2018年01月16日

【attacバル】カタロニア賛歌〜ナショナリズムと自治とのあいだで、やりました



冒頭、スペイン政府から違憲とされた21017年10月1日の独立を問う住民投票の経過を描いたドキュメントが放映された。州政府関係者や選挙管理委員会が逮捕され、投票用紙や投票箱が没収され、選挙活動そのものが違法だとされるなかで、投票率4割は四割に止まり、そのうちの9割が独立賛成に投じられたものだ。

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だがこの結果はたんなる算数的な結果だけで語りつくされるものではない。ドキュメントは、自治・主権もとめるカタルーニャ住民の主権と自治と自主の自発的な動きが映し出す。政府の弾圧をかいくぐって投票箱が投票所に届けられると、前日だというのにすでに投票所にあつまった有権者らがそれを拍手で迎える。ありとあらゆる妨害を警戒し、国家警察による封鎖を警戒して、前日の夕方から投票所前に並ぶ人々など、まさに「カタロニア賛歌」というにふさわしい光景が映し出される。

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しかしカメラは一転して真っ黒い戦闘服の国家警察による投票所や有権者らへの暴力的弾圧を映し出す。この暴力的な弾圧は、カタルーニャ・ナショナリズムの上層部への恫喝には功を奏したが、地域自治を下からはぐくんできた民衆には逆効果だった。海老原さんは、カタルーニャをめぐる対立の本質を、独立に賛成か反対かではなく、自治権という主権とその決定権を認めるかどうかという点にあると述べた。

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2017年12月21日の州議会選挙の結果は、国家警察の暴力を容認することができるのかどうかが大きな争点になったという。定数135議席のうち、いわゆる独立派が70議席を確保した。その一方で、凋落する与党・国民党の新たな別動隊である右派ポピュリズム政党のシウダダノス(Cs)が第一党となるなど、自治・主権を葬り去ろうとするフランコ以来の愛国主義勢力の伸長も看過できない。

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その右派ポピュリストに対抗して、金融危機に対する広場運動の流れから立ち上がったポデモス系の議席は、州議会選挙では8議席にとどまった。全国政党への飛躍と地域自治とのあいだで揺れるなかで、独立や自治など最大の争点を回避したことが敗因だという。

州外会選挙は終了したが、実際には組閣も難しい状況の中でこの問題は今後しばらくは欧州を揺るがすテーマになる。

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海老原さんは、ギリシャの債務危機のなかで登場した2015年のSRYZA政権やその年の7月の国民投票でも問われたのは主権の問題(トロイカによる介入)との相似点を指摘しつつ、主権問題と新自由主義グローバリゼーションの関係(NAFTAなど)、そして主権を守り自治をつくる運動としての反グローバリゼーション運動のながれ(サパティスタなど)を概説し、反グローバリゼーション運動にも、ナショナリズム(過去に向く)と主権・自治確立(未来に向く)の違いがあると述べた。

(報告:ながいき)
posted by attaction at 10:16 | 人権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月11日

COP23に向けたVia Campesinaの呼びかけ

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以下は、COP23の対抗アクションで行われた小規模農家の世界組織、Via Campesina(ビア・カンペシーナ、農民の道)の集会で配布された声明を、昨日の反核WSF&COP23参加報告会用に根岸恵子さんが翻訳してくれました。


Via CampesinaのCOP23に向けての声明
気候危機への解決は、食料とエネルギー主権のための小規模農家の闘いの中にある

行動への呼びかけ


母なる大地の劇的な温暖化と空前の天候異常と海面上昇による人的被害について、11月6日から17日までドイツのボンにおいて気候変動のための会議が開催されます。

貪欲な利益を貪り続ける資本主義のシステムは、現在の気候危機に対処することができません。パリ協定での気温上昇を2度に抑えるという不十分な提言でさえ、宙ぶらりんのまま、トランプ大統領のアメリカはCOPを離脱してしまいました。

私たちは今年、強大なスケールで起きた気候変動の衝撃を目にしました。ハリケーン(ハーヴェイ、イルマ、マリアなど)、洪水(インド、ネパール、バングラディシュ、シエラレオネなど)、嵐、豪雨、熱風などなど。数千万の人が家を失い、殺され、いつくかの島は島ごと消えてしまったのです。多くの場合、人々は生きるのに必要な術を失ったのです。最も影響を受けたのは、小規模農家、貧困者、地域労働者、先住民、漁民でした。

私たちはこの気候危機の原因を知っています。世界的な食料産業のシステムは、50%以上の温室効果ガスの排出の責任があります。農薬、有害物質、化石燃料エネルギーの使用を通して、また、プランテーション、鉱山、材木の量産は、貨物運搬の土地使用、森林伐採を通して。危機の加害者は、カネの力に物を言わせて、虚偽の解決策を押し付け、宣伝しています。

例えば、“温暖化防止に貢献する”農業、REDDとREDD+、ブルーカーボン【注】、そして、自然とそのサービスの経済的利益を追求する、他のすべてのグリーン経済の計画。

多国籍企業は気候への交渉を、人民をないがしろにして、経済と財政の好機として利用し、私たちの権利を損なっています。

COP23が近づくにつれ、私たちは公共政策のために闘う重要性を再確認しています。農業学の促進と支援、エネルギーシステムの地域でのコントロール、企業が天然資源を略奪することを推奨するような間違ったエネルギー政策や化石燃料から脱却し、変革のためにこうした政策を共同で行うということです。

私たちの小規模農業は、私たちを養ってくれるマザー・アースと私たちの知恵を使って、土とともに有機物質、生物多様性を保護し回復させます。私たちは農環境を選ぶためにアグリビジネスの試みを拒否します。そして、小規模農民のための農環境を守り進めていくことにかかわっていきます!

Via Campesina[農民の道]、私たちの土地、私たちの知識、私たちの種、私たちの権利のために、議論はいらない。現在そして将来、気候犯罪を引き起こすこのシステムに対して、私たちは総動員で力強く抵抗していきましょう。私たちは自由貿易協定、悲惨な石油、ガス、石炭などの鉱山プロジェクトと、それに匹敵するすべての排他的な巨大ダムや高速道路、空港、プランテーションなどの計画と闘うべきです。私たちは、財政、社会、生態系の生産システムを緊急に変えなければなりません。同じように労働と富を共有し、水、土地、動植物などの共有財産の保全をしなければなりません。

私たちはボンの国連のCOPの外で、市民社会を結集するために仲間や友達、社会運動に呼びかけていきます。私たちの声を本当の解決策を広げましょう!

闘いのためにCOPに結集しよう!
食べ物と権利と私たちの農業のために


【注】
これらの政策や概念は先進国による抜本的な排出削減を回避するものである、としてオルタグローバリゼーション運動は批判している。
・REDD:「途上国の森林減少・劣化に由来する排出の削減」と呼ばれる、途上国での森林減少・劣化の抑制や森林保全による温室効果ガス排出量の減少に、資金などの経済的なインセンティブを付与することにより排出削減を行おうとするもの。
・REDD+:上記のREDDに、森林保全、持続可能な森林経営および森林炭素蓄積の増加に関する取組を含めた対策。
・ブルーカーボン:海の生き物によって吸収・固定される炭素のこと。グリーン・カーボンは森林が吸収する炭素のこと。

posted by attaction at 11:19 | エコロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする