2017年03月21日

attac cafe「サパティスタの夢」はみたび夜ひらく〜太田昌国さんに聞く〜

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Arte Zapatistaより

【attac cafe-20170416】
「サパティスタの」はみたび夜ひらく
 〜 太田昌国さんに聞く 〜


・4月16日(日)14:30〜16:30
・文京シビックセンター 4階B会議室
・500円(会員は無料)

※会員以外の方は下記より申し込みください。

NAFTA(北米自由貿易協定)が発効した1994年1月1日、メキシコ・チアパスの森林深くサパティスタ民族解放軍が抗議の蜂起を行いました。それは、その後に続くオルタグローバリゼーション運動の最初の烽火の一つになり、人々の希望は「サパティスタの夢」に向けて進むかに見えました。

しかし、それから二十余年がたったいま、世界は「サパティスタの夢」が語られるすこし前、80年代から90年代初めにかけての厳しい状況(マルコス副司令官いわく「最悪だった」)を再演するかのような状況になっています。

トランプ大統領はNAFTAの見直しとTPPからの撤退、メキシコとの国境の壁を強化することなどを公約にかかげ当選しました。

主要メディアではいっせいに「世界に反グローバリズムの幽霊が徘徊している」といわんばかりに、自由貿易に背を向けるかのようなトランプ政権の保護主義を批判しました。

安倍政権をはじめとするアジアの大国も「モノやカネが国境を自由に越える自由貿易こそが唯一の道」と叫びつつ、国境(領土・領海)警備という軍事力による壁をたかく築きながら、緊張をつくりだしています。

金融危機の前からその直後にかけて世界を席巻したかに見えた「進歩的ポピュリズム」のうねりは、排外主義的ポピュリズムにとって代わられ、世界は十重二十重の壁によって分断されているかのようになっています。

サパティスタのマルコス副司令官は、厳しい80年代の終わりの状況をこう語っています。

「しかし最悪だったのはその後でした。変革への動きが廃墟になってしまったあとに、世界資本主義が新しい壁をつくってしまったことです。一極集中のグローバル化した世界。国境は、資本家と商品にとってはないも同然ですが、人間にとっては逆に十重二十重に取り囲む壁になっています。」(『サパティスタの夢』より)

わたしたちを取り囲む十重二十重の壁を打ち壊す、みたびの「サパティスタの夢」は、正夢になるのか。

サパティスタ蜂起の当初から出版や言論を通じて日本に紹介を続けてきた太田昌国さんに聞きます。

★太田昌国さん
編集者として人文書の企画・編集・販売に従事。同時に、帝国主義と民族・植民地問題を軸に据えて、世界と日本の歴史と現状についての発言を続けてきている。主な著書――『鏡としての帝国』『〈異世界・同時代〉乱反射』『日本ナショナリズム解体新書』『ペルー人質事件解読のための21章』『「拉致」異論』『チェ・ゲバラ プレイバック』『〈極私的〉60年代追憶』『〈脱・国家〉状況論』などがある。
「太田昌国のみたび夢は夜ひらく」のサイトはこちらです。
http://www.jca.apc.org/gendai_blog/wordpress/


★ATTAC Japan(首都圏)
千代田区神田淡路町1-21-7静和ビル1階A
attac-jp@jca.apc.org
http://attaction.seesaa.net/

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2017年02月22日

東京五輪おことわリンクのIOC(国際おことわりコンベンション)企画

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東京オリンピックおことわリンクの
IOC(国際おことわりコンベンション)企画


◆2・25 韓国からイ・ギョンリョルさんをお招きして

ゲスト
イ・ギョンリョルさん(スポーツ平和研究所)
谷口源太郎さん(スポーツ・ジャーナリスト)


韓国ピョンチャンの2018冬季五輪のあり方に疑問をもつスポーツ平和研究所のイ・ギョンリョルさんをお招きし、2018ピョンチャン冬季オリンピック災害の実態を聞く。1200億ウォンもの大金をかけ環境を破壊して建設されるスライディングセンターは毎年20億ウォンもの赤字が懸念されている。五輪・政治・ビジネス優先ではないスポーツの多様性へのチャレンジなどについて話を聞く。

日時 2月25日(土) 13時〜
場所 ピープルズ・プラン研究所 地図 
交通 江戸川橋駅1-b出口10分
参加費 500円


◆3・3 ブラジル・リオからジゼレ・タナカさんをお招きして

ゲスト
ジセレ・タナカさん(建築家、都市研究者、リオ大学都市計画研究所)


ブラジル・リオでComite Popularという住宅の権利運動の団体で活動し、2016年リオ五輪の際には対抗イベントJOGOS DA EXCLUSAO(排除のゲーム)を企画したジセレ・タナカさん(リオデシャネイロ大学都市計画研究所所員、建築家、都市研究者)を招き、リオ五輪災害による「排除のゲーム」、それに抵抗する共助と連帯のゲームの試みを聞く。

日時 3月3日(金) 18時半〜
場所 千駄ヶ谷区民会館
交通 JR原宿駅10分 
http://gmap.jp/shop-1684.html
資料代 500円


【お詫び】
本当に申し訳ないのですが、両日とも会場はバリアフリーではありません。インターネット配信などを検討しています。詳細は主催にお問い合わせください。今後は、誰もが参加しやすい場所を出来るだけ選ぶ、会場などのバリア状況について事前に告知する、バリアが障害になる方の参加に際しては、最善の方法をともに考えるようにする、という方針で運営していきます。詳しくは「おことわリンク」公式ブログ掲載の「【お詫びとお知らせ】1月22日集会における車イス利用者へのお詫び、及び、今後の対応」(https://goo.gl/ty2Ayc)をご覧ください。

◆「2020オリンピック災害」おことわり連絡会(東京オリンピックおことわリンク)
2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に対して様々な観点から疑問や問題を感じる人々が2017年1月22日に新しい運動を立ち上げた。「おことわりンク」は東京オリンピックが私たちにもたらすものを私たちの日常に対する「災害」であると捉えた。3年半をかけて様々な場面や位相で「オリンピック災害おことわり」が交差するしなやかでかろやかな運動を展開することで「おもてなし」を凌駕する「おことわり」を目指す。「おことわりンク」は世界中で展開されてきた開催地市民による「オリンピック開催反対」の運動と手を取り合っていく。そして最終的に東京開催返上を目指し、近代オリンピックの歴史に終止符を打っていきたい。


◆主催
「2020オリンピック災害」おことわり連絡会(東京オリンピックおことわリンク)
 千代田区神田淡路町1-21-7静和ビル1階A(ATTAC首都圏気付) 
 info@2020okotowa.link  http://www.2020okotowa.link/ facebook
 郵便振替 00120 −7−324492
      「オリンピック災害」おことわり連絡会
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2017年01月19日

ウォルデン・ベロー:ドゥテルテ大統領はオリジナル版のファシストだ

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ドゥテルテ大統領はオリジナル版のファシストだ
ウォルデン・ベロ
2017年1月6日

Walden Bello : Rodrigo Duterte: A Fascist Original
Foreign Policy in Focus http://fpif.org/rodrigo-duterte-fascist-original/


 2016年にロドリゴ・ドゥテルテ大統領のフィリピンはしばしば世界中の注目を浴びた – 一部の人々にとっては注目されすぎだった。フィリピンから麻薬の常習者と密売人を根絶する作戦は、超法規的な処刑を手段としていることから、もっとも冷酷な傍観者の間でもショックを引き起こした。また、今では伝説となった彼のオバマ大統領への暴言、長年にわたる米国との同盟への怒りを込めた決別宣言と中国の抱擁はアジアの地政学を真っ逆さまにした。彼の血なまぐさい統治にもかかわらず、ドゥテルテは依然として高い人気を保っており、最新の世論調査でも非常に高い信任レベルが示されている。何がドゥテルテを駆り立てているのか? 何が彼の多くの信奉者に「彼のために死んでもよい」とまで言わせているのか?

 ファシズムは異なる社会的条件の中では異なる形で登場するので、ファシズムが古典的なやり方で進行すると思い込んでいる人たちはしばしば、それがすでに迫っている時でもそれを認識できない。2016年にファシズムはフィリピンにドゥテルテという形でやってきたが、大部分の市民はそのことに気づいていない – ある人々は大統領に絶大な忠誠を示しているために、また、他の人々はむき出しの暴力が今やフィリピン政治の支配原理になりつつあることを認めるのが怖いために。

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2017年01月10日

【ウォルデン・ベローさん 横浜講演会】資本と軍事のグローバリゼーションに対抗する人々がつくるもうひとつのアジア

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◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

資本と軍事のグローバリゼーションに対抗する
人々がつくるもうひとつのアジア

ウォルデン・ベローさん 横浜講演会(2月4〜5日)

https://altasianpeople.wordpress.com/

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

資本のグローバル化がもたらしてきた貧困と紛争、環境破壊が人々を引き裂いています。不寛容と時刻最優先の絶望的のオルタナティブが人々をとらえています。希望と連帯のグローバル化を訴えてきたオルタ・グローバリゼーション運動は、この深刻な状況に対して何を訴えどう行動できるのか。国境を越えた民衆運動のオピニオン・リーダーの一人、ウォルデン・ベローさんをゲストに招いて講演会やフィールドワークなどを企画しました。

◆2月4日(土)

【午前】フィールドワーク 在日米海軍ノースドック(横浜瑞穂港)
 ナビゲーター:木元茂夫さん(すべての基地にNO!を・ファイト神奈川)

【午後】13:00〜17:00 ウォルデン・ベローさん講演会&パネル討論
    会場:神奈川近代文学館  参加費:800円

◎ドゥテルテ・ショックとトランプ・ショック
 いま世界で起きている事の意味
 激変する東アジアの経済・軍事そして民衆運動
ウォルデン・ベローさん
 元フィリピン下院議員、フィリピン大学社会学・公共政策教授
 フォーカス・オン・ザ・グローバルサウス代表理事

◎なぜフィリピンの人々はドゥテルテを選んだのか?
 日下渉さん(名古屋大学大学院 国際開発研究科)

◎パネル討論
・ウォルデン・ベローさん(フォーカス・オン・ザ・グローバルサウス代表理事)
・日下渉さん(名古屋大学大学院 国際開発研究科)
・木元茂夫さん(すべての基地にNO!を・ファイト神奈川)
・原民樹さん(一橋大学大学院社会学研究科博士課程)


◆2月5日(日)

【午前】フィールドワーク 寿町〜横浜のもうひとつのアジア
 ナビゲーター:近藤昇さん(寿日雇労働者組合)

【午後】ワークショップ アジア開発銀行 開発援助のタテマエとホンネ
    会場 神奈川近代文学館

※ベローさんは2月4日のみの参加です。
※フィールドワークの詳細はお問い合わせください


◆ウォルデン・ベローさん講演会実行委員会
東京都千代田区神田淡路町1-21-7静和ビル(ATTAC首都圏気付)
070-5553-5495(小倉)
最新情報はブログへ https://altasianpeople.wordpress.com/


◆会場アクセス
神奈川近代文学館(港の見える丘公園内)
住所 神奈川県横浜市中区山手町110
交通 みなとみらい線「元町・中華街駅」徒歩10分/JR「石川町駅」徒歩20分
地図 http://www.kanabun.or.jp/guidance/access/

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2016年10月14日

企業をコントロールする−−多国籍企業と人権に関する国連条約を支持する理由

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企業をコントロールする
多国籍企業と人権に関する国連条約を支持する理由

原題“Controlling Corporations - The case for a UN Treaty on Transnational Corporations and Human Rights”
http://www.globaljustice.org.uk/sites/default/files/files/resources/controlling_corporations_briefing.pdf

2016年9月

[以下は英国の「グローバル・ジャスティス・ナウ」(ATTAC UK)のウェブに掲載されているレポートの全訳である(原注は割愛)。TPPを始めとする国際通商協定で企業が国家を訴えるISDS条項が大きな焦点となっているが、これに対抗して、人々が企業を訴える国際的な仕組みを作ろうという動きが広がっている。このレポートで紹介されているように、石油大手のシェブロン(旧称テキサコ)による環境破壊への賠償を求め、シェブロン側の悪辣な逆訴訟と闘っているエクアドル政府や、ISDSによって巨額の賠償金を請求されてきた「南」の諸国を中心に、ISDS条項の廃止、企業による人権侵害の訴追、タックスヘイブンの廃止等のための国連条約の制定に向けた動きが始まっており、それと連動しながらグローバルな社会運動の側でも、「企業の権力を解体するためのキャンペーン」、「条約連合」、「民衆法廷」などの運動が展開されている。注目を!]

企業の権力という問題

世界には40,000以上の多国籍企業(TNC)が存在する。この数十年の間にこれらのTNCはあまりにも大きく成長し、今では国家よりも金持ちになっている。現在、国と企業を金持ちの順に並べると、上位100のうち69が企業であり、国は31である。

これらの企業は経済のさまざまなセクターに関わっており、その活動や報告の方法はさまざまであるが、1つだけ共通する点がある。つまり、利益をすべてに優先するという責務である。

企業の権力はわれわれの政治経済の中であまりにも巨大であるため、民主主義制度や公共セクターを掘り崩す力を保持してきた。企業の投資を誘致することが政府の最優先の仕事となった。「企業の投資が失われる」あるいは「大企業がどこかへ移転する」という脅しが、増税や労働者保護の充実あるいは金融規制を導入しようとする政府の手を縛ってきた。

実際、グローバル経済は企業の利益を中心として設計されてきた – 金がいつでも、どこへでも自由に移動でき、政府が公共の利益に反する投資を規制できないようにする。WTOやIMFなどの国際経済を統括する機関はこのような企業の関心によって深く影響され、これらの機関の政策や活動は人々の権利、ニーズや環境よりも大企業の「権利」に大きな配慮を示してきた。企業は、社会を組織するためには別の方法があるという考え方そのものを無力化してきた。

企業が何をしても責任を問われないという問題は、多国籍企業が国境を超えて活動している一方で法律およびその執行が依然として基本的には国家をベースにしているという事実によって増幅される。企業は「投資裁判所」のようないかなる民主主義的責任も負わない機関による特別の「正義」を享受できるが、企業の横暴の犠牲となった人々のためには救済のための国際的なメカニズムは存在しない。国際的なレベルで企業の責任を追及する試みの大部分は、市民による自発的な活動であり、したがって現実には強制力を伴わない。

企業の権力に対して何ができるのか

企業の権力を押し返すことは容易ではない。それは長期にわたる運動である。しかし、それはわれわれが現在直面している問題を解決しようとするならば、避けられない課題である。それは不可避的に、企業がそのような権力を保持することを可能にしている構造を変革することと、既存のシステムの中で企業による権力の乱用と免責を是正することの両方を含む。

この作業の1つは、われわれが必要とする物やサービスを生産・分配するための代替の方法を開発すること、つまり大企業だけが経済を「まわす」ことができるという考え方を掘り崩すことである。食料主権とエネルギー民主主義は企業抜きで経済を確立できることの2つの例である。しかし、同時に、企業がわれわれの経済の中で一定の役割を果たす限りにおいて、われわれは企業の活動をコントロールし、企業の横暴を防止する方法を見つける必要がある。この点において国際法は非常に重要な役割を果たすことができるだろう。

企業の権力のコントロールの長い歴史

企業の権力を規制するための闘争は長期にわたる闘争であり、その途上でいくつかの重要な成果を実現してきた。

世界史上の最大の多国籍企業の1つであった東インド会社は、18世紀に英国政府の代理人としてインドを搾取し、支配したが、大衆的な非難の高まりの中でその活動を禁止された。

20世紀には、米国における独占禁止法や銀行分割から、ラテンアメリカにおける民主的に管理された産業や協同組合の形成、インドにおける難病治療のためのジェネリック医薬品の生産まで、企業の行動を規制するいくつかの成功した試みがあった。

1970年代以降には、非同盟運動に参加した「第三世界」諸国からの圧力によって国際的レベルで企業を規制するための国連条約を起草する試みがあった。そのような試みは米国やヨーロッパ諸国の政府と手を組んだ企業グループによって撃退された。彼らは拘束力のある条約や法律を避けるため、「国連・ビジネスと人権に関する指導原則」のような自主的メカニズムを提案した。

多国籍企業に関する国連条約

しかし、2013年にわれわれは新たなチャンスを与えられた。エクアドルが、85の加盟国(大部分が「南」の諸国)を代表して、国連に多国籍企業の活動を規制するための国際法の制定を求める声明を提出した。そのような国際法は、多国籍企業による人権侵害の犠牲にされようとする人々を保護し、すべての政府がそれぞれの国の企業に人々や地球環境への影響に責任を負わせるよう義務付けるだろう。

2014年6月に国連人権理事会(UNHRC)が採択した決議26/092は、「国際人権法の下で、多国籍企業およびその他の企業の活動を規制する国際的な、法的拘束力を有する法律文書」が必要であることを明記している 。そのような法律文書(国際法または条約)の概要を検討する作業グループが設立された。この作業グループは、エクアドルが主宰し、1915年7月に第1回会合を開き、2016年10月に第2回会合が開かれる。このような国連条約は企業に対する実質的かつ拘束力のあるコントロールを確立するための稀なチャンスとなるだろう。

誰が国連条約を支持しているのか

この国連人権理事会の決議は、20カ国(主に「南」の諸国)の賛成によって採択された。アフリカのアルジェリア、ブルキナファソ、アジアのパキスタン、インドネシア、南米のキューバ、ベネズエラなどである。さらに、5つの主要な「新興国」のうち4つ –ロシア、インド、中国、南アフリカ-も賛成した。残念なことに、反対した国は米国、英国、ヨーロッパの大半の国など、世界の多国籍企業の多くが本社を置いている国である。特に米国と英国は大企業をコントロールすることを目的とする国際法の制定に一貫して反対し、拒否してきた。われわれはこの立場に異議を唱える運動を緊急に起こす必要がある。

また、広範なグローバルな市民社会団体から成る条約連合(Treaty Alliance)は国連条約の制定を支持し、条約の内容が有益かつ有効なものになることを目指している。

国連条約による企業のコントロール

国連条約は大きな可能性がある。なぜなら、それは企業がこの数十年間に手に入れてきた特権を取り消し、彼らに国際人権法、国際労働法、国際環境基準の遵守を強制できるからである。国際条約は各国政府が企業の権力の問題を真剣に取り上げ、彼らが行使している権力に関わる責任を問うことを義務付けることができる。それは各国政府が多国籍企業に対処する方法の基準を確立し、多国籍企業が各国を相互に対立させて底辺に向けての競走を強いることを許さず、最小限の基準を課すことを可能にするだろう。

これは非常にラディカルな変革を意味するだろうし、人々の生活に有益な影響をもたらすだろう。条約の範囲には、市民的、政治的、経済的、社会的、文化的権利など広範な権利を含めることができる。条約は企業の以下のような有害な活動を効果的に中止させることができる。

・ 鉱山開発を通じて地域社会に退去を強制したり、地域の環境を荒廃させる。
・ 水道事業を私営化し、水道料金を最も貧しい人々の支払い能力を上回るように引き上げることによって人々の水へのアクセスを制限する。
・ 労働者を健康に有害な環境で働かせ、尊厳のある生活ができないような低賃金で働かせる。
・ 国家と結託してインターネットを検閲し、抵抗運動を弾圧し、言論の自由やプライバシーの基準を侵すような治安的手法を導入する。
・ 知的財産権を利用して命を守る医薬品を一般の人々の手に届かない価格に維持する。

国連条約はどんな内容を含むのか

条約というものは本当に意欲的である場合にだけその目標を実現できる。だからグローバル・ジャスティス・ナウは、政府が画期的な条約を締結するように圧力をかけようとする国際的な運動の連合に参加している。合意される条約は以下の内容を含むべきである。

a) 条約は企業(とその出資者)とその子会社、請負業者、供給チェーンに人権侵害に関する責任を負わせる実効性のある法律を導入しなければならない。

b) 条約は各国が多国籍企業を規制し、自国で活動しているまたは自国に本社を置いている多国籍企業が国際人権法、労働法、環境基準をはじめとするすべての人権基準を遵守していることを保証するよう求めなければならない。

c) 条約は人権が通商協定や投資条約よりも優先されることを再確認しなければならない。それは通商および投資協定が拘束力を持つ人権優先条項を含まなければならないことを意味する。

d) 条約は多国籍企業の法的責任を規定しなければならず、それには企業の経営者、執行役員、取締役の個人的責任も含まなければならない。

e) 条約は企業による条約の遵守を監視し、企業による不正行為に関する調査を実施するための国際機関を設立しなければならない。また、多国籍企業によって人権を侵害された市民やコミュニティーが参加できる国際裁判所を設立する必要がある。人権を侵害した企業の本社が外国にあるという理由で公正な裁判に訴える権利を妨げられることがないようにするためである。

f) 条約は各国が人権擁護に関わっている人々や不正を告発した人々の活動を尊重し、保護し、奨励するよう求める規定を含まなければならない。

g) 条約に関する交渉は企業の影響から隔離されていなければならず、多国籍企業が自分たちに有利なルールを作ることは許されない。

h) 条約は企業に対して賠償を求めようとする個人が、自分が居住する国だけでなく、当該企業に対して司法管轄権限を持ついかなる国においてでも裁判に訴えることを可能にしなければならない。

民衆法廷の運動

多国籍企業に責任を負わせる国際的な法的機構が存在しないため、いくつかの象徴的な「民衆法廷」が開催されてきた。市民社会の諸団体がここに結集して、企業に責任を負わせるための実現可能な方法を示してきた。

1つの例として、ローマに本部を置く常設民衆法廷(Permanent People’s Tribunal、PPT)は、企業によって権利を侵害されたが、国内の法制度を通じて救済を求めることができない人々からの訴えを審理している。PPTは70年代以来、約40件のケースを扱い、法律専門家が既存の国際法に基づいて審理を行っている。もちろん判決は拘束力がなく、基本的には象徴的なものであるが、証人が証言できる重要な機会となっている。

たとえば、2010年5月にはマドリードでヨーロッパの多国籍企業のラテンアメリカにおける犯罪に関する審理が行われた。 この民衆法廷はヨーロッパの多国籍企業のこの地域における活動の非常に典型的な例として27のケースを取り上げている。それにはブラジル・アマゾンの人々がサンタンデール[スペインの銀行]およびGDFスエズ[フランスの電力・水道企業]による水力発電所の建設が環境被害と水汚染をもたらしたことに対する提訴が含まれる。この事業はデング熱、黄熱病、マラリアの感染拡大などの健康への影響をもたらした。

2016年10月にはモンサントに対して同様の民衆法廷が開かれる。全世界から収集された証拠は、モンサントによる環境破壊の犯罪や、モンサントの製品や生産方法が農民に及ぼしてきた影響に焦点を当てている。裁判官は法的枠組みとして 「国連・ビジネスと人権に関する指導原則」を適用してそれらの証拠を検討する。

★関連情報(英語)
The campaign to dismantle corporate power (企業の権力を解体するためのキャンペーン): www.stopcorporateimpunity.org
The treaty alliance (条約連合): www.treatymovement.com

企業による犯罪のケース・スタディー
世界では多国籍企業による人権侵害が告発されているケースが何千件にも及んでいる。国連条約の下で審理が可能になる典型的なケースの例を以下に示す。
[以下はいずれも英国に本社を置く多国籍企業が関係するケースである]

1)トラフィグラ社がコートジボワールでの有害廃棄物の不法投棄に関与(2006年)
トラフィグラ社は英国に本社を置く多国籍の石油販売企業である。同社は2006年にコートジボワールで有害廃棄物の不法投棄に関与した。これは地域コミュニティーに甚大な影響をもたらした。少なくとも15人が死亡し、10万人が治療を必要とした。10年にわたってトラフィグラ社に対する訴訟が追求された。アムネスティー・インターナショナルは5000ページに及ぶ証拠を収集し、英国の当局に対してトラフィグラ社がこの不法投棄の中で果たした役割を立証した。10年間にわたって、国内の裁判所への提訴の試みが繰り返されたが、犠牲者に対するいかなる公正な補償も行われていない。

2)ボーダフォン・グループがエジプトの反独裁運動に対して通信サービスを拒否(2011年)
通信企業ボーダフォン・グループはエジプト民衆の表現の自由・集会の権利を阻害したことで告発されている。2011年のムバラク独裁政権に対する民衆蜂起の中で、多くのデモ参加者たちはソーシャル・メディアを使って人々を組織したが、ボーダフォンは政権と協力して通信サービスを停止し、人々がモバイル通信を利用できないようにした。その結果、政治的な組織化が制限されただけでなく、救急治療へのアクセスも妨げられた。エジプト住居権センターは通信の停止による損害の賠償を求める訴訟を起こしたが成功しなかった。

3)BHPビリトン社のボルネオでの石炭開発に関連する土地強奪と水危機
英国・オーストラリア資本の鉱業企業BHPビリトン社が出資するインドネシア・ボルネオのインドメット・コール・プロジェクトは、10年間にわたる土地強奪のプロセスの中心となった。この採掘プロジェクトを進めるために地元住民の土地が強奪され、また、多くの住民がこのプロジェクトによって水の供給に重大な影響がもたらされ、十分な水を得られなくなったと訴えている。住民たちは現在、自分たちの土地所有権の法律上の承認を求めている。

4)GCMリソーシズ社のバングラデシュでの石炭開発に反対する住民が殺害される(2006年)
英国の鉱業企業GCMリソーシズ社は、バングラデシュのフルバリ石炭開発プロジェクトの調査と採掘のために設立された。2006年に鉱山開発に反対する平和的デモに民間警備隊が発砲し、3人が死亡、多数が負傷した。住民たちは計画されていた50平方キロの露天掘りの炭鉱が数千人の立ち退きと、バングラデシュで最も肥沃な農地の1つであるこの地域の農地の破壊をもたらすことを懸念していた。国連の7人の人権専門家によると、このプロジェクトはこの地域の住民の水、食料、適切な住宅へのアクセスの権利など多くの権利を脅かすものだった。2012年に2つのNGOがこの問題について、企業の不法行為に関する英国代表部に提訴した。英国NCP(連絡窓口)は2年間の調査の結果、GCMリソーシズ社に企業行動基準に対する部分的な違反があったことを認めたが、プロジェクトが将来にもたらす可能性がある影響については無視した。

5)多国籍民間警備会社G4Sがイスラエルの占領政策に協力
多国籍民間警備会社G4Sはイスラエルの子会社を通じてパレスチナの占領地におけるチェックポイント(尋問所)や監獄に警備サービスおよび警備用の機器を供給しており、パレスチナ人の人権を侵害しているとして告発されている。パレスチナ人の人権を擁護する弁護士の会(LPHR)による苦情申し立ては、同社がパレスチナの子どものイスラエルの監獄への収監を助長するなどの人権侵害に関与していると主張している。


タグ:多国籍企業
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2016年09月26日

ATTAC/CADTMモロッコの声明(2016年9月15日)

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ATTAC/CADTMモロッコの声明(2016年9月15日)
COP22 マラケシュ(モロッコ)に向けて
気候変動に対する社会運動の戦略は何か?


原文(英語): http://www.cadtm.org/COP22-in-Marrakech-Morocco-What

モロッコは11月7-18日、マラケシュで開催されるCOP22を主宰するための準備を進めている。COP22はエコロジーの危機の深刻化 ? それは資本主義システムが直面している文明の危機の1つの側面である - という背景の中で開催される。今回のCOP会合はまた、これまでの会合が温室効果ガス排出削減と工業大国に対する拘束力を伴う措置の導入に失敗してきたという背景の中で開催される。工業大国は依然として石炭、天然ガス、石油、鉱物および種々のエネルギー源の採取や、工業的農業、土壌・海・大気の中に存在する天然資源から利益を上げる多国籍企業のニーズに従っている。

世界の有力者たちは「グリーンな投資」をベースとした解決策を提案しているが、それは生産力主義、消費主義の論理の破滅的影響をさらに悪化させるものである。この論理は、少数の支配的な人たちが地球上の大多数の人々−−現在の世代と将来の世代を含む−−の犠牲の上に自らを富裕化させるものである。

モロッコでは国際金融機関や企業によって押し付けられている政策は同じ目的を持っている。すなわち、外国および国内の企業がわれわれの国の豊かな資源を強奪し、都市および農村の大衆、貧困階級を困窮化させることである。政策を決定する者たちは人間と環境を破壊する政策を遂行する上で、自分たちの責任を逃れようとする。その代わりに彼らは気候変動について語り、「グリーン開発」のプロジェクトを打ち上げる。それは公的な投資を通じて民間資本のための新しい分野を創出し、その一方で公的債務を悪化させ、緊縮政策をもたらす。さらに悪いことには、それはいかなる経済的、社会的、環境的な実現性調査なしで進められている。

COP22を主宰することによってこれらの政治家たちはまた、この国の政治的安定性を強調することで「グリーンな投資」を持続させようとしている。一方、国際機関や主要大国はモロッコをこの地域における「例外」として描き出すことによって彼らの新植民地的政策を維持しようとしている。

これらの政治家たちは自分たちの政策に箔を付けるために、COP22の国内運営委員会(2016年に国王が指名)に「市民社会代表」の枠を設けることによって市民社会団体を取り込もうとしている。この「市民社会代表」はCOP22の準備のためのロードマップを作成した。その中には国内の12の地域における活動(市民社会、種々の国家機関、民間セクターが参加する)や、アフリカ大陸ツアーが含まれる。このツアーはアフリカの12の国においてNGOやネットワークや連合組織の間での、COP22の課題とモロッコの役割についての関心を高めることを目的としている。

この政府公認の動きにモロッコ・クライメートジャスティス(公正な気候)連合(CMJC)が参加している。CMJCはこのロードマップに従いつつ、独自にモロッコのいくつかの地域で「COP22プレ企画」と称する集まりを計画している。これはCOPのイメージに沿って企画されている。つまり、気候変動に関する知識の普及から専門知識の提供まで、そして政府機関や民間セクターによって進められてきた気候変動対策についての展示、種々の「パートナー」の間の対話などである。このすべてが国家やそのパートナーに対する一切の批判や、それらからの独立性なしに進められている。しかもこのCMJCは今年5月にチュニジアのハンマメットで開催された「社会的公正とクラーメート・ジャスティスのためのマグレブ・フォーラム」など、国外での市民社会の動員に関与している。そしてこれらのすべての準備が、9月23〜25日にマラケシュで開催されるCMJC呼びかけの国際会議に集約されようとしている。

このように公認の市民社会団体とCMJCは、COP22の期間中の祝祭的雰囲気の醸成に寄与している。そのような雰囲気は、クラーメート・ジャスティスをめぐる論争、不平等を永続化させる政治的、経済的、社会的な選択をめぐる広範な論争を回避して、「グリーンなプロジェクト」の推進とそのための資金の調達にお墨付きを与えることに通じるだろう。

ATTAC/CADTMモロッコは気候変動の問題が専門家だけの問題ではなく、また、政府間の交渉に限定されるような問題ではないと考える。私たちにとって、気候変動は市民の日常生活の中心にある問題であり、市民たちは社会・環境の条件の劣化を引き起こしている自由主義的政策との決別を求めている。市民たちはまた、真の民主主義の中で解決策をめぐる決定に関与および参加することを求めており、そのような解決策は社会的公正と富の分配における平等をベースとしたものでなければならない。そのためには社会的不公正の犠牲者である大衆の諸階級を結集する闘争を先導することが必要である。

ATTAC/CADTMモロッコはまた、モロッコ国家が自らの目的に奉仕させるためにCMJCを取り込もうとすることを容認できない。この点がCMJC内での運営委員会の多数派のアプローチと私たちとの中心的な対立点であり、私たちが今年前半にCMJCから脱退した主要な理由である。それだけではなく、私たちは民主主義の欠如と決定手続きの不透明性にも重大な懸念を抱いていた。

CMJCによって主導されているこの半官製の動きと並行して、ATTAC/CADTMモロッコは「COP22を監視するための民主主義的ネットワーク」(REDACOP22)の中でいくつかの市民団体、人権団体、労働組合と連携してきた。このネットワークはこの国で政治的・経済的権力を行使している勢力や国際的な債権者、援助国から独立した民主主義的な環境運動の確立を目指している。私たちはこれを環境の破壊と劣化の実際の被害者、つまり労働者階級、貧農、小規模漁民、遊牧民、先住民族等の動員をベースとして実現しようと計画している。REDACOP22は現在、大衆の環境をめぐる闘争の経験に依拠したローカル組織の設立を進めている。私たちはこの戦略的枠組みの中でCOP22をめぐる動員のために尽力している。社会的公正と環境問題における公正の実現を目指す抵抗闘争の形態に焦点を当てるためである。

ATTAC/CADTMモロッコは11月4-5日に、モロッコで最も気候変動の影響を受けている都市の1つであるサフィにおいてクライメートジャスティスに関する国際会議を開催する。同6日にはREDACOP22がマラケシュで開催する国際会議に参加する。

ATTAC/CADTMモロッコは、マラケシュでのCOP22開催の全期間を通じて、真のクライメートジャスティスのためのあらゆるイニシアチブや動員に参加する用意がある。私たちのアクションはCOP22で公式に検討されるまやかしの、市場ベースの提案や解決策を非難することに焦点を当てる。エコロジーの危機が資本主義システムの危機の最も危険な側面であるという事実は、私たちがラディカルなオルタナティブの発展に尽力することを促している。


ATTAC/CADTMモロッコ


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2016年06月08日

スペインから見た地中海の危機

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以下は、2016年05月16日にアカデミー音羽で開催されたシンポジウム「G7サミット反対! 搾取も戦争もないもうひとつの世界は可能」に参加したバルセロナ在住の海老原弘子さんによるスピーチの冒頭です。


❝本日、地中海の移民に関してお話ししようと思ったのは、この問題がもう一つの世界は可能だというスローガンを掲げた90年代末からの反グローバリゼーション運動の、欧州における大きな柱の一つだったからです。

欧州の反グローバリゼーション運動には統一通貨ユーロへの反対と不法移民の合法化という二つの柱がありました。あれから10年以上が経過した現在、統一通貨による市場統合であるユーロ圏の問題がユーロ危機となり、不法移民を生み出すシステム、シェンゲン圏の問題が地中海の危機となって、欧州を根底から揺るがしているのは、とても示唆的なことだと思います。

不法移民の問題が柱となった背景の一つが、サパティスタのマルコス副司令官が1997年8月にル・ムンド・ディプロマティクへ寄稿した「第4次世界大戦が始まった」です。❞


スピーチの全文は海老原さん主宰の「Ramon Book Project」に掲載されています。


posted by attaction at 09:24 | G8/G20 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月02日

EWGならびにユーログループに対してギリシャ債務帳消しを求める書簡 EWGならびにユーログループへ、ギリシャ債務帳消しを求める書簡

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市民社会グループからEWGならびにユーログループへ、ギリシャ債務帳消しを求める書簡
2016年5月19日


原文

ユーログループ[EU財務大臣グループ]ならびにユーログループワーキンググループ[同副大臣グループ]参加者各位

昨秋、我々のうちのいくつかの組織が、ヨーロッパ15カ国53団体ならびに10万の個人署名を集め、ギリシャ債務帳消しを求める請願を提出いたしました。その請願ではさらに、強制的緊縮政策の撤廃と、債務危機を早急、公正かつ人権を尊重した形で解決する新たな制度の、世界規模での導入も要請しています。

ゆえに我々は、ギリシャ債務問題がようやくユーログループ会合の議案に含まれたことを喜ばしく思います。が、同時に、直近(5月9日)の会合で提出された草案には、深い懸念を抱いています。

提案されている債務のリプロファイリング(リスケ対象期間内に決済期日の到来する債権のみをリスケの対象とする:訳注)では、ギリシャ債務問題を迅速かつ維持可能な形で解決するには不十分です。いわゆる“コンティンジェンシー・メカニズム(緊急時対応メカニズム。経済目標が達成できないという確証が得られ次第、議会審議を経ずに即座に開始される:訳注)”は、、民主的な決定手続きを無視しており、また、ギリシャが何らかの経済ショックに見舞われた場合、同国をどん底の状況に引き落とす危険性があります。

さらに、三方面から考案された様々なリプロファイング提案(支払期日延期を含む)は、ギリシャ債務危機の真の解決をはるか遠い未来に引き延ばすものです。解決の遅れは、この問題に関与する誰の利益にもならないとわれわれは信じます。それどころか、政治的配慮から解決がぐずぐずと引き延ばされ、挙句に「あまりに少なく、あまりに遅い」債務再編しかなされなかった、という事態が再び繰り返されることになりかねません。このような政治的配慮による対策の遅れは、すでにギリシャで、そして世界中の他の債務危機において、多大の損害を引き起こしてきました。

1980年代の途上国債務危機は、加重債務にリプロファイリングで対処する政策が、債務国を維持不能な債務の重圧の下に押し込め続け、何十年も開発の機会を失わせることを立証しています。加重債務の解決と経済成長の再開をもたらすのは、現実に債務削減しかありませんでした。これは現在のギリシャにも十分当てはまります。われわれは再び声を大にして、ギリシャ債務の大幅な削減を要求します。

しかし、債務問題解決の負担を欧州の納税者が負わねばらないないとすると、それは大変遺憾なことです。これは明らかに、元々は商業(私的)債務であったものを、公的資金で銀行を救済することによって、公的支出にすり替えた結果、生じたものです。いくつかの研究(最新のものはベルリンのthe European School of Management and Technologyによる)は、トロイカの貸付の95%が、欧州内外の古い債務の返済と銀行救済に使われたことを示しています。このように使われた費用の返済責任をギリシャ市民に要求することは不当です。

しかし同時にわれわれは、ギリシャ債務危機の解決は、欧州の納税者と公的予算への負担を最小にする形で行われるべきだという数カ国の財務大臣と同意見でもあります。よってわれわれは、欧州各金融機関への弁済ならびに債務帳消しにかかる費用は、救済融資の恩恵を被った銀行に負担させるべきだという主張を再度、強力に訴えたいと思います。

EWG(ヨーロッパワーキンググループ)は、この措置のための法的技術的提案の策定を即座に開始すべきです。
われわれは、民主主義の尊重、一致と団結、そしてすべての人の人権の尊重というEUの基本的理念を反映したギリシャ債務危機解決策を、EWGが策定し、ユーログループが承認するであろうことを深く信頼しています。


敬具

Attac Finland
Attac Ireland
Both Ends
Bretton Woods Project
CADTM - Committee for the Abolition of illegitimate Debts
Centre national de coopération au développement CNCD-11.11.11
Debt and Development Coalition Ireland
Ecologistas en Acción
Ekumenická Akademie
Enabanda, Erlassjahr.de – Entwicklung braucht Entschuldung
Eurodad - European Network on Debt and Development
European Information Human Rights Centre
Jubilee Debt Campaign UK
Společenství Práce a Solidarity
War on Want
Zukunftskonvent
 
 
posted by attaction at 16:20 | 貿易、債務、貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月11日

【5・12日/夜】G7伊勢志摩サミット反対!街頭記者会見に夜たちあがれ!(東京・日銀本店前) 参加と取材のお願い

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★ 【5・12日/夜】G7伊勢志摩サミット反対!
  街頭記者会見に夜たちあがれ!(東京・日銀本店前)
  参加と取材のお願い



日時 2016年5月12日(木)19時〜20時
場所 日本銀行本店前(メトロ三越前駅2分、日本橋駅7分、JR東京駅8分)
地図 https://www.boj.or.jp/about/outline/location/index.htm/ 
発言 小倉利丸さん
    ATTAC Japan(首都圏)
    G7茨城・つくばサミットを問う会
    伊勢志摩サミットに反対する実行委員会(東京)
    ほか
主催 G7伊勢志摩サミット反対街頭記者会見
連絡 080-41706263(稲垣)


8年ぶりにサミットがやってきます。伊勢志摩をはじめ全国各地で開催された関連会合でも「歓迎」ムード一色のサミット。しかし8年前の洞爺湖サミット以降、「世界のリーダー」を自称するG7サミット体制がもたらしたのは、リーマン金融危機、ユーロ債務危機、緊縮攻撃、イスラム諸国に対する軍事介入、放射能被害者を放置したままでの原発再稼動・輸出、沖縄へのさらなる基地負担の押し付け、そしてアベノミクスという危機の先送り…。

サミットを前に安倍首相は外遊先で「世界一ビジネスがしやすい国を目指す日本に投資を!」と叫び、まるで福島や熊本の災害などなかったかのようにサミット前の売り込み一色です。

しかしパナマ文書の公開でその一端が明らかになった大企業と金持だけが潤う世界の秩序と安定を目指すのがサミット体制の本質ではないでしょうか。テロの危機を叫びながら、テロの原因となっている貧困と混乱を世界中にまき散らしてきたのがサミット体制の本質ではないでしょうか。

「サミット反対」の声は世界の常識です。サミット参加国のフランスでは労働規制緩和に抗する「夜たち上がれ」運動が5月15日に世界中で夜に立ち上がることを呼びかけています。イギリスのコービン人気やアメリカのサンダース現象の根底には貧富の格差と不公正に対する人々の怒りがあります。カナダ・モントリオールでは6月に世界社会フォーラムが開かれます。

サミット参加国だけではありません。わたしたちは不正と格差と差別に怒る世界中の人々とともに、サミット体制に反対の声を上げたいと思います。

日本でサミット開催反対を主張する団体や個人による街頭記者会見にぜひお越しください。

※パナマ文書の公開によりその一端が明らかになった多国籍企業や富裕層による税逃れ問題について、5月20〜21日に仙台で開催するG7財務大臣・中央銀行総裁会合でも対応が話し合われる予定ということもあり、記者会見の場所を日本銀行本店前にしました。ご了承ください。

posted by attaction at 10:56 | G8/G20 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月01日

Nuit Debout! 夜、立ち上がれ!

パリ在住の山口さんから寄せられたNuit Debout(夜、立ち上がれ)の報告です。Nuit Deboutの公式サイトはこちら。日本語情報については、レイバーネットのこちらの記事をご覧ください。

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会員の山口です。

フランスでは3月から労働法改悪法案に反対するデモが続いています。一昨日木曜日には5回目の大きな全国デモがありました。

この法案が通過すると、経済的理由による解雇しやすくする、超勤手当の削減、会社単位で労働組合との同意があれば労働法違反にならない、労働裁判による賠償金の上限を設ける、などなど、労働者の権利がかなり後退し、多くの若い労働者の不安定雇用がさらに常態化します。

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学生たちのデモ隊列

そして、これに反対する若者たちがパリのレピュブリック(共和国)広場を占拠する形で集まり、連日連夜、労働法改悪反対集会をはじめ失業、不安定雇用、移民、フェミニズム、環境など様々な社会問題について討論しているNUIT(夜)DEBOUT(立ち上がれ)が全国各地に広がっています。

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労働組合組織Solidaires/SUDの組合員たち

このNUIT DEBOUTに労働組合が共闘を呼びかけ、木曜日のデモは若者と労組の連携が実現しました。パリのデモの先頭は多くの若者たちで、その横断幕には手書きの「高校生、学生、労働者、たたかう者たちはみんな一緒に!」。その後労働組合が延々と続きました。

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「昼間膝をつくくらいなら夜立ち上がれ!」

この日はゼネストではなくセクターごとのストでしたが、若者に呼び掛けただけあって労働組合も気合が入っていたようです。デモの途中、セーヌ川沿いの壁にはでかでかと「昼間膝をつくくらいなら夜立ち上がれ!」。その後のNUIT(夜)DEBOUT(立ち上がれ)はさらに多くの人が集まっていました。

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警察、政府、マスコミが一部の若者の破壊行為ばかりを取り上げ、この運動をつぶそうとしているようですが、明日のメーデーも若者と労働組合と市民の大結集でそれを跳ね返したいところです。

1er Mai Debout!!(メーデーにたちあがれ!!)

posted by attaction at 19:06 | 公共サービス、反民営化、労働 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする