2015年03月24日

水の私物化・民営化に抗議するアイルランド全国デモ



みなさま

昨日、アイルランドの首都ダブリンで政府の水道政策に反対する大規模デモが行われました。

NHKのアイルランド版、RTEは3-4万人と報じていますが、主催者発表で「一説に8万人」、航空写真を見た人は「こりゃ10万越えた」という人もいます。

メディアではよく「水料金反対運動」のように紹介されますが、別に水道はこれまでもタダだったわけではありません。

自動車税その他の税金から賄われ、水の管理は各州自治体の仕事でした。

債務危機勃発後(まあ、それ以前からも)政府はアイルランドの資源や公共事業を多国籍企業に切り売りしてきたのですが、水に関しては各州の管理下にある限りそれができない、ということで、全国で一括して水を管理するアイリッシュウォーターという会社を設立したわけです。

このアイリッシュウォーターは純然たる私企業なのに、行政機関を装い、国民にはアイリッシュウォーターと契約する義務がある(この「契約」なのに「義務」という手法はNHKもとってますね)と国民をだまそうとしてきました(契約書には詳細な個人情報を書く項目があります)。

そういう法律があるわけでもないのに、契約しないと刑事罰がある、とか、給料や福祉手当から天引きされる、借家の場合は大家に支払い義務が生じ、借家人は追い出される可能性がある、という根拠のない情報を流して人々を不安に陥れる作戦を取ってきました。

一方で大手メディアは、「予定されてる水料金は欧州一安いのに」「運動は過激化・暴力化している」と政府べったり。

「運動は縮小、減速している」と見せたかったわけですが、昨日の集会で見事にその目論見は覆されたわけです。

欧州金融危機以後、緊縮政策が導入されたギリシャ、スペイン、イタリアなどで大規模街頭抗議行動が起こる中、アイルランドだけはじーーーーーーっと静かで、このまま静かに耐えて終わるんじゃない?と欧州でも見られてたみたいです。

だからここに来て全国で大規模な抗議行動が突然起こって、欧州人の友達からも「アイルランド人、なに考えてんの?」と言われます。

これまでも学校・病院閉鎖、公務員削減などへの抗議行動は起こってきましたが、全国民規模へは広まりませんでした。

それはひとつには、金融危機の直前までバブルで、多くの人は懐には貯金があったこと、どんどん削られてるとはいえ、まだまだ福祉の保護が手厚いことが理由に挙げられます。

それでも仕事がなく、若者はどんどん海外に出て行くといって社会の閉塞感が増しているところに、この水問題、誰にでも関係する抗議行動が起こったわけです。

抗議運動参加者は、これが別に「料金」の問題でないことをよくわかっています。

これまで金融危機以降明らかになってきた不正の総決算であり、自分たちの子どもたちのために水への権利を勝ち取る闘いであることを。

下の記事、英語のままで申し訳ないですが、たくさんビデオや写真があって、見るだけで楽しいのでぜひクリックしてください。

今のギリシャの闘いが成功するように、連帯の気持ちをこめて、たくさんギリシャの旗も掲げられています。

◎ Water charge protest: Tens of thousands attend Dublin rally

(記事の中に約100万世帯(全国世帯の約2分の1)がアイリッシュウォーターに登録したと書かれていますが、アイリッシュウォーターは「契約拒否」と書かれて返送された分も「詳細不明」のまま契約したことにしていて、その数も含まれています。)

おおくらじゅんこ

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posted by attaction at 10:49 | 公共サービス、反民営化、労働 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする