2007年04月22日

公正な社会を目指して−国際的な投機マネーに課税を! 4.30CTT(トービン税)講演会

講演
ヘイキ・パトマキ(フィンランド・ヘルシンキ大教授:政治学)
カタリナ・パトマキフィンランド・グローバル民主化のためのネットワーク研究所理事)

日時 4月30日(月)13:30〜16:30
場所 東京・文京シビックセンター3F(地下鉄・後楽園、春日)
入場料:800円(資料代込)

主催/連絡先:
ATTAC Japan(首都圏)
市民を支援するために金融取引への課税を求めるアソシエーション
  〒113-0001 東京都文京区白山1-31-9小林ビル3F
  e-mailアドレス: attac-jp@jca.apc.org
  Tel:03-3813-6492、Fax:03-5684-5780
  携帯:070-5575-6647

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★☆ このたびATTACジャパンは、5月4〜7日に京都でアジア開発銀行(ADB)年次総会に合わせて開催される京都市民フォーラムに参加してもらうために、フィンランドからヘイキ・パトマキさんとヘイキ・カタリナさんを招聘しました。

 ヘイキ・パトマキさんは、市場原理を追求する新自由主義を批判し、公正な社会の実現のために国際通貨取引税(トービン税)の導入を提案し、そのための国際条約「条約草案」(2002年世界社会フォーラムで発表)を起草しています。

また世界社会フォーラムの開催に貢献したグローバル民主化のためのネットワーク研究所(NIGD)の理事であるヘイキ・カタリナさんは、途上国の貧困をなくすために不公正な途上国債務を帳消しすべきであるとして、世界規模で社会正義を実現していくために国際通貨取引税を盛り込んだ「ワールド・パブリック・ファイナンス」というコンセプトを提唱しています。☆★



 今日、世界的な金余り現象は投機マネーとなって世界を駆け巡っています。とりわけ、日本においては、投資ファンドの形となってM&A(企業の吸収合併)が展開されています。またアジア規模で見るなら、先日、チェンマイで開催されたASEAN財務相会議で、金融不安、通貨危機が議論され、IMFアジア版とも称されるチェンマイ・イニシアティブを強化する新体制の創設が確認され、ADB総会で正式提案されることが報じられています。これは、各国財務当局が'97年のアジア通貨危機の再燃の可能性を想定しているとも読み取ることができます。

 そもそも投機マネーとは、政府の規制の及ばない国際金融市場の中を自由に動き回り、資本移動、税金逃れを繰り返しながら、利潤を追求します。その結果、租税を基盤とした社会保障の枠組みが崩れ、その代償を増税ないし、福祉予算の縮小という形で、国際金融取引とは無縁な民衆が払わされているのです。さらに、ひとたび財政赤字に陥れば、巨大企業や富裕層は、ますます自らの資産を増やすために「小さな政府」を要求し、累進税率の緩和、法人税率の引き下げ、投資に対する優遇措置、自由化・規制緩和を実現させようと政府に圧力を加えます。富裕層の「自由」の代償を、幾重にも低所得者が払う、これが現在のグローバリゼーションの実態なのです。

 このような投機マネーの動きに歯止めをかけ、世界のすべての人々が貧困と飢え、環境破壊の影響から解放されることが優先される社会経済を実現していく必要があります。そのための有効な策として、私たちはヨーロッパなど多くの国々で提案されている「通貨取引税(トービン税)」の導入を提案します。

皆さん、ぜひ上記の集会にご参加ください。

※通貨取引税に関してはこちらをご覧下さい。

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◆ヘイキ・パトマキ(Heikki Patomaki)

 フィンランド・ヘルシンキ大学国際関係学部教授(政治学)、オーストラリアRMIT大学グローバリゼーション&グローバル研究所イノベーション教授。グローバル民主化のためのネットワーク研究所(NIGD:世界社会フォーラム国際評議会設立団体)研究員。Center of Excellence in Global Governance Research(フィンランド・アカデミー所属)副代表。フィンランド政府省庁および国会の専門家アドバイザーを経験。ベルギー、デンマーク、イタリア、スウェーデン、英国などの各国政府省庁、ならびにOSCE(欧州安全保障協力機関)などの国連機関から要請を受けて専門家としての助言を提供する。さらに欧州、南北アメリカのトランスナショナル市民社会組織にも助言を提供する。
 グローバリゼーション/金融のグローバル化を民主化するために最高の武器としてトービン税を活用すべきであるという主張を展開し、とりわけ、ブリュッセル自由大学のリーベン・A・デニス教授とともにトービン税(国際通貨取引税)導入のための具体的な条約案「Draft Treaty on Global Currency Transactions Tax
(条約草案)」起草し、2002年2月1〜5日第1回世界社会フォーラムで発表。現在、日本語を含む5カ国語に翻訳されている。

◆カタリナ・パトマキ(Katarina Sehm Patomaki)

 債務問題を専門とするエコノミスト。民主化に関する国連事務総長レポートの作成にあたりフィンランド報告代表元責任者。NIDG創設メンバーならびに元代表(1999-2000)で、現在同理事。NIGDの世界社会フォーラム、および国際通貨取引税(CTT)プロジェクトの責任者。

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ヘイキ・パトマキさんの主要著書/論文
主要著書:
Democratizing Globalization: The Leverage of the Tobin Tax (Zed Books,2001)
After International Relations: Critical Realism and the (Re) Construction of World Politics (Routledge, 2002)
A Possible World: Democratic Transformation of Global nstitutions (with T.Teivainen, Zed Books, 2004)
Political Economy of Global Security: Future Crises and Changes of Global Governance (Routledge, forthcoming in late 2007)

主要論文:
「グローバリゼーションを民主化するためにトービン税の活用」に関する論文:
−「現在のグローバルな金融システムを改革するために、野心的かつ実践的な最高の提案としてトービン税を活用する」という内容については、Millennium: Journal of International Studies, 30:3, 2001
−堅固な議論を提供して、金融グローバル化を民主化するための議論を建設的に進めるためにトービン税を活用する」という内容については、International Affairs, 78:2, 2002

最新論文:
Global Tax Initiatives: The Movement for the Currency Transaction Tax,
Civil Society and Social Movements Programme Paper Number 27, January 2007,UNRISD(国連社会開発研究所)

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★なお、トービン税講演会は、京都市民フォーラムでも開催されますので、こちらにもご参加ください。

5月4日(金)13:00〜17:00、ハートピア京都(地下鉄丸太町)
 スピーカーは、ヘイキ・パトマキ、カタリナ・パトマキさんの他に、アジアのNGO、Freedom From Debt Coalition、JubileeSouth, Focus on the Global Southから、そして日本からの問題提起を予定しています。

★上記の他、4月29日(日)に千葉大地球環境研究センターでも講演会が予定されています。


posted by attaction at 10:18 | 通貨取引税(トービン税)、金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする