回の日銀枠20兆円は社債残高の15%、CP残高の4割にも上ります。まさに日本株式会社の財務部門となった感じのある日本銀行が発行する借用書=日本銀行券は、日本株式会社の社債となっています。

・危機を乗り越えてもまだ資本主義をめざすのか
民間の調査機関では100万人の失業者が出るという予測もあります。日経新聞では連日のように、ステークホルダー資本主義、つまり株主資本主義ではなく、労働者もふくめた利害関係者すべての利益になるような資本主義こそが望ましい、というキャンペーンに必死です。リーマン後にもこのような主張はたくさんでました。今回もまた同じです。しかし日本資本主義を救おうとしている日本銀行そのものが持続不可能な領域に完全に踏み込んでしまっています。

そして日銀の政策は、このパンデミック恐慌にいたってもいまだ、金融緩和というモルヒネ治療から抜け出すことができません。安倍政権を倒すこと、それも持続可能な資本主義という、幻想を持たずに倒すことが、日銀の金融政策を根本的に転換させる近道にほかなりません。


◎そらさん(attac首都圏)

私は医療従事者なので、医療に関して最近の情勢を見ていて気付いたことをお話したいと思います。
「検査されていないことの問題点」、「医療崩壊という言い訳」、「地域格差を減らすということ」、「今できること」、「消費への見直し」などです。

・「検査がされていないことの問題」
実際に症状が出ても、検査してくれない。医師が必要だと思っても、できない。これは保健所のキャパの問題というものでもないし、保健所職員が決められる権限なんて持っているわけでもない。結論から言うと、じゃあ私たちは誰に対して怒らなくちゃいけないのか、と言うと、それは、厚労省なり、政府なりなんです。どうしてなんだろう、ということにとどまらず、どうしてそれをしないのか、しない大本は何なのか、というところに目を向けていきたい。

・「医療崩壊という言い訳」
検査を一気にできない理由として、医療崩壊ということが、当初から使われてました。確かに陽性が判明して、症状がないけど隔離が必要な人から、症状が出始めて治療をしなければいけない人まで全てを、ベッドのある病院でみるとなったら、パンクするのは多くの人は分かるわけです。地域格差もあるわけなので、地方で感染爆発したら、医療崩壊するというのも分かります。
でもヨーロッパで既にコロナウイルスは感染拡大している状況を、日本は先行例として見てるわけです。
じゃあ、現状の医療体制を変えることは難しいわけだから、医療崩壊しないような新たな策を講じなければいけない、というのも分かっていたはずなんです。
それを医師会のせいにするとかいろいろありますが、政府がきちんと現在行われているような、ホテルを隔離施設として使うということを、早々と決めなかったことが問題だと思ってます。

軽傷者を、家ではなくて、健康状態をチェックできるような体制の下で隔離できれば、検査をばんばんやっても問題ないわけです。現状の、病院にすぐ入院させることではない、という状況が作れていれば、すぐに医療崩壊につながる問題にはならないと思います。検査する人が少ないところでいきなり検査ができるのかという問題もありますが、それは徐々に拡充していけるものです。

だから、医療崩壊するっていうのは、政府の、策を講じないための言い訳でしかない、と思ってます。
要は、医療崩壊という言葉が、マジックワードになってしまっている。トランプのジョーカーを出されてしまっている。今ある体制で何とかしようということになると、そのマジックワードに縛られてしまう。なので、政府には、言い訳としての“医療崩壊”という言葉を使うな、と言っていきたい。

・「地域格差を減らすということ」
今各都道府県ごとに、無症状者でコロナ保菌者と言われる人はホテルを使って隔離するシステムが4月中旬あたりから、できてるところは稼働している。でも地域ごとにやれるのだろうか。どうしても余力のない地方自治体はどうしたらいいんだろう、と困るのではないか。

国の言い方は、“家にいなさい”、次は、“地方自治体で何とかしなさい”、となっている。
いつまでたっても国が医療に予算を出そうとしない、それは違うと言っていかないと、現状は変わらないのかな、と思います。

・「今できること」
福島原発事故の時、“有難う”とか“感謝する”という動きがすごくたくさん生まれ、気持ち悪かったんですが、それがまた現れた。行政自体も、“医療従事者に拍手を”ということを言い始めた。これ何が問題かというと、感染症の治療にあたる医療従事者は自らの身を守りながら治療にあたらないといけないのに、予防や防護のための医療資源が決定的に不足している。例えば、マスクを週1回しか交換できないとか、N95マスクを洗って使っているとか。これは、医療従事者がよって立つ根底が崩れるような、科学的根拠が覆されるくらいの驚き、恐怖です。今までやってきたことは一体何だったんだろうと!?
医療物資が少ない中で、行政から、拍手や感謝をと言われるのは、「命を落としてでも、そこで従事しろ」と言われるようなもの。これは、“戦前の、戦線に行く兵隊さんに旗を振って見送った”、というのと変わらない、戦前から続く精神論でしょう。
そういうことに対して、“拍手よりマスクを”送れというハッシュタグを付けた、ツイッターデモがあり、トレンドにもあがりました。今日はメーデーで、厚労省への要請行動や、首相官邸前でのアピールでもそういった主張をする団体がありました。まだまだやれることがあるのではないか、と思います。

・「消費への見直し」
以前の日銀前行動で、「例えコロナが終息したとしても、消費することの問題を考えなくてはならないのでは?」という発言がありました。私も、消費の仕方とか、生き方とかを考え直す出来事だった、と思っています。

今回のコロナウイルスは先進国を中心に拡大したわけで、南からの批判として、ブラジルのファベーラという地域に住んでいる人たちは、「金持ちの病気だ、そういう病気を持ち込むのは金持ちだ、かれらは飛行機でばんばん移動できるから」、と、排他的な感覚というよりは、ストレートな気持ちで語っています。なかなかそういうことを言う人はいないんですけど、多くを消費することを見直す、最後の警告の機会として求められているんだ、と受け止めています。


◎名波ナミさん(地下翻訳者)

最近attacの仲間に入れてもらって、初めてここに来ました。やっぱり外に出るのが怖いし、大勢の人と会うのも怖いし、今日ここに来るのは命懸けだし、ここに来た人はみんな、命懸けで訴えたいことがあって来てるんだな、と思いました。

このコロナの状況になってから、何か手に負えない気分で、何かを分析しようと思っても、その分析が全然間に合わない、ただただ圧倒されている毎日で、消え入りたいような気分になります。
この社会の一員であるのが、すごく恥ずかしい、と感じますが、気を取り直して、私は子供じゃない、この社会に責任はあるな、と、私は普段だったら、路上に出ようと言うんですが、今はそう簡単には言えない状況ですね。

家の中で自分に何ができるかなと考え、多少英語ができるので、海外ではこのコロナの状況に対してどういうことをやっているのか、調べて翻訳してみようと始めました。

アメリカやヨーロッパは、日本より先にパンデミックを経験しているので、参考になりそうなものを探していると、「ウイルス禍を生き延びるアナキスト・ガイド」に出会いました。

アメリカでは、「家賃ストライキ」がすごく広がっています。
そもそも、家賃って人権侵害だ、と私は思うんです。
ただ、そこに生きて、そこに誰かがいるだけでお金がかかるんです。それはおかしいと思うんです。ただ生きて、そこにいるだけで、地主・金持ちが、私たちがただ生きているということをもって、お金を取っている、むしり取っていく、というこのシステム自体がおかしい。

このコロナの状況で全然払えないよ、「Can’t pay Won’t pay」というスローガンがあります。“払えないんで、払いません”という意味で、それがどんどん広がっていて、4月は1/3、借りた物件に住んでいる人の1/3が家賃を払わなかったそうです。それは素晴らしいなあ、と思ってます。

どうやって家賃ストライキを組織して、継続していくか、そのハウツーがものすごい勢いで出回っているので、それも翻訳したので、良かったら見てください。

家賃ストライキで訴えられていることで、家賃をゼロにしろ、半額にしろ、ということだけじゃなくて、結構広範な5つの要求というのを、この人たちは訴えて、広く共有されているので、それも紹介します

5つの要求とは
1は、医療を無料にしろ
2は、働かせるな
3は、借金の支払いをなくせ
4は、獄中にいる人を解放せよ
5は、すべての人に住まいを提供しろ

アメリカには、1700万もの空き家がある。これは、コロナによって住居を失って、何の用意もなくウイルスに曝される50万人を収容するには十分な量です。日本もそんなに変わらない状況だと思います。
「空き家を開放して、住まいを必要とする全ての人が使えるようにせよ」

ここで注目すべきは、“囚人を解放しろ”です。獄中にいる人、拘置所、刑務所、移民収容所、入管施設にいる人の全員解放を求めているというのが、注目ポイントです。“Social distance is Privilege”(ソーシャル・ディスタンスは特権だ)、という言い方も広がっていて、本当にすごいと思うんです。
ステイホームできて、ソーシャル・ディスタンスが実践できる人は恵まれている、ごく一部の人だと思います。その反対側にいる人たち、入管にいる人たち、監獄に居る人たちは、ソーシャル・ディスタンスの特権の反対側にいる人たちです。

衛生環境が悪いところにすし詰めにされていて、そこがコロナの感染の中心になってしまっている。
ある意味死刑宣告と同じです。そういう人たちがいることも、市民運動として注目した方がいいのではないか、と個人的には思ってます。

資本家たちとか、権力者たちは簡単に国境を超えて、自分たちの利益のために協力し合っている、うちらがそういう協力をしないで、日本国内だけで何かをやっているというのは、負けて当然だと思います。  

海外の事情を紹介させてもらいましたが、海外の仲間は何をやっているのかに注目して、必要な時は協力すべきだと思います。

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posted by attaction at 09:50 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする