2012年12月07日

第9回アジア・ヨーロッパ民衆フォーラム(AEPF9:ラオス・ビエンチャン)

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10月16日から19日にラオス・ビエンチャン、第9回アジア・ヨーロッパ民衆フォーラム(AEPF9)が開催されました。アジア・ヨーロッパ民衆フォーラムは毎年、ASEMの開催地で、ASEMの開催時期に合わせて開催されています。今年はラオスでの開催で、アジアとヨーロッパから1000人の市民が集まったようです。以下のプレスリリースと最終宣言を読むと、アジアとヨーロッパの社会運動団体が現在取り組んでいる課題や、活動家の問題意識がよくわかります。

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プレスリリース
アジア・ヨーロッパ民衆フォーラム国際組織委員会
2012年10月、ビエンチャン(ラオス)

原文(英語) http://www.aepf9.info/index.php/en/

10月16日から19日にラオス・ビエンチャンで開催された第9回アジア・ヨーロッパ民衆フォーラム(AEPF9)には、アジアとヨーロッパから1000人の市民が集まった。このフォーラムは「市場の規制緩和や多国籍企業の力の増大を中心にしたシステムではなく、人々の利益を中心とする世界を要求する」ことを目指して開催された。第9回アジア・ヨーロッパ民衆フォーラムは、11月にラオスで開催される第9回ASEM(アジア・ヨーロッパ会合)に参加する政府に対する要求と、われわれの発展戦略に焦点を当てた。

AEPF9は以下の4つの主要なテーマを取り上げた。

+ 普遍的な社会的保護と基本的サービスへのアクセス
+ 食糧主権と持続可能な土地と自然資源の管理
+ 持続可能なエネルギーの生産と利用
+ 公正な労働と持続可能な生活条件

AEPF9に先立って、私たちは南アジアと東南アジアで3回にわたって準備のためのワークショップを開催してきた。ラオスでは16の県でコンサルテーション(諮問会合)を行った。それによってラオスの広範な市民社会組織を代表する人々からの意見、希望、構想が集められた。

AEPFはアジアとヨーロッパで人々が経験している著しい不平等、不公正と貧困に鋭い焦点を当てた。しばしば「金融危機」として語られているものは、実際には一連の相互に結合している危機- 食糧、エネルギー、気候、人間の安全、環境の劣化 - の一部であり、それらはすでに生活を壊滅させ、アジア全域で数百万人の人々が日常的に経験し、ヨーロッパにおいても拡大している貧困と社会的排除を結合させている。AEPF9に集まったアジアとヨーロッパの市民の間では、過去数十年にわたって採用されてきた支配的なアプローチ - 市場の規制緩和と、多国籍企業や無責任な国際機関の力の増大と、貿易自由化を基礎としている - がすべての市民のニーズと権利を実現するという点で失敗だったということが共通認識となっている。私たちは少数の金融機関や大企業の利益となる短期的な政策のみを追求する分析や対応を超えて進む必要がある。変革と、新しい、人々の利益を中心とする政策とその実施に対する心の底からのニーズと要求が感じられる。

10月19日に開催された記者会見で、次の発言が行われた。

アンディ・ラザフォード(AEPF国際組織委員会メンバー、英国):「私たちは、根本的な変革のためにビエンチャンに集まった。規制のない市場、不公正な貿易、公共サービスの民営化の強制を特徴とする現在のシステムは大多数の人々に何の恩恵ももたらさず、金融危機や気候変動を引き起こし、複合的な危機をもたらした。貧富の差が拡大し、資源や生活手段や基本的なサービスへのアクセスは依然として著しく不平等である。AEPFは重要な成果と成功を収めた。市民団体、NGO、社会運動を代表する1000人余の人々が参加した。これは、フォーラムに参加した組織の将来の活動に、大きなインスピレーションとなるだろう。フォーラムの最終宣言は本日、ラオス政府に手渡され、第9回ASEM首脳会合(ASEM9)において各国首脳に配布されることが確約された。ASEM9はASEM参加国の政府が、ここに示されている問題に対応するために必要とされている迅速かつ断固たる行動を取るための歴史的機会である」。

メアリー・アン・マナハン(フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウス、フィリピン):「私たちは世界的な水の危機に直面している。水資源に対する圧力や水不足がこれほど深刻になったことはない。 AEPFは、国際金融機関がどのようにして水の危機を利用して、水の略奪を助長し、企業がどのようにして水資源や水道サービスを強奪してきたを明らかにしてきた。一方、タイやメコン川流域諸国における大規模灌漑事業や水力発電は、米作や川での漁業を基盤とした食料安全保障に悪影響を及ぼしてきた。岩盤を水圧で破砕して地中の天然ガスを抽出する新しい技法は、水質汚染のリスクが高い。AEPFは、企業による水資源の略奪に抵抗するために、市民社会が連合を形成することを呼びかける。私たちはアジアとEUの政府に対して、水の問題、特に水の割り当て、分配、管理について人権の観点からのアプローチを支持することを要求する。私たちはまた、人々の利益を中心とする公正で生態学的に持続可能な代替策を促進し、支持するよう要求する。そのような代替策の感動的な例として、タイにおいて、公共の電力および水道サービスが私企業の支配に挑戦し、地域社会、特に先住民や農民の間での伝統的な水管理の方法を奨励している」。

マリアナ・モルタグア(債務監査運動、ポルトガル):「AEPFに集まった社会運動、組織、市民は、現在ヨーロッパで行われている緊縮財政政策、自由化、そして労働者と社会的権利への攻撃が一層の貧困と経済的災禍をもたらすだけであると考える。それは1990年代の危機に見舞われ、構造調整プログラムと、失業、緊縮財政政策、最も貧しい層への増税、不当な債務の負担、民営化、金融規制緩和を強制されたアジア諸国における経験を繰り返すことである。AEPFは各国政府に対して、緊縮財政プログラムを中止し、銀行や市場への債務の支払いを停止し、貿易や金融の自由化と民営化をやめて元に戻すよう要求する。私たちはEU各国の政府がトロイカ(IMF、欧州中央銀行、欧州委員会)との間で交わした覚書や財政条約、および不公正な財政政策を破棄することを供給する。私たちは公共のための予算の資金を調達するために、金融市場によらない新しい方法を必要としている。私たちは雇用を創出し、不安定雇用化を反転させるために公的資金を投資するような公共政策を必要としている。私たちは労働者階級の尊厳を取り戻す」。

バイシャリ・パティル(ジャイタプール反核運動、インド):「AEFPの中で、私たちは『原発と核兵器に反対するアジア・ヨーロッパ・イニシアティブ』を発足させた。福島の事故が起こってしまった後では、原子力プロジェクトが人類と地球に及ぼす危険を誰も否定できない。私たちはアジアとヨーロッパの政府に対して、ドイツ政府がやったように、すべての原子力発電を段階的に廃止するよう訴える。私たちはまた、あらゆる核兵器の廃止を要求する。経済危機が続き、何百万もの人々が依然として貧困と飢餓に苦しみ、生存のために苦闘しているとき、原子力エネルギーと兵器産業のために公的資金を投資しつづけることは絶対に受け入れられない。太陽光や風力のような再生可能エネルギーは、化石燃料や原子力より低コストで、安全で、しかも効率的であることが証明されている。このアジア・ヨーロッパ・イニシアティブは、最初のアクションとして、インド政府が非暴力的な方法で原発建設に抗議している運動と数千人の住民に対して行っている弾圧を非難し、インド政府に圧力をかけることを計画している。私たちはインドへ国会議員の使節団を送り、インドの反核運動や、現在世界最大の原子力発電所の1つが建設中であるジャイタプールなどの現地を訪問することを計画している。私たちはもう1つの福島が起こるのを防ぎたい」。

ソンバト・ソンフォン(国内組織委員会、ラオス):「すぐに行動を起こす必要があり、教育が主要な課題である。私たちの社会、特に金持ちの国は、質素に生き、消費を減らすことを学ばなければならない。私たちは炭素排出量を削減しなければならない。私たちは、民間セクターが自分たちの利潤を増やすことだけを望んでいることを見てきた。私たちは、本当の幸せを得るために、そして私たちの社会が現在のシステムを再生産するだけのために大部分の時間を費やさなくてもよいように、問題の根本原因を解決しなければならない」。

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第9回アジア・ヨーロッパ民衆フォーラム
2012年10月、ビエンチャン(ラオス)
最終宣言


原文(英語)
http://www.aepf.info/aepf9/94-final-declaration-9th-asia-europe-people-s-forum-vientiane-laos

(要約)

2012年10月16-19日、ラオス・ビエンチャンで開催された第9回アジア・ヨーロッパ民衆フォーラム(AEPF9)にアジアとヨーロッパの民衆組織・市民を代表する1000人余の人々が集まった。このフォーラムは「貧困と闘い、持続可能な発展を求める民衆の連帯 - 不公正で不平等な発展に反対し、市民のための市民の国家を建設する」というタイトルの下で開催され、以下の4つの主要なテーマを取り上げた。

+ 普遍的な社会的保護と基本的サービスへのアクセス
+ 食糧主権と持続可能な土地と自然資源の管理
+ 持続可能なエネルギーの生産と利用
+ 公正な労働と持続可能な生活条件

AEPF9において私たちは、活動的な市民として、私たちの国の政府と私たち自身に対して提唱する戦略と勧告を作り上げることに焦点を当てた。AEPFはアジアとヨーロッパの全域で人々が著しい不平等、不公正と貧困を経験している歴史的に重要な時期に開催された。しばしば「金融危機」として語られているものは、実際には一連の相互に結合している危機- 食糧、エネルギー、気候、人間の安全、環境の劣化 - の一部であり、それらはすでに生活を壊滅させ、アジア全域で数百万人の人々が日常的に経験し、ヨーロッパにおいても拡大している貧困と社会的排除を結合させている。貧富の格差は拡大しており、資源、生活手段、基本的サービスへのアクセスは依然として著しく不平等である。ASEM9は、ASEM各国政府がこの問題に対処するために必要な迅速かつ断固とした行動を起こす歴史的な機会である。

AEPF9に集まったアジアとヨーロッパの市民の間では、過去数十年にわたって採用されてきた支配的なアプローチ - 市場の規制緩和と、多国籍企業や無責任な国際機関の力の増大と、貿易自由化を基礎としている - がすべての市民のニーズと権利を実現するという点で失敗だったということが共通認識となっている。私たちは少数の金融機関や大企業の利益となる短期的な政策のみを追求する分析や対応を超えて進む必要がある。変革と、新しい、人々の利益を中心とする政策とその実施に対する心の底からのニーズと要求が感じられる。

貿易の自由化、市場の規制緩和、民営化という政策の失敗にもかかわらず、私たちの政府は依然として、根本的な政策転換を求める多くの人々の共通の意思を無視している。人々のニーズを満たし、地域経済を再活性化するのではなく、数千億ユーロもの資金を銀行や金融機関の救済のために投入した。私たちの政府は、既存の法律、規制、基準、メカニズムに反して、人権、環境、労働者の権利を優先せず、企業の利益を優先してきた。このような企業による支配がもたらした結果は、アジアとヨーロッパの全域で、何百万人もの女性、男性、子供たちの生活に影響をもたらしてきた。エリートたちが貧困、不平等、環境破壊と社会不安の増大のための条件を生み出すような政策を、市民がほとんど、あるいは全くチェックできないところで立案し、実施する中で、民主主義的な責任が空洞化されてきた。

私たちは、ASEM参加国の政府に対して、現在の危機を解決するための、人々の利益を中心とする効果的で責任のある政策を実施するよう要求する。最も優先されなければならないのは、貧しい人々や排除され、周辺化された人々のニーズであり、政府は市民と協力して公正で持続可能な世界につながる政策や、人々に対して責任を負う民主的な機構 - ジェンダーの平等、環境と基本的人権の尊重を基礎とする - を発展させ、実現しなければならない。

AEPFは、貧困と不平等に対して闘い、社会的公正を目指して活動しているアジアとヨーロッパの社会運動の戦略的な市民社会的集まりである。AEPFは、アジアとヨーロッパの全域における民衆の組織や社会的公正のためのネットワークの中での、対話と連帯と行動のための新しい結集場所を設けるという共通の希望に根ざしている。以下の行動の呼びかけは、4日間にわたって開催された多くの活気に満ちたエキサイティングなイベントからの提言を基にしている。

行動の呼びかけ

AEPF9は、ASEMとその参加国政府が、以下の問題や優先的課題を認識し、私たちの提言を進める要求する。

A. 普遍的な社会的保護と基本的サービスへのアクセス

世界的に見ると、社会的保護を利用できるのはわずか20%の人々であり、アジアのほぼすべての国で、この割合はさらに低い。ヨーロッパでは福祉国家と社会契約は各国政府およびEUの諸機関によって系統的に浸食されてきた。社会的保護と基本的サービスへのアクセスは、仕事、十分な食糧、必要不可欠のサービス、社会保障を含む基本的な権利である。国家はこれらの権利を積極的に増進し、保護し、実現する義務がある。

革新的で普遍的な社会的保護のシステムと、オルタナティブ(代替的)な国家的発展戦略を合わせて導入する必要があり、それは自由化、規制緩和、民営化の新自由主義的政策を逆転させ、公正で、民主主義的で、持続可能な、人々の利益を中心とした発展を目指して、国家の主権を回復するような戦略でなければならない。

主要な提言
私たちは、私たちの政府に以下のことを要求する。

1. 社会的保護のシステムのための法律を制定し、予算を確保すること。働く権利(ILOの中核的条約に規定されている)、食糧、基本的サービス、医療、教育、水と衛生、エネルギー、適切な公営住宅へのアクセス、社会保障(高齢者、障がい者の年金、児童手当)、公正な生活賃金。
2. 普遍的な社会的保護のための十分な税収の確保のために、多国籍企業や富裕層、大地主への効果的課税(付加価値税のような逆進税ではなく)、金融取引税の導入、タックスヘイブンの銀行の機密の廃止、不正な債務の帳消しを行うこと。
3. ASEANにおいて、普遍的な社会的保護、すべての基本的な財やサービスの非商品化を含む「社会的アジェンダ」を採択すること。社会的保護は国家の下に置かれ、すべての人々が無償で利用できること。
4. 生活に不可欠な資源、財、サービスの共有制を確立する「国連・人類の共有財憲章」の制定と合意に参加すること。
5. すべての多国間/二国間貿易協定から「TRIPSプラス」条項(特に、公衆の健康と医薬品へのアクセスに直接的な影響を及ぼすデータ独占権と特許権の拡大)を除外すること。
6. 国連・障がい者の権利条約の批准と完全実施。障がい者および障がい者団体の、生活のあらゆる領域への平等な参加と完全なインクルージョン(包摂)。
7. すべての市民が自分たちの意見を述べ、尊重され、重要な決定に参加できるように保証すること。子どもの権利条約などの国際的な法的文書の基本的な順守。
8. すべての人々に良質な基本的教育を保証すること。マージナライズ(周辺化)された人々の子どもや若者への優先措置。
9. 識字と、生涯学習の基盤としての地域の知恵の尊重。
10. 「持続可能な発展のための教育」(ESD)の枠組みの中での良質の、参加型のカリキュラムを保証すること。
11. 持続可能な発展に向けた市民社会団体、政府、民間部門の間の積極的な協力を強化すること。
12. 全国的な開発計画の起草と検討へのすべての市民の参加をサポートすること。
13. 先住民族のための適切な社会的保護メカニズムを促進し、基本的サービスへのアクセスを保証すること。
14. 「企業の社会的責任」から「企業の社会的義務」への転換。「女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」(CEDAW)に基づいて、あらゆる人権侵害に対する予防、保護、訴追、賠償に誠実に取り組むこと。
15. 地域社会、特にマージナライズされているグループ(女性、マイノリティーなど)の身体的健康と社会的福祉のために政策と責任の強化。地域社会が、弾力性のある、公平な、インクルーシブな低炭素社会に向けて発展するために、政府、企業、国際金融機関に責任を負わせることを保証する。
16. 移住者が自分たちのアイデンティティと文化に応じて子どもを育て、地域社会に全面的に参加する権利。
17. すべての国が子供の親権に関するハーグ条約を承認すること。

B.食糧主権と持続可能な土地と自然資源の管理

アジアでは、「開発」の名の下に土地と資源の強奪が加速している。農業や採掘産業における大規模な投資が農村社会や生態系、人権、地域における食糧の安定的確保と食糧主権に多くの悪影響を及ぼしている。

ヨーロッパでは、アグリビジネスの国際競争力のための共通農業政策(CAP)によって、多くの農家が離農を迫られている。EUのバイオエネルギー政策、特に「再生可能エネルギーに関する指令」(RED)は、食糧生産に利用されるべき土地を大規模なモノカルチャー、燃料用作物の生産のための転用している。

銀行、ヘッジファンド、年金基金は金融市場において食品価格を投機の対象としており、その結果、小麦、トウモロコシ、大豆などの主食の激しい価格変動を引き起こしている。

私たちは世界的な水危機に直面している。多くの国では、水危機は国際金融機関(世界銀行、アジア開発銀行)によって利用され、企業や民間企業による水資源やサービスの買収をもたらしてきた。

社会運動の中では、食料主権が工業的農業モデルへの対案として掲げられてきた。食糧主権は、自分たちの食べ物、農業、畜産、漁業のシステムについて、国際市場の力に従属することなく決定する権利を基礎としている。それは全世界の農民、漁民、先住民族、女性、農村の青年、およびその同盟者によって提唱されている。

主要な提言
私たちは、私たちの政府に以下のことを要求する。

1. 土地や資源の強奪に反対し、食糧に対する人権を支持すること。「土地、漁業、森林に関わる所有権・管理権に関する責任ある統治のための自主的ガイドライン」(英国の社会運動団体が2011年10月に国連の「世界の食料安全保障に関する委員会」に提出した公開状)を実施すること。
2. 農民の権利に関する国連での継続的な取り組みを支持すること。
3. 貿易、農業、エネルギー、開発、環境、土地、水に関連する政策において人権を尊重すること。EUは「武器を除くすべて」協定(2001年に採択され、後発開発途上国からの輸入への規制を撤廃した)等の貿易政策がもたらした影響(いくつかの国では何千人もの人々が土地を追われている)について調査するべきである。
4. 「再生可能エネルギーに関する指令」におけるバイオ燃料の目標を削除すること。
5. アジアとヨーロッパにおける食糧主権を支持すること(EUの共通農業政策の改革のプロセス等を通じて)。
6. 小規模な生産者、農村女性、先住民のニーズに焦点を当てた進歩的、公的な農村開発戦略に投資すること。この戦略では人々の土地、水へのアクセスと、生物多様性を保護し、尊重すること。
7. 先住民族の集団的な生存と発展のための物質的、経済的、社会的、文化的基盤として、先住民族の土地、居住地域、資源に対する権利を尊重すること。これは開発プロジェクトに関わる意思決定における先住民族の完全かつ実効的な参加を含む。先住民族の、質素で炭素排出量が少ないライフスタイル、伝統的知識、伝来の技術、革新的な生産方法を通じた持続可能発展への貢献について理解すること。
8. 緊急の課題として、銀行や金融市場のトレーダーによる食糧投機を規制すること。すべての先物取引が規制された方法で決済されることを保証する法律を制定すること。銀行や大手業者による取引量に制限を設けること。

C 持続可能なエネルギーの生産と利用

過剰生産と消費を特徴とする現在の開発パラダイムは、経済と地球を救うために必要な長期的な解決策と相容れない。政府は気候の危機を低炭素社会への移行を始める機会として認識するべきである。

エネルギーへのアクセスは特権ではなく、基本的権利である。人々はエネルギー政策に対して発言権を持っている必要がある。水力発電ダムをめぐる多くの事例は、エネルギー問題の原因と解決策に関する合意の欠如を示している。

グリーン経済の下で、環境資源 - 共有財産 - 市場システムに組み込む新しい開発アプローチが提唱されている。しかし、そのようなアプローチは、真に持続可能な生活スタイルへの移行や、小規模農家、森林コミュニティの自立を妨げ、また、工業国における低炭素社会への移行を遅らせるだろう。また、グリーン経済の下で提案されている新しい技術(特に、遺伝子組み換え作物、ナノテクノロジー、バイオ燃料、ジオエンジニアリングなど)は安全が証明されておらず、主要に大企業に利益をもたらす。

特に、国際的な気候変動対策として確立された「排出権」市場は、環境上および社会的な利益がない、あるいは地域社会に有害であるようなプロジェクトの促進につながっている。また、国際的な気候変動対策は、多くの偽りの解決策をもたらしている。

国連は「先住民族の権利に関する国連宣言」(UNDRIPS)を採択しているが、「森林減少および森林劣化からの排出量の削減(REDD)に関する国連共同プログラム」はUNDRIPSに準拠するべきである。REDDプロジェクトには多くの未解決の問題があるだけでなく、プロジェクト実施地域における軍事化の傾向が見られる。多くの先住民族はREDDを拒否している。REDDはまた、気候変動への対策として効果がない。

廃棄物の生成は個人や企業による不適切な資源利用や廃棄の結果であるだけでなく、政府の政策の不適切さの結果でもある。再利用、リサイクルできない汚染物の生産や販売を禁止する必要がある。

主要な提言
私たちは、私たちの政府に以下のことを要求する。

1. EUは気候変動を緩和する責任を果たすために、貧困国にエコロジカル債務を支払い、発展のスペースの公平な配分を実現するべきである。そのために再生可能エネルギーを基礎とする持続可能なエネルギー・システムへの大規模な移行を実現する必要がある。
2. 継続的な拡大と自然の収奪を指向する生産と消費のシステムから、より持続可能で環境と親和的なシステムへ移行すること。
3. 代替的なエネルギー政策について人々が参加し、議論できる政治的環境を保証すること。影響を受ける地域社会の懸念やニーズを反映したエネルギー開発・生産のための参加型プロセスを作り出すこと。
4. 再生可能エネルギーを促進するための効果的で、社会的に公平かつ公正な政策を作成し、実施すること。特に、分散型のシステム、十分なエネルギーにアクセスできない地域の解消、エネルギー効率の改善。
5. 緊急に、原子力から解放された世界に向かって進むことを確約すること。既存の原子力発電所の廃炉、計画中の原子力発電所の開発中止、代替的エネルギーの利用の促進。
6. 小規模な発電設備を奨励し、コミュニティ・ベースのエネルギー・システムを強化するための野心的で真剣な案を検討すること。
7. 自然の共有財産の管理に対する人権の観点からのアプローチを支持すること。特に、水は人権であり、私有財産や商品や取引可能な経済財や単なる生産要素ではないことを明記した国連決議を支持すること。
8. 廃棄物を減らし、非生分解性プラスチックを段階的になくし、廃棄物を削減、再利用、再循環させるためのインフラや仕組みを確立するための全国的計画を立案し、実施すること。効果的で持続可能な廃棄物処理政策に違反する企業等に罰則を適用すること。
9. 森林地域の人々および地域社会が持続可能な方法で森林資源を使用し、管理する権利を承認すること。これはグローバルな森林/二酸化炭素削減スキームにもとづくいかなる開発または保全計画の検討にも優先されなければならない。

D.公正な労働と持続可能な生活条件

アジアとヨーロッパの両方で、労働と雇用の形態をめぐる劇的な変化が起こっている。地域による違いはあるが、多くの共通の特徴もある。アジアでもヨーロッパでも国境を越えた移動が増加している(人身売買の危険を伴っている)。雇用と安定した所得と持続可能な生活という希望は実現されていない。労働組合と団体交渉の権利が侵食されている。FTA(自由貿易協定)は労働者の権利と社会的保護の一層の解体につながっている。

アジアで支配的であったインフォーマル・セクターや臨時雇用、契約労働がヨーロッパにも広がっている。底辺に向けた競争が加速化している。多くの国の公共部門におけるコスト削減は雇用と基本的な社会サービスの低下につながっている。同時に賃金、所得、福祉の不平等と格差が拡大している。

労働における公正の概念を拡大し、すべての労働を含める必要があり、女性と男性、ケア労働と産業労働の間の不平等を是正し、地域コミュニティーや移住者の権利を保護する必要がある。連帯の経済、社会的、ジェンダー的、環境的に公正で持続可能な生活を実現するために、新しい組織形態と、異なる経済的な方向を探求する必要がある。

少数の多国籍企業が世界経済の40%を支配している。二国間投資協定や自由貿易協定における投資条項は多国籍企業の自由な行動を保証する機構の一部を成しており、先進工業国と発展途上国の両方において主権と民主的統治と人々の利益を脅かしている。

観光は巨大産業であり、グローバリゼーションの重要な牽引力である。観光産業の成長に伴い、地域社会の社会的、経済的、政治的、文化的権利がしばしば(特に貧困層や社会的弱者のコミュニティにおいて)の無視され、侵害されている。

労働組合、コミュニティー組織、社会運動、NGOは新しい連合を発展させることができ、種々の問題に関与し、異なる国や異なるセクターを結びつけることができる。社会運動と労働者の組織は、公正な労働条件と持続可能な生活と普遍的な社会的保護の実現を可能にするASEAN社会憲章を確立するために政府に働きかける必要がある。

主要な提言
私たちは、私たちの政府に以下のことを要求する。

1. ILOの家事労働者、移民労働者に関する条約や、団体交渉、コア労働基準(CLS)に関する条約を批准し(未批准の場合)、それに対応する国内法を制定し、実施すること。
2. 国籍や法的地位に関わりなく、すべての労働者が労働基本権、団結権、団体交渉権を保証されるようにすること。
3. 2006年9月にポツダムで開催されたASEM労働相会合で合意された約束、とくに一部の国における労働者の権利、団結権、団体交渉権、労働組合権の浸食との関連での約束を完全に実施すること。
4. アジアとヨーロッパのすべての国において、最低賃金や累進課税などの所得再分配政策を実施すること。
5. 生産と社会的再生産の間の不均衡に対処すること。ジェンダー平等のための政策は、労働市場と、無給のケア労働の両方をカバーする必要がある。社会的サービスの民営化をやめ、逆転させること。有給および無給のケア労働と社会的再生産の労働を、生産的で価値のある労働として認識すること。
6. 人々の利益を企業の利潤や強欲よりも優先させること。新しい投資協定の交渉を中止し、既存の協定を廃棄すること。少なくとも投資家・国家間紛争条項を再交渉し、削除すること。
7. 社会運動団体や労働者の組織と協力して、公正な労働条件と持続可能な生活と普遍的な社会的保護の実現を可能にするASEAN社会憲章を確立すること。
8. ツーリズムや商業、工業に関連する人権侵害について認識し、影響を受けている地域コミュニティーとの連帯を強化する。いかなる開発も人々の強制退去や自然破壊、人権侵害をもたらしてはならない。
9. 移住労働者の権利とディーセント・ワークと福祉を保護するための最低限の条件として、「移住労働者とその家族の権利と福祉のための国連条約」および関連する条約を批准すること。家族や他の関連条約の移住労働者とメンバーの権利の保護と福祉に関する国連条約を批准。市民社会および労働組合との協議に基づいて移住家事労働者の権利を保護すること。
10. 地域における種々の機関において、移住労働者の人権について、国連条約やILO条約、「女性に対するあらゆる形態の差別をなくすための条約」に準拠した基準を設けること。
11. 移住者と移住労働者、特に女性の性と生殖に関わる健康と権利についての進歩的政策を確立すること。
12. 移住者の結婚、国籍、家族、文化、政治参加に関わる権利を保証すること。これは(同化ではなく)自分のアイデンティティと文化に基づいて子どもを育てる権利を含む。
13. デイアスポラ(離散民)のコミュニティーを承認し、尊重し、保護し、そのための予算を伴う政策およびプログラムを実施すること。
14. 移民と難民の犯罪扱いをやめること。
15. アジア・ヨーロッパ規模における移住労働者の問題や他の労働関連の問題に関する法律文書や政策を確立するためのアジア・ヨーロッパ規模の三者(政・労・使)協議の機構を確立すること。
16. 短期または有期の雇用契約の廃止。例外的に必要とされる場合でも、その使用を制限するべきである。
17. 労働力のアウトソーシング(外注化)とあらゆる形態の間接雇用契約を廃止する。
18. CSR(企業の社会的責任)や多国籍企業の行動を監視しているグループなどの人権擁護活動家が、権利を要求している労働者について、アラート(緊急の支援要請)を発行し、企業や政府機関に対して働きかけ、一般大衆の関心を高め、労働者を支援することの重要性を認識すること。
19. 労働組合と人権活動家が貿易協定に労働条件および労働者の権利の保証を含めるように政府に働きかけることの重要性を認識すること。すべてのセクターと関係者の協力のメカニズムを発展させること。
20. 政府およびASEANが投資家と協議し、契約を交わす際には、労働組合が常にその過程に参加できるようにすること。

AEPF9の参加者はまた、平和、安全、人々の連帯が貧困削減と持続可能な発展のための前提条件であることに注意を喚起した。

主要な提言
私たちは、私たちの政府に以下のことを要求する。

1. 暴力的紛争の根本原因(たとえば、マイノリティーを尊重しないこと)に対処することによって平和を促進するための長期的な解決策 - 非暴力的な手段、民衆間の相互交流、国際法や地域内協力による紛争解決を優先する - を発展させること。
2. 安全への脅威に対する国連を通じた多角的、多面的な対処と国際法の原則の遵守。
3. 主権と人権の尊重に基づいて、外交政策や安全保障に関する共通の構想を発展させるために、地域間の紛争解決メカニズムを確立すること。
4. 女性が紛争によって特に被害を受けることと、平和と復興を和解に中心的な役割を果たすことを認識した国連安保理決議第1325号を履行すること。
5. 過激な宗教グループに対処する上で、教育の役割と、あらゆるレベルにおける宗教間の対話を重視すること。
6. 防衛予算、武器輸出、安全保障予算についての情報開示を保証するための国内法を制定すること。
7. 健康や教育のための予算を犠牲にしている軍事支出を削減すること。
8. 核不拡散条約(NPT)を地域間協力の基礎として活用し、核兵器のない世界を目指すとともに、ヨーロッパとアジアの非核化のための措置を講じること。
9. 武器の貿易や拡散を抑制するために責任を負うこと。武器の輸出入を制御するために国連の監視の下の透明かつ拘束力のあるメカニズムを確立し、合意すること。
10. クラスター爆弾禁止条約を支持すること。
11. (EU加盟国は)法的拘束力のある「武器輸出に関するヨーロッパ行動基準」を確立すること、(アジア諸国は)行動規準のための交渉を開始すること。
12. 大量破壊兵器からの生存者を支援し、保護すること。大量破壊兵器や化学兵器を製造する企業に、被害者への補償の責任を負わせること。
13. 紛争終結後の復興の一環として、トラウマの治癒と社会的和解のためのメカニズムを確立し、支援すること。

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