2020年04月07日

【香港】コロナ・パンデミックと金融危機

20200403_may.jpg

3月21日の日銀前スタンディング=パンデミック恐慌VSパンデモスの連帯(その1)に、香港のグローバリゼーションモニターのMayWongさんが香港の状況のレポートを寄せてくれました。その場で少し紹介しましたが、全訳が揃ったので紹介します。4月3日のパンデミック恐慌VSパンデモスの連帯(その2)でも配布しました。こちらからPDFファイルをダウンロードできます。写真は集会でグローバリゼーションモニターのブースで市民と談笑するメイさんです。

==============

【香港】コロナ・パンデミックと金融危機

MayWong:グローバリゼーションモニター(香港)

新型コロナウイルス感染症の蔓延は一月から始まり、中国から香港、そして世界中に拡大しました。アメリカに広まってからは、金融危機が世界に拡大しました。アメリカのマーケットは感染症の拡大に敏感に反応し、金融市場は大暴落、サーキットブレーカーが発動され政府による市場取引の停止という事態にも発展しました。ここからもグローバルな金融危機が一発触発の状態であることがわかります。香港も影響を免れることはできません。世界同時株安によって香港の株式市場でも暴落が発生しています。人々が直面する経済的危機は、2008年の危機よりもさらに厳しいものになるでしょう。

◎経済「氷河期」に突入

感染症が拡大するなか、市民は外食を控え、不要な支出を控えています。旅行へ行く人ももちろん大幅に減少しました。これらの産業は「氷河期」に突入しており、小売りや飲食関連では、2月の売り上げが9割も減少したところもありました。航空業界では4月にはいると96%ものフライトが中止になる見込みだといいます。すでに多くの労働者の収入が減少しており、今後も店舗や企業が休業するなどにより、多くの労働者が路頭に迷うことになるでしょう。

空前の経済危機を前にして、香港政府は新年度の予算案を提出しました。今年度の財政赤字額は378億香港ドルに達しており、この間、比較的安定していた財政からしても、巨大な赤字額になります。香港政府は300億香港ドルの市場救済策を提案していますが、それは市場を救済するものであって、民衆の生活を救済するものではないことは明らかです。財政局長の説明では成人ひとりに一万香港ドルの給付金を支給するのは9月になってからだからです。局長ははっきりと、この一万香港ドルは感染症が収まったのちに、市民の消費を促して経済を活性化させるために支払われるものだと述べています。この300億香港ドルの市場救済では、多くの産業がその恩恵にあずかることができないことから、各業界では次々に記者会見などを開いて苦境を訴えていいます。

◎パンデミック下の香港の新しい労働運動

感染症の大流行に対して、香港政府の対応は常に後手後手に回ってきた。中国政府の態度を見てから対策を決めてきたからです。また、その対策は香港人の求めるものとは全く違ったものでした。感染症防護用の基礎的衛生用品、効果的な防護措置、中国からの人の移動の制限など、すべて不完全、あるいはまったく対処できず、感染症の拡大を抑えることができなかったのです。

公立病院の看護士らのストライキは、急転直下の防疫状況の下にあって2万人で結成されたばかりの「医管局員工陣線」(HAEA/公立病院医療スタッフ労組)の組合員によって打ち抜かれました。これは香港史上初めての医療従事者によるストライキでした。ストライキのおもな要求は次の通りです。香港がパンデミックになり、医療労働者らが過度な負担を強いられ、医療制度が崩壊することで、市民の苦痛に苦痛を与えることを避けるため、香港政府は対外的な全面封鎖を行い、新型コロナウイルスの拡散を防ぐこと。組合は5日間のストライキを打ち、行政長官との公開対話を要求しましたが、拒否されました。結局、要求は受け入れらませんでした。組合は9000人が参加した組合員大会での採決を行い、ストを解除して職場復帰する選択が多数を占めました。ストは敗北したましたが、若い世代の組合指導部が形成されました。彼女らは引き続き運動に参加しつづけるでしょう。

◎投票結果に示される香港市民の不満

反送中運動は2019年11月の区議会選挙で政府への不満を表明しました。選挙結果は民主派及び黄色陣営(本土派を含む反政府派)の大勝でした。これによりほとんどの区議会の正副議長も反送中運動の陣営出身の議員が就任しました。
今年(2020年9月)の立法会選挙で、香港市民が再び投票行為で政府への抵抗の意思を示すことができるかどうか、見ものです。

◎新しい情勢の下で運動を継続しよう

今日(3月21日)は去年7月21日に元朗地区発生した白シャツ自警団らによる暴行事件から8か月目に当たります。これまで毎月31日は多数のデモ隊が押し寄せることを警戒して「元朗駅には止まりません」という政策がとられてきましたが、今日は初めてそれが解除されました。反送中運動が香港政府の治安対策にとってそれほどの脅威にならなくなった証拠だとおもいます。現在に至るも元朗事件の襲撃者は誰一人正式に起訴されていません。

しかし経済の不況と社会的雰囲気の緊張によって、人々の怒りが再び露わになるかもしれません。香港人は新たな形勢下で運動を継続し、必ずや要求を実現するであろうことを信じています。

五つの要求 すべて実現しよう!

2020年3月21日
posted by attaction at 13:43 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする