2003年06月24日

Q5:誰が賛成? 誰が反対?


金融取引税に賛成しているのは誰でしょう?

・多くの支持が集まっているのはヨーロッパです。フランスのサルコジ大統領とドイツのメルケル首相は、2009年9月にピッツバーグで開催されたG20サミットで金融取引税についての議論を呼びかけました。フランスとベルギーは2000年代初頭に為替取引への課税を導入する法案を可決しましたが、当面の税率はゼロとし、EUの決定を待っています。オーストリアも為替取引への課税を強く支持しています。

・EUレベルでは、欧州議会が2010年3月25日に採択した決議の中で金融取引税の導入を加盟国に呼びかけています。欧州理事会でも3月25・26日に検討するとの方針を打ち出しています[1]。

・ニューヨークに次ぐ世界第2の金融センターの監督当局である英金融サービス機構(FSA)のターナー長官は、肥大化した金融市場を縮小させるのに資本規制だけで不十分ならば「金融取引税を喜んで検討する」と答えています[2]。

・2009年11月にスコットランドで開催されたG20蔵相会議で、ブラウン英首相は金融取引税の導入が選択肢としてあり得ると表明し、IMFおよび米国・カナダ蔵相の反発を買いました。

・一方、米国議会では証券取引への低率課税を支持する議員たちの主導により、法案が審議されています。[3]

・米国の経済学者ジョセフ・スティグリッツやポール・クルーグマン、またダニ・ロドリックやジェフリー・サックスおよびポール・ヴォルカーも金融取引税に賛成しています。

・名だたる投機家であるジョージ・ソロスやウォーレン・バフェットでさえ金融システムの不安定性への懸念から、同様に金融取引税への支持を表明しています。

・政治のトップレベルでも議論が起きています。2009年9月のピッツバーグ・G20サミットに集まった各国首脳は、「銀行システム再建のための政府介入に関わるあらゆる負担の分担において、金融部門が公平かつ大規模に貢献す るために、各国が実施済み或いは検討中の様々な施策」の検討をIMFに委託しました。IMFは4月にレポートを提出することになっています。しかしIMFとしては金融取引税についての調査はしても勧告までは踏み込まないでしょう。


反対しているのは誰ですか?

・シティーとウォール・ストリート、それに銀行・金融業界ロビーです。

・米国財務当局(ガイトナー財務長官、サマーズ前国家経済会議委員長)もそうです。

・それにIMFとストロス・カーン専務理事。

・EUの中では、デンマークやスウェーデンなど幾つかの国と、コチコチの新自由主義を支持する新加盟国。

・エコノミスト誌とファイナンシャル・タイムズ紙。

[1]「金融取引への国際課税のような革新的財源に関する報告書が、近いうちに欧州委員会から提出される予定である。」(2010年3月25・26日のEU首脳会議の最終文書)
[2] Paul Taylor. Enthusiasm Builds for Financial Tax Data. The New York Times.
http://www.nytimes.com/2009/09/22/business/global/22inside.html
[3] ≪ Large Wall Street bonuses spark talk of new levy on financial industry ≫, LA Times, January 12 2010


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posted by attaction at 14:46 | 通貨取引税(トービン税)、金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする