2003年06月17日

Q24:資金はどのように、誰によって使われるのでしょうか?

・大部分は世界の主要金融センター(英・米・日・シンガポール・スイス・仏・独)で徴収されることになります。するとこれらの国々は、自国の財政赤字削減のために少なくとも一部を使って良いと言われなければ、おそらく金融取引税を支持しないでしょう。北側の労働組合や賃金労働者にとっては、社会福祉費の削減を避けられることになります。

・しかし、金融取引税による税収のほとんどが富裕国の財政補填に使われるとしたらは公正とは言えないでしょう。まずは地球的規模での貧困対策に役立て、南側諸国に対して環境債務を負っていることを認める必要があります。このグローバル課税は国際公共財を構築するのに使われるべきであって、自国の都合や景気対策に大半が費やされてしまってはなりません。

・イギリスの「ロビン・フッド税」導入キャンペーンでは、集まった資金の50%は税を徴収した国の赤字削減と債務返済に充当し、そして残りの50%は、ミレニアム開発目標の達成のための途上国援助と、南側諸国の温暖化への適応策・緩和対策とに均等に配分してはどうかとしています。

・これらの点については社会運動の側でも今後の国際交渉に影響力を及ぼすために検討を重ねていくべきでしょう。
Q21:〔オバマの〕銀行税は取引税の代わりになりうるでしょうか?

・銀行税によって回収できる金額は、救済につぎ込まれた資金額(4000億ドルを超すと推定されるファニー・メイとフレディ・マックの救済を含む)から程遠いものでしかありません。しかも、TARPでつぎ込まれた資金は、今までに貪欲な銀行のせいで米国が被った損失全体のごく一部しかないのです。米国の損失総額は、景気後退によって4兆ドルに達し、今後10年間の銀行税による税収見込みの40倍以上に達するのですから。

・銀行のやり方が、銀行税によって変わることはないでしょう。銀行税で回収が見込まれる年間90億ドルという金額は、銀行の毎年の収益とボーナスの5%でしかありません 。この程度の金額で銀行のやり方が目に見えて変わるほどのインパクトをもたらすとはあまり考えられません。銀行は相変わらず超短期的な利益の追求を続けるでしょうから、そうしたふるまいを変えさせるために金融取引税が不可欠であることに変わりはありません[1] 。

・リスクを基準とした銀行税が効果を上げるかどうかは、銀行がリスクを取ろうとするのを監督当局がどれほど抑えられるかにかかることになります。複雑な組み合わせで構成されたデリバティブは未だに規制されず、相変わらず不透明ですから、リスク評価は依然として困難です。

・ですから銀行税だけでは銀行および他の投機家が大きく行動様式を変えることはなく、金融の不安定性は持続するでしょう。つまり金融取引税の議論を今後も続ける意義は大いにあるということです。

[1] Dean Baker, Making the Banks Pay, The Guardian Unlimited, January 18, 2010.


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posted by attaction at 09:43 | 通貨取引税(トービン税)、金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする